離職票が退職後すぐに届かない理由

今日も離職票が届かなかった……

退職後の諸々の手続きを進めたいのに、離職票が届かないからなにもできない! とストレスを抱える人はとても多いです。

でもちょっと待ってください、ほんとうに離職票が必要ですか?

そもそも人によっては離職票をもらわなくてもよかったり、むしろ必要なのは退職証明証だったり。

このページでは、離職票にまつわるあらゆる疑問を詳しく解説します。

離職票が届かなくて不安な方は、ぜひご覧ください。

離職票とはそもそもどういう書類か

重要な書類を持っているビジネスパーソン

離職票がどういう書類なのか、うまく説明できる自信はありますか?

正式名称は雇用保険被保険者離職票ですが、覚える必要は1ミリもありません。

ハローワークの説明を引用すると、離職票は以下のように定義されています。

離職票とは、雇用保険の失業給付(基本手当)を受給するときに必要な書類で、退職後10日前後までに、退職した会社から渡されるものです。

事業主は,離職者が離職票を請求するために離職証明書の交付を求めたときは,交付する義務があります。

ここできちんと理解しておきたいのは、離職票は失業給付の申請に必要な書類ということ。

失業保険と書いたほうがイメージしやすいでしょうか。

詳しく解説していきます。

離職票が必要な人と不要な人

すでに転職先が決まっている方をはじめ、以下のような理由で退職した方は、離職票をもらう必要はありません。

  • 転職先が決まっている状態で退職した場合
  • 個人事業主として開業や会社を立ち上げる場合
  • 定年退職後に新たに仕事を探さない場合

何度でも繰り返しますが、離職票は失業保険をもらうために必要な書類。

次の仕事が決まっていたり、独立する方、定年退職してゆっくり過ごすことを考えているなら、離職票が届くのを待つ必要はありません。

退職前に離職票の発行を依頼

少し過去を振り返ってみましょう。

最終出勤日を迎えるまでに、上司や人事の担当者へ離職票の発行をきちんと依頼しましたか?

離職票の発行を依頼してなければ、基本的に離職票は届きません。

事業者向けの説明を見てみると、以下のように明記されています。

事業主は退職した者が離職票の交付を希望しない場合、離職票を提出する必要はありません。(一部要約)

なかなか離職票が届かない……としびれを切らして前職に問い合わせると、「離職票が必要なんて聞いてなかったから、なにも手続きを進めていない。」と返答されることも。

退職手続きの経験が豊富で、心の清らかな担当者であれば、退職前に「離職票いるの?」と確認してくれますが、他人に期待しすぎるのはよくありません。

次の仕事が決まっていない状態で会社を辞めるときは、離職票の発行を忘れずに依頼しておきましょう。

離職票は2種類ある

ちなみにひとことで離職票といっても、2つの書類に分かれていることはご存知ですか?

