雨に濡れるオフィス街

大型台風や雪の予報を見ると、心配になる反面「会社を休めるかもしれない!」と内心ワクワクする人は多いです。

そんな時に「何があっても絶対出社するように」なんて連絡が入ると気が滅入ってしまいますよね。

台風や自然災害の時に無理に出社すると、身の危険があるだけではなく仕事の効率も下がります。

台風や自然災害の時に出社を強要する会社は、何がいけないのかについて考えていきましょう。

台風や自然災害で休めるかは就業規則次第

書類を確認する男性

台風や自然災害時に会社がどのような対応をするかは、法律では定められていません。

一まとめに「台風」と言っても、毎回規模や風雨がピークになる時間帯は様々ですから、その時その時で臨機応変に対応するのが当然とも言えます。

基本的に、会社員は台風や自然災害時の対応はその会社の就業規則に従って決めます。

リモートワークが可能な会社では「『警報』が出たら自宅待機」となっていたり、社員の多くが同じ路線で通勤している会社なら「朝○時時点で××線が停まっていた場合」など細かな規定がある場合もあります。

台風など事前にわかっている自然災害なら、上司や同僚との間で「明日はどうしようか?」という話が出るのが普通ですが、何の連絡や取り決めもない場合は就業規則に従いましょう。

自己判断で「今日は休もう」と決めてしまうと、無断欠勤になってしまう場合もあるので注意してください。

自宅待機や在宅勤務とする会社が増えてきた

2011年の東日本大震災以降、日本人の自然災害への意識は変わってきました。

2018年、台風21号がもたらした大規模な被害を鑑みて、24号接近時にJR西日本が前日から計画運休を行ったのは記憶に新しいですね。

日本全体が、「何が何でも計画通り仕事をしなければ」という考えを変え「空振りでもいいから、安全第一・人命優先の対応を」という意識を持つようになりました。

そもそも現在は、PCやスマホを使えば必ずしも会社へ行かなくてもある程度の仕事ができる時代です。

そのため各企業の就業規則も、以前よりは無理をせず自宅待機や在宅勤務を推奨する内容に変わってきているのです。

出勤強要は安全配慮義務違反になることも

しかしながら世間の風潮に反して「何があっても絶対出勤しろ」「電車が停まるから前日から会社泊で待機」という強硬な会社はあります。

災害時の安全管理や復旧に関する仕事など、どうしても災害時も出勤しなければいけない業種は確かにあります。

しかしそうではないのに出勤を強要した場合、安全配慮義務違反になる場合があるのを覚えておきましょう。

例えば「台風の飛来物で怪我をした」「道路の冠水で車が故障した」など、出勤を強要されなければ起こらなかった怪我や損失には、会社が重大な責任を負うのです。

もしあなたが部下を持っていたり、プロジェクトのリーダーでチームの出勤を判断する立場の場合、無理な出勤要請は訴訟や賠償を引き起こす可能性があることを知っておくべきです。

