「大企業はもう疲れたから中小企業で働いてみたい!」
「一攫千金を狙ってスタートアップベンチャーで頑張りたい!」
規模の小さな会社を勤務先に選ぶ方は少なくありません。
大手企業ほどの安定性はなくとも、若手でも権限のある仕事を任されたり、自由度の高さなども魅力。
とはいえ、どのような働き方にもメリット・デメリットは存在するものです。
このページでは、中小企業で働くことの大変さやツラさについて社会人100人にアンケート調査した結果を掲載しています。
近いうちに転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
任される仕事が想像以上に大変
今回のアンケートでもっとも多かったのは、思っていたより仕事が大変という回答でした。
大企業で勤務した経験のある方はとくに、ひとりで担当する仕事量の多さに驚愕することも。
営業で入社したはずなのに請求書の発行や入金確認までやらされたり、コピー用紙の発注やトイレの電球を交換させられたり。
人事や総務などの担当者がいない会社も多く、必然的に一人ひとりが複数の業務を兼務します。
もちろん「幅広い仕事に挑戦したい!」という方にとっては、むしろやりがいのある職場といえるでしょう。
とにかく何でもやり方が古いです。出勤簿は一冊のノートに各自手書き。給料は現金手渡し。取引先にも社員が集金に行って現金回収。もっと効率の良い方法に変えて行けばと思うのですが会長及び社長(息子)の方針で変えられません。(40代 録音スタジオ)
作業環境が悪い。十分な局所排気がない場所での揮発性有害有機物質の取扱作業(50代以上 化成品 薬品)
会社名が知られていないため、いちいち説明が必要(40代 製造)
人手が不足してしまう(20代 食品)
コンピュータではなく手書きなので紙ファイルの量も膨大。注文の電話が来るたびに古いファイルから探し出さなければならなかった。建物が汚く清潔感皆無。(30代 メーカー)
わからないことがあってもあまり教えてもらえない、会社でマニュアル化されていないので個々人の判断にまかされる(40代 コンサルティング)
取引先からの無理な注文にこたえなければいけない(40代 メーカー)
やはり大企業に比べて取引先のうけが悪いです。(30代 製造業)
安定した取引先がなく、生活よりも仕事を取るためなら全国どこへでも行くという雰囲気がツラかったです。(40代 設計)
会社としてのシステムがちゃんとできていない事です。大手だと、マニュアルなどありますが小さいのでマニュアルもなく人によって考え方や行い方が違うこと。(30代 小売業)
ひとりで担当する範囲が広い
中小企業は大企業のように組織化が進んでいないため、ひとりの仕事量はどうしても多くなりがち。
人手不足に陥っている職場も多く、ちょっと風邪を引いたくらいでは休めないことも多いです。
精神的、肉体的にもタフでないと、規模の小さな会社で活躍することは難しいかもしれませんね。
人員が少ないため仕事の範囲が広くなること(40代 自動車販売)
人員が少ない為一人であらゆる部署(総務、営業、経理)の掛け持ちをさせられた。(40代 不動産)
1人で何役かの業務を遂行しなければならないこと。(40代 主夫)
とにかく半端ない仕事量で、毎日帰宅出来ず、ネットカフェでシャワーを浴びて会社で寝泊まりしていました。(30代 求人広告制作)
毎日テレアポ300件かけていたが、リストを用意してくれず、自分で集めるしかなかった。また、社長が営業未経験のため全くコツを教えてもらえなかった。アポを取ったとしても、社長が営業未経験のため大変さをわかってくれなかった。(30代 マーケティング)
事務作業から営業、納品までひとりの仕事量が多い(30代 メーカー)
見積り請求等の事務処理から全部になるので、自営業の感覚があるので精神的に辛い時があります(40代 ビルメンテナンス業務)
事務員が1人だったため、忙しい時でも手伝ってくれるスタッフがいなかったです。現場は、忙しければ下請けさんや同業者から応援を頼んでいたが、事務の下請けはいないので大変でした。(40代 水道事業)
日常業務を一人でやらねばならず、精神的に余裕がなかった。直属の上司は、社長で中小特有の小さな思考感覚の圧力で疲労感がいつもあった。(50代以上 サービス)
全て系統化されていないので、社長の気分で変わったり、経理や営業、企画などすべての業務が1日の中で処理する必要がある。しかも教育はほとんどないので、その都度、気分状態をみて聞かなくてはならない。やることが多種すぎる。(40代 医療システムサービス)
大企業のように職務が分担して行えないこと。営業、事務作業、各種手続きを全て自らこなさねばならない事。(40代 不動産業)