  • 雇用保険被保険者離職票-1
  • 雇用保険被保険者離職票-2

それぞれ離職票1と離職票2と簡略化されることが多いですね。

1と2でなにがどうちがうのか、簡単にご説明します。

離職票1

雇用保険被保険者離職票-1

こちらが離職票1のサンプル。

実際に当サイト管理人が過去に受け取ったものをスキャンしたデータなので、一部モザイクをかけています。

雇用保険の被保険者番号や、何月何日に会社を退職したのか、どこの会社を辞めたのか、などの情報が記載されています。

離職票が手元に届いたら、念のため記載内容に間違いがないか確認しておきましょう。

失業保険の手続きを進める場合は、どこの口座に失業手当を振り込んで欲しいのか記入する欄がありますので、あらかじめ記入しておくと後々便利です

離職票2

雇用保険被保険者離職票-2

離職票2と呼ばれる書類がこちら。

会社を辞めるまでに賃金がいくら支払われていたか、退職理由はなにか、などの情報が記載されています。

賃金について注意が必要なのは、額面給与ではなく交通費なども含めた金額になっているということ。

失業保険の手続きを進めようと考えている場合、支払われる金額にも関わってきます。

今まで受け取った給与明細と見比べて、金額に間違いがないか確認しておきましょう。

退職証明書と離職票のちがい

勘違いされやすい、離職票と退職証明書のちがいについてもきちんと理解しておきましょう。

  • 離職票:失業保険の申請に必要、ハローワークへ提出
  • 退職証明書:主に転職先から求められた際に提出

似ているようで用途は大きく異なります。

退職証明書は、あなたが本当に前職を辞めていることを証明するための書類。

念のための確認として、転職先の企業から提出を求められることがあります。

「退職証明書? そんなものいらないよ!」と言われることも多いため、焦って発行を依頼する必要はありません。

退職証明書については、以下の記事で詳しく解説しています。

離職票が届かないのは時間がかかるため

不機嫌な表情で仕事をする女性

ここまで離職票の基礎知識について解説しました。

ではなぜ離職票はすぐに届かないのか、その理由を探ってみましょう。

離職票の発行に必要な諸手続き

あなたが会社を退職したとき、健康保険や国民年金の切り替えなど、いろいろと手続きが発生しますよね。

実は会社側も、あなたが退職したことで面倒な手続きが多々発生しています。

主な手続きとしては、以下2つの書類を作成してハローワークへ提出しないといけません。

  • 雇用保険被保険者資格喪失届
  • 雇用保険被保険者離職証明書

順に解説していきます。

雇用保険被保険者資格喪失届

まず「雇用保険被保険者資格喪失届」という書類を、あなたが退職した翌日から10日以内に管轄のハローワークへ提出します。

これは雇用保険法という法律できちんと定められています。

事業主は雇用する労働者が被保険者でなくなつたことについて、当該事実のあつた日の翌日から起算して十日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届に被保険者でなくなつたことを証明できる書類を添えて管轄の公共職業安定所に提出しなければならない。(一部要約)

ちなみに、雇用保険被保険者資格喪失届の書類はハローワークのサイトからデータをダウンロードできます。

雇用保険被保険者離職証明書

離職票を発行するためには「雇用保険被保険者離職証明書」という書類も提出が必要。

この書類は3枚つづりの複写式。

面倒なことに、社内に書類のストックがなければハローワークに取りに行かないといけません。

ハローワークのサイトからダウンロードできないのです。

会社の近くにハローワークがあればまだしも、夏の暑い日だったり、雨がザーザーに降っていたりすると、わざわざ取りに行きたくないですよね。

そうです、離職票の発行手続きは面倒くさいんです。

退職を証明する提出物を準備

さらに退職したことの証明として、退職届やタイムカード、労働者名簿なども添付して送ることになっています。

提出書類を整えるのにも手間と時間がかかるものです。

年度末や決算時期、株主総会の時期と重なったりすると、どうしても退職手続きは優先度を下げられてしまいがち。

繁忙期直前に退職した場合、ある程度遅れることは覚悟しておきましょう。

ハローワークと郵送でやりとり

必要書類の準備が整ったら、まとめて管轄のハローワークへ郵送します。

午前中にポストへ投函すれば、翌日にはハローワークに届くかもしれませんが、おおよそ1〜2日はかかるものです。

わざわざ速達で送るような会社はないでしょう。

必要書類がハローワークに届くと、雇用保険被保険者離職証明書を元に離職票が作られます。

そしてその離職票が、またしても郵送で会社に送られます。

ハローワークから直接離職票が送られてくるのではなく、会社を経由するため、どうしても時間がかかります。

たとえば総務の担当者が社内に1人しかおらず、しかも体調不良で会社を休んでいたりすると、ますます離職票の到着が遅れていきます。

そこそこ大きな会社であれば、社労士事務所などに退職手続きを丸投げしていることも多いです。

手続きを外注していたとしても、手元に離職票が届くまで少なくとも1週間以上かかることは理解しておきましょう。

離職票が届かないときはハローワークへ

屋外で落ち込んでいる若い男性

今日は退職してから何日目ですか?

退職後2週間ほどで届くはずの離職票が、3週間経っても届かない……と悩んでいる人はとても多いですね。

Twitterで検索してみると、離職票が届かないことに不満を感じている人が山のように出てきます。

2週間以上待っても離職票が届かないときは、まずは会社へ催促の連絡をしましょう。

発送を忘れられていた、という可能性もゼロではありません。

催促してもなお離職票が届かないときは、ハローワークへ相談です。

ハローワークから会社へ離職票発行を促してもらえます。

そもそも退職手続きがきちんと進んでいるかどうかも、ハローワークで確認可能。

円満退職ではなかったり、前職がブラック企業だった場合、退職手続きが適切に行われていないことも。

万が一トラブルに発展しそうなときは、決してひとりで解決しようとせず、まずはハローワークで相談しましょう。

ぶっきらぼうな窓口のおじさんも、あなたの味方です。

万が一紛失したときは再発行が可能

万が一離職票を紛失してしまったときも、ハローワークへ行けば再発行してもらえます。

ただし、離職票がまだ届いていない状態で「紛失したので再発行して欲しい」と依頼することはできません。

あくまで離職票が既に発行されていた場合のみ、つまり退職手続きが適切に行われていた場合に限り、再発行が可能です。

ハローワークのサイトから「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」をダウンロード可能なので、再発行が必要なときはうまく活用しましょう。

失業保険はどれくらいもらえるのか

お財布を持っている若い女性

離職票が無事に手元に届いたとして、肝心の失業手当がいくらもらえるのか気になりませんか?