労働契約法第5条に明記されている

労働契約法第5条「労働者の安全への配慮」には、以下のような条文があります。

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

このように明記されているため、自然災害で明らかな危険があるのに出勤を強要するのは法律違反です。

そもそも社員の身の危険以上に、会社の利益や会社への忠誠心を求める会社は、まともな会社とは言えません。

ちなみに「労働者の安全」とは、物理的な負傷だけではなく心身の病気もカバーするので、パワハラによる鬱や過労死ラインを超えた残業にも適用されます。

気象庁が発表する警報とは何なのか

夜中まで残業中の男性

気象庁が発表する警報には、「注意報」「警報」「特別警報」という3つのランクがあります。

それぞれの警報に対し、推奨されている行動は以下の通りです。

注意報

  • 最新の情報を確認
  • 災害に備え早めの準備を
  • 非常持ち出し品の準備

警報

  • 自治体が発表する避難に関する情報に注意し、早めに避難

特別警報

  • 外出が危険なときは、建物の中で少しでも安全な場所に移動
  • 冷静な判断を心がけ、周囲の状況に応じた行動をとる

「注意報くらいなら特に気にしない」という方も多いかと思いますが、実は気象庁は注意報の時点で避難準備を始めることを推奨しています。

万一の災害に備えて、警報の意味をしっかり理解し、対応を覚えておきたいですね。

台風でも休めない会社はブラック企業か

上司にこっぴどく叱られている女性

ここまで、自然災害の時に無理をしないことの重要性をお伝えしてきましたが、実際にどのようなリスクがあるのかを考えてみましょう。

リスクがわかれば、自分の会社が社員に無理を強要するブラック企業なのか、理にかなった対応を求めているホワイト企業なのかを判断することができます。

業種や職種によって休めないのは事実

台風や自然災害時も、どうしても出勤しなければいけない仕事は確かにあります。

例えば電気・ガス・水道・交通など、自然災害で被害を受けた時にすぐに復旧対応をしなければいけないライフライン関係。

患者の容体にすぐに対応しなければいけない医療関連や、自力で避難できない動物の世話をする動物・畜産関連、気象の影響を大きく受ける農業など、意外に台風でも休めない仕事は多いのです。

このような職種で「危険なので出勤しません」と言うのは、確かに身を守る行動ではあるのですが職務上の責任感に欠けた行動となってしまいます。

自然災害時も休めないのはその仕事に就く時点である程度予測できますし、そういった場面での出勤には危険手当が付くことも多いです。

そのため自然災害時に出勤しなければいけない仕事が全てブラック企業かというと、それは違うという結論になります。

休んでいる会社も多いので仕事はヒマ

しかし災害時の出勤が必須ではない業界では、先にご紹介したように防災意識の高まりから休みになる会社も多いです。

取引先の会社が休みになると問い合わせや発注も止まりますから、必然的に仕事はヒマになります。

せっかく無理を押して出勤したのに、取引先からの連絡待ちで一日が潰れてしまうということも。

結局ヒマになって利益が出ないのが目に見えているのに、それでも出勤を強要する会社は、精神論重視のブラック企業と言えるでしょう。

停電で仕事ができなくなることも

どんな業種も、停電になってしまっては仕事ができません。

PCや機材は動かなくなってしまいますし、そもそも明かりがなければどんな仕事も続けることは不可能です。

強風や雪の重みで物理的に供給ラインが切断されてしまう以外にも、二次火災などを防ぐため意図的に電気の供給を停める場合もあります。

停電が起こってしまっては、どんなに仕事をやる気があっても時間の無駄になります。

そういったリスクがあるのに社員に出勤を強要するのは、明らかにブラック企業ということになります。

会社への宿泊やタクシー出勤の強要はNG

会社によっては、「電車が計画運休だから前日から泊り込み」「電車が停まっているならタクシーで来い」など無茶な要求をすることもあります。

そもそも電車が計画運休するほどの災害なら明らかに身の危険があると言えますし、そんな時には交通網も混乱していて会社に辿り着くのは困難です。

先にご紹介したように、災害時にどうしても人員が必要な職種なら仕方がありませんが、そうではない会社でそこまで強要するのは労働契約法違反です。

無茶な出勤を強いられた人が駅などに殺到すると更なる混乱を引き起こしますから、社員の労力が削られるだけではなく世間一般の迷惑となることも。

世間の混乱を押してまで一企業の利益を求める会社は、明らかにブラック企業です。

台風で出勤を強要されたら早めに退職を

自宅のソファでくつろいでいる女性

繰り返しとなりますが、社員の命や心身に危険がある時に、会社の利益や必要以上の忠誠心を求める会社は、間違いなくブラック企業体質です。

会社を形作る存在である社員を大切にしないのは、組織として本末転倒と言えるでしょう。

非常時の対応にこそ、企業の本質が現れる場合があります。

台風や自然災害の時に、差し迫った必要もないのに出勤を強要されたら、早めに転職を考えましょう。

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