社員4名、パート人数が3人と少ないのと業務量に波があるため、一人当たりの携われる業務が統一ではないのにも関わらず時給が一緒なのが悔しかったです。(パートの人材育成に力を入れていないというベースができているからかもしれませんが)(40代 小売業)
社員の人数が少ないので、本来担当で無い業務もやらされました。(30代 食品)
代わりがいないため休めない
毎日やる作業が増えていった。休日は2カ月無しもありました。(30代 小売り業)
人数が少ないので、休みが取りづらいこと(20代 卸売り業)
誰かが欠勤した時の代わりがいない。急ぎの用件の場合は、自分の業務を後回しにして対応せざるを得ない。(30代 出版社)
人が休むと急に仕事量が増加することです。もともと人材が少ないのにインフルエンザなどで1週間も休まれると、自分の仕事が倍以上になることがしんどいです。(30代 サービス業)
時間外労働ももちろんたっぷり
人員に余裕がないということは、労働時間も長くなってしまうということ。
「定時に帰ったことなんて一度もない」
「そもそも定時が何時なのか知らない」
という会社も多いので、くれぐれも注意しましょう。
10名程度の会社だと就業規則すら作っていないケースもあるため、入社前に確認することをおすすめします。
泊まり込みの残業が当たり前だった(30代 IT)
とにかく人がいないので、残業は当たり前。一人一人の業務量が多すぎる。(20代 サービス業)
残業代未払いだったこと。社長に口答えすると、殴る、蹴る、暴言を吐かれるが日常的にあったこと。(30代 IT)
事務職をしていましたが、製造オペレーターが足りず納期に間に合わない時には製造も手伝っていました。定時まで製造の仕事をしてから残業で事務の仕事をするのがしんどかったです。(20代 製造業)
人数が少ないので残業が断りづらい。(40代 販売)
中小では無理難題をそう簡単には突っぱねることが出来ず、短納期で急な仕様変更を依頼されることも多々あり、それがどれくらい後戻り作業やこれからの作業に影響してくるかも考えてもらえないので、残業がどんどん増えていき終電で帰るのは当然だと思っていました。(30代 IT)
零細ベンチャー企業で事務業務全般をやっていましたが、休日も会社の電話が自分の携帯電話に転送設定することになっており、休んだ気になれませんでした。自分の給与を自分で振り込むのも切なかった。(40代 貿易および広告代理店)
人手不足による残業がつらいです。(30代 制作会社)
働き方改革などの動きが大手企業ほど盛んではなく、サービス残業や休日出勤が常態化している(30代 人材紹介(ベンチャー))
人手が足りず、毎日残業するのが当たり前という意識が強かった。定時で帰れる日があっても、他の人が残業している中だったので帰りづらかった。(20代 環境分析)
残業代の請求ができなかった。所属部署以外の仕事もしなければならなかった。(40代 商社)
残業手当が全くつかなかった。お盆休みも特に設定されていなかった。社長のセクハラが数回あった。社長の私的な用事(慶弔)に、休日にも拘わらず呼び出された。(50代以上 出版社)
ワンマン社長にいつも振り回される
中小企業で働くことの代表的な悩みといえば、ワンマン社長の存在も定番ですね。
社長に意見することが許されなかったり、どれだけ頑張っても親族以外は出世できなかったり。
ひどいケースだと、パワハラやセクハラが横行している職場も。
もちろん誰もが尊敬するような、素晴らしい経営者は世の中にたくさんいます。
ただ、入社するまで本性を隠している最低な経営者も少なくないという事実は覚えておいてください。
上の機嫌と思いつきでルールがコロコロ変わること。会長社長自身が従業員から会長さん社長さんとさん付けされるのが当たり前と思っている。(20代 メーカー)
部下の話を聞かないワンマンな所。(50代以上 物流)
とにかく手が空けば他の仕事を手伝わなければいけなく経営者がワンマンで意見を聞こうとしないところです。(50代以上 酒造メーカー)
上司たちとの距離が近すぎて、プライバシーがない。人件費を極限まで削っており、事務員が足りず、現場の事務経験がない人間に事務をさせるので要領が悪く時間がかかる上、残業はサービス。上司との距離が近いので断りにくい。(40代 医療系)
社長のコネで仕事ができない人が入社してきて、社員の負担が増える(30代 教育関連)
小さい会社といえば、やはり、上司や社長 と毎日顔を合わせて働くしんどさです。常に口をだしてきたり、見張られてる感じがします。(40代 サービス接客)
社長に言われたことは絶対
社長から「年末年始も出勤しろ!」と言われたら、あなたはどうしますか?