先にお伝えしておくと、最低限の生活ができる程度のお金しかもらえません。

さらに注意すべき点がいくつもあるため、基本的なポイントをチェックしておきましょう。

失業保険をもらうための条件

そもそも失業保険は、誰でももらえるものではありません。

満たしておくべき条件は以下の2つ。

  • 1年以上雇用保険に加入
  • 失業の状態にあること

「失業の状態」とは、病気やケガですぐに働けない状態だと失業保険はもらえないというルール。

出産や育児を理由に退職した場合や、定年退職、専業主婦になるときも同様です。

転職先を探す前提であれば、雇用保険の加入期間だけ確認しておきましょう。

手元に離職票1があれば、いつから雇用保険に加入しているか確認できます。

傷病手当金

病気やケガでしばらく療養が必要なとき、失業保険は申請できないものの、傷病手当金を利用できる可能性があります。

病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金が受けられます。

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

最大で1年半、今までもらっていた給与の60%前後の手当が支給されます。

傷病手当金は休職中にもらえるものでしょ? と思われがちですが、会社の健康保険に1年以上加入していれば退職後も適用されます。

ちなみに、国民健康保険には傷病手当金という制度がありません。

健康保険に加入していた会社員が主な対象となるため、間違えないように気を付けましょう。

傷病手当金について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

出産手当金

出産を理由に退職したときも失業保険はもらえませんが、出産手当金の申請を検討してみましょう。

傷病手当金と同様、条件を満たしていれば退職後も申請が可能です。

Q:会社を退職することになりましたが、退職後の期間についても出産手当金を申請できますか?

A:次の2点を満たしている場合に退職後も引き続き、出産手当金の支給を受けることができます。

被保険者の資格を喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること。

資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。

出産手当金は、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)から産後56日の中で、働かなかった期間に応じて手当が支給されます。

支給される金額は、今まで給与のおおよそ60%です。

会社都合で退職した場合

リストラなどの会社都合で退職した方は、適切に手続きを進めれば、離職票が届いてから1ヶ月以内に失業保険を受け取れるでしょう。

受け取れる金額は、退職前6ヶ月分の給料の50〜80%ほど。

年齢や雇用保険加入期間によって差はあるものの、最大で180日分の失業保険を受け取れます。

とはいえ贅沢できるほどのお金はもらえないため、なるべく早く転職先を見つけたいですね。

自己都合で退職した場合

自己都合で退職した方は注意が必要です。

離職票が手元に届いてから、すぐにハローワークへ手続きをしても、失業保険を受け取れるまで約3ヶ月待たされます。

離職票が届くまで約2週間かかると考えると、失業保険が振り込まれるのは約4ヶ月後。

収入が4ヶ月途絶えても、1日3食しっかり食べていけますか?

ただし、いくつかの条件を満たしていると自己都合退職でも会社都合退職扱いになるケースがあります。

たとえば長時間残業を何ケ月も続いたうえで退職したときや、給料の未払いが何度も続いた場合など。

自己都合退職で失業保険を申請するつもりの方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

離職票が届くまでの時間を有効活用

新緑に囲まれたスーツ姿の女性

離職票が手元に届くまで、どれだけ早くても退職日から1週間以上かかります。

自己都合で退職した方はとくに、離職票が手元に届いたとしても、失業保険を受け取れるのは季節が完全に変わった頃。

3ヶ月後にもらえる失業保険をあてにして、わびしい節約生活を続けていきたいですか?

会社都合退職なら多少優遇されるとはいえ、早めに転職先を見つけたほうが生活は断然楽になります。

もしまだ転職活動に本腰を入れていないなら、今すぐにでも動き出すことをおすすめします。

希望の仕事内容で、前職より待遇の良い会社を見つけるとなると、転職先探しにも意外と時間がかかります。

興味のある会社を見つけられたとしても、内定をもらえるかどうかは別問題。

条件の良い会社ほど競争率も高いですし、中途半端な状態で臨んでもあっさり落とされてしまいますよ。

転職は運とタイミングも影響するため、転職活動が半年以上長引いてしまう人も少なくありません。

離職票が届くまでの期間を含め、時間を有効活用しましょう。

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