会社を辞めると決めたなら。
賞与の時期が近ければ、もらえるものはきっちりもらう。
有給休暇が余っているならば、きっちり使い切ってから辞めれるのがベストですよね。
退職前に溜まっていた有給を消化することができれば、余裕を持って転職活動を進めることもできます。
独立してフリーランスになる人も、次の仕事の準備に時間を使うことができます。
残っていた有給を使い切ってから会社を辞めることは一般的に思えますが、有給消化をできずに辞めてしまう人も少なくありません。
私自身、2社目と3社目を辞める時、有給消化せずに会社を辞めています。
私のように損をしないためにも、退職を考え始めたタイミングで有給休暇の基本的なルールについて理解を深めておくことをおすすめします。
退職時の有給消化は自分から申し出よう
余程まともな会社だったり、とても素晴らしい上司でない限り、退職時の有給消化は自分から申し出ないと実現できないことが多いです。
うまく言い出せずに、有給を消化することなく会社を辞めた人もいると思います。
会社からすると、給料を払うことになる以上、しっかり仕事をして利益に貢献してほしいですからね。
有給を消化せずに辞めてくれた方が、会社にとってはお得なのです。
あなたと上司の関係性が良好なのであれば、会社を辞める相談をするときに、有給消化することを見越して退職日を決めていきましょう。
上司との関係性がよろしくない時は、進め方を少し考えていく必要があります。
有給休暇は労働者の権利であり会社は拒否できない
そもそもの話になりますが、有給とは労働者の権利であって、会社に有給を拒否する権利なんてないのです。
有給休暇は労働基準法の第39条によって、きっちり保証されているのです。
一部を引用して紹介します。
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
原文はちょっとわかりづらいですが、要は6ヶ月以上勤務していて、8割以上出勤していれば有給は認められるということです。
入社して日が浅かったり、会社を休んでばかりの場合は有給は取得できないので注意してください。
会社側に許されているのは、「時季変更」と呼ばれるものだけです。
これは業務上どうしても忙しくなる時季に有給を取りたいと言われた場合、有給の日程をずらすことができるのです。
ただこれも、あくまで時季をずらすだけであって、有給の取得を拒むことはできません。
強引に有給消化を進めるなら
「有給消化して退職することに上司が非協力的で、何度か話をしてみたものの埒があかず、このままだと有給を消化できないまま会社を辞めることになりそう…」
そんな時は多少強引なやり方で有給を消化してしまいましょう。
まず退職届を提出して退職日を決めてしまいます。
そして退職日を固めてから有給を申請するのです。
退職日を決めてから有給を申請すれば、退職日が決まっている以上、会社は時季変更の権利を使うことができなくなるのです。
ただこのやり方は、会社や上司との関係性が良くない時の最終手段として考えてください。
円満退職にはならない可能性がありますので、積極的におすすめはしません。
引き継ぎのことも考えてあげて
会社や上司との関係性がそこまで悪くなければ、自分が担当していた業務の引き継ぎのことも考えた上で、有給消化のタイミングや退職日を決めていきましょう。
上司からここまでの仕事はやってほしい、後任にここまでのことは教えてほしい、など要望を出されることもあると思います。
なんでもかんでも要望を聞き入れていると、いつまでも辞められなくなりますが、多少は考慮してあげてもいいのではと思います。
引き継ぎにかかる日数、残っている有給を消化する日数を考えた上で退職日を決められるとベストですね。
有給休暇は全部きっちり使わないと損
有給は労働者の権利であり、使える権利は行使すべきです。
私は3つ目の会社を辞めるとき、自分が責任者として複数の案件を動かしていたことと、引き継げるスタッフが社内に誰もいなかったことで、結局退職日ギリギリまで仕事をしてしまいました。
会社側とトラブルになったとか、そういうわけではなく、自ら望んで仕事をしてた馬鹿野郎なのです。
単純に有給休暇についての知識がなかったということもあるのですが…
2つ目の会社を辞めるときは有給消化以前の問題で、給料が支払われなかったり、取引先から入金の催促があったりと無茶苦茶な状態だったので……いやはや大変でした。
使える権利をきっちり行使して、あなたにとって有利な形で退職できることを願っています。