経営者の人格が破綻している場合、無茶苦茶なことを要求してくる恐れがあります。
大企業でも無茶ぶりされることはありますが、ワンマン社長から直々に下される無茶ぶりは別次元。
逆らえば出世なんて絶対できませんし、賞与の減額も免れないでしょう。
「ダメだこりゃ」と感じたなら、早めに退職するしか解決策はありません。
社長に気に入られなければすぐにクビになってしまうので、機嫌を伺ってびくびくするのがつらいです。(30代 IT)
社長の言うことは絶対で、従業員の意見が反映されなかった(30代 介護施設)
血液型別で仕事内容を割り振られました。社長はAB型=頭の回転が早いはずなので、AB型の社員は自ずと昇進していきました。(30代 IT)
求人は常に出ており、内定率は高かった。社長が気に入らないことをする人をすぐ解雇するので、1年持たずに退職する人が多かった。(30代 IT)
社長のワンマン経営で何でも従うしかなかった。有給休暇が取れなかった。仕事が終わるまでが定時でサービス残業が当たり前だった。(30代 メーカー)
社長のワンマンが酷く、どんどん人が辞めていった。(30代 製造業)
何事も、社長の気持ち一つで進んだり進まなかったり。場合によっては自分の進退にもかかわるので、ほぼ自分の意見を口にすることが出来ません。(40代 商社)
なんでもやりたい放題
会社の上層部が家族ぐるみの為付き合いが大変(20代 宿泊業)
社員旅行に社長の家族がついてきて家族旅行になる。(40代 無職)
社長が社員に怒鳴り散らしているのを毎日見なければならなかった。ほぼ毎日、突然社長が社長室から出てきて弁当を買いに行かされた。しかも少しでも遅かったり好みじゃないと嫌みを言われる。(30代 建築業)
朝令暮改は日常茶飯事
ワンマン社長にありがちなのは、機嫌次第で判断がコロコロ変わること。
ある程度社歴を積んでいくと、機嫌の良さそうなときに稟議を上げたり、ミスの報告をするなど、扱い方のコツをつかんでいくことでしょう。
万が一イライラしているときに悪い報告を上げてしまうと、減給も覚悟しないといけませんよ。
「社長の会社」なので、社長を含めた打ち合わせで一度決めて進めていたことが、社長のその時の気持ち・状況で変更簡単に変更されてしまい、特に変更しなくても良いと思いつつそれに対応せざるを得ない。(50代以上 人材サービス)
役員のやりたいことに振り回される。どう考えても頓挫する事業にあれこれ手を出し、そのしわ寄せがこちらに来るので勘弁してほしい。(30代 電気通信業)
社長のワンマンで今日と明日で状況が変化する(30代 不動産)
社長の一声だけで方針が変わってしまう(20代 通信販売)
オーナー社長の考えだけですべて決まる為、社員は色々と振り回されることが多い(40代 アパレル)
人間関係のストレスも多い
大手企業ほどドロドロとした人間関係は少ないものの、仲間意識の強い職場も多く、雰囲気に馴染めないと地獄です。
同族経営の中小企業だと、仕事のできない社長の息子が偉ぶっていたり、人間関係にストレスを感じることは多くなるでしょう。
中小企業に部署異動なんてありませんから、嫌な人から逃げるという選択肢は退職以外ありません。
仲間意識が高く飲み会など強制参加させられる(40代 サービス業)
社員が少ないので、人間関係に気を遣います。残業などアバウトな面もあり、時間管理に困りました。(30代 製造業)
職場の規模が小さいと、配置換えや異動があっても代わり映えがなく、苦手な人がいてもずっと一緒に働かないといけない(30代 教育)
色々と上から言われてストレスが溜まる(20代 商社)
同族経営のために出世ができない(20代 商社)
人間関係がめんどくさい(40代 金融業)
営業実績が悪くても社長の弟は高給を支給される。実力主義の営業職の世界において営業能力より血縁関係を優先するのは営業職のモラルに反する。がっかりした。(40代 商社 営業)
給与など待遇面への不満も大きい
スタートアップベンチャーで幹部に上り詰めて、東証マザーズなどに上場を果たせたら、あなたの金融資産は一気に数千万円に跳ね上がるかもしれません。
ただ、ハイリターンを得られる人はほんの一握り。
ほとんどの場合、少ない給与にストレスを感じながら日々頑張って働くことになります。
どれくらいの給与で、どの程度の活躍を期待されているのか、入社前にきちんと確認しておかないと痛い目にあいますよ。
頑張っても給料が上がらないことです。(20代 介護)
給料の安さ。業務量が少ない点や仕事に裁量が利く点はメリットだが、給与や各種手当が少ないので、生活を経済面で充実させられない。(30代 不動産)
取引先の倒産で、翌月から給料が2万円下がったこと。(40代 建設資材卸し)
資金力がないのでどうしても昇給がしづらいこと。(30代 病院)
リーマンショックから未だに立ち直れていないらしくもう10年もボーナス出てない。社長だけ会社のお金で遊んでる。(40代 精密部品工場)
家族経営で身内びいきや給料の未払い間違いが多く、改善されなかった。お局様が新人をいじめており、若手が育たなかった。(30代 IT関係)
仮払い申請をしているのに、出張は自腹で払い、出張から帰ってから仮払いをもらった。(40代 総合商社)
文房具などの必需品の購入が自腹。(30代 出版社)
いつ潰れるかヒヤヒヤしながら年末を迎える。(40代 メーカー)
有休や福利厚生も期待できない
規模の小さな会社へ転職するなら、ワークライフバランスなんて言葉は今すぐ忘れてください。
有給休暇を自由に使えないのは法令違反だと誰もが理解はしていても、日本人の得意とする空気を読む文化が必要以上に活躍してくれます。
ある程度は仕方ないとしても、社会保険にすら加入できない最悪なケースもありますから要注意。
有給休暇って何?って感じだった。(30代 不動産)
福利厚生が充実していない。有給も少ない(40代 メーカー)
とにかく人数が少ないので有給休暇がとれない、誰かが急に体調を崩したらまずこの私が休みでも引っ張られるというリスクがあります。(20代 清掃業者)
福利厚生があまり充実していない。ノリについていけない(30代 マスコミ)
社会保障面が弱く、退職金積み立てどうしょうもなくなったら、が無くて不安でした。(40代 IT)
社会保険から外された(30代 建設)
中小企業への転職は慎重に見極めを
寄せられたアンケート結果から想像がつくように、規模の小さな会社は良くも悪くもTOPの人格・性格が色濃く影響するものです。
条件や仕事内容が希望とマッチしていても、社長や上司と相性が合わないと最悪な結末を招きます。
10名程度のスタートアップベンチャーへ転職するときはとくに、経営者だけではなく同僚となる人もできるだけ見ておきたいですね。
入社前に食事会などを開催してくれる会社も多く、本当にこの会社で頑張れるのか、きちんと見極めることをおすすめします。
相性の良い会社と出会いさえすれば、自由度の高い社風でやりたい仕事に挑戦できたり、居心地の良さを感じれることでしょう。
なによりもあなた自身の将来を守るために、くれぐれも安易に転職先を選ぶことだけは止めてくださいね。