就職活動や転職活動で最も重要!と言われることもあるコミュニケーション能力。
社会人経験のある方であれば、誰だってその重要性は理解していると思います。
ですが、実際のところコミュニケーション能力って何なのかイマイチよく分からないですよね。
会社によってコミュニケーション能力の定義は様々ですし、ぶっちゃけろくに定義していない会社の方が多いでしょう。
私が以前勤めていた会社でも、コミュニケーション力について明確に定義付けはしていませんでした。
このページでは転職活動の面接の場で求められるコミュニケーション能力がどんなものなのか、基本的かつ重要なポイントを整理してご紹介します。
コミュニケーション能力の基本は円滑な会話力
当たり前といえば当たり前なんですが、コミュ力の軸にあるのは円滑に会話できる力です。
あなたは初対面の相手と、円滑に会話ができる自身はありますか。
ファミレスで友達とダラダラ話すような会話ではなく、時間の限られた面接という場で、初対面の面接官と円滑に会話をする力。
結構難しいですよね。
面接の場だと緊張してしまうこともありますし、うまく話せないこともあります。
円滑な会話を実現するために、意識しておきたいポイントは4つです。
- 質問に対する回答ができているか
- 結論から話せているか
- 簡潔に話せているか
- 相手に合わせて話せているか
それぞれ簡単にご説明していきます。
質問に対する回答ができているか
まずは質問に対する回答がきちんとできているかです。
欲しかった回答から大きくズレたことを話し続ける人って結構多いです。
例えば以下のようなやり取りです。

ではまず初めに簡単に自己紹介をお願いします。

はい、私は営業力が強みでして、前職では営業部の主任を任され、前年度120%の売上アップを実現することができました。力を入れたことは部下への教育と、クライアントへの手厚いフォローです。この強みを生かして、御社でも営業の一員として必ずや活躍できると考えています。

ありがとうございました。(いや、簡単に自己紹介して欲しかっただけで、長所や志望動機は後で聞こうと思ってたんだけど…)
面接で自分をアピールしたい!と思っても、聞かれていないことまで話すのはあまり良くないですね。
ただ上記のように自己紹介してくれ、と言われても迷ってしまう人もいるでしょうか。
私が面接官だったなら、自己紹介では以下のようなことを話してもらえればそれで十分です。

はい、私は山田太郎と申します。出身は福岡で、就職と同時に東京へ来ました。現在は株式会社パンダの営業部に所属しておりまして、主任として3人の部下を指導しながら自分もクライアントのサポートを担当しています。本日は宜しくお願いいたします。
これが自己紹介の正解パターンとは言えませんが、自己紹介を依頼された場合は、あくまで自己紹介に留めましょう。
質問に対する回答ができていないダメな例としては以下のようなことも。

どうして転職しようと思われたのですか。

はい、私はこれまでの社会人人生で人を喜ばせることこそが自分のやりがいにつながると知りました。どれだけ辛い仕事であっても、その先にお客様が喜んでいる姿があると思うだけで頑張れる自分がいることに気づいたのです。だからこそ、この力を発揮することできっと御社でも活躍できると思っています。

えーっと……(なんで転職活動してるのか、どうして前職を辞めるのかさっぱりわからん…)はい、ありがとうございました。(時間もないし、もう不合格でいいやこの人)
質問されていることについて回答しておらず、自分が話したいことを延々と話し続けるのもダメです。
こういう人も結構います。
よほどすごい経歴をお持ちであれば結果は変わるのかもしれませんが、円滑な会話ができなければその時点で不合格にされる可能性だってあるのです。
結論から話せているか
社会人になりたての頃、新入社員研修などで「結論から話しましょう!」と教わった人は多いと思います。
ですが、結論から話せていない人って多いんですよね。ものすごく多い。
どんな会話がダメなのかというと、例えば以下のようなパターンです。

あなたの強みは何ですか。

はい、私はこれまで数十社のクライアントと直接やりとりをしてきました。多い時だと1日で5件の会社を周り、最初の一年こそ目標金額を達成できなかったものの、二年目以降は毎月目標金額を達成しています。何度も足を運ぶことで顔を覚えてもらえて、それが売上にもつながることを学びました。これらの経験を通じて、自分の強みは行動力であること考えています。

行動力…ですね。ありがとうございました。(最後まで集中して聞いてるの疲れた…)
エピソードから話を始めて、最後に結論を持ってくるパターン。
友達と話している時だったり、漫才でオチを最後に言いたい時であれば、それでも問題ありませんが、面接時の会話としては不適切。
まず結論を話して、そこから理由やエピソードを話すべきなのです。
例えば以下のような会話ですね。

今日のお昼は何を召し上がりましたか。

はい、カツカレーです。御社の近くに美味しそうなカレー屋を見つけましたので、カツを食べて験を担ごうと思いました。

そうなんですね、ありがとうございます。(お腹すいてきたな……夜はあそこのカレーにしよう)
普段から意識していないと、なかなかすぐに結論から話せるようにはならないかもしれません。
気になっている会社の面接を控えている人は、何気ない普段の会話から結論から話す練習をしてみてください。
簡潔に話せているか
これもすごく大事なポイントです。
質問に対する回答ができていても、結論から話せていても、ダラダラと話が長い人は微妙です。
一方的に話し続けるのはダメです。
会話は基本的にキャッチボールであることを忘れてはいけないのです。

今日のお昼は何を召し上がりましたか。

はい、カツカレーです。カツカレーを選んだ理由は2つあります。まず私は現在肉体改造中で、今日は3,000キロカロリー摂取しないといけない日なのです。御社から徒歩10分圏内で最も高カロリーかつお手頃価格なお店をネットで検索しまして、食べログでも高評価だったカレー屋を選びました。あ、ちなみに体脂肪率は今朝測ってみたら8%でした。来月から減量期間に入って、体脂肪を5%にまで落としていく予定なんです。そしてもう一つの理由は、カツを食べることで御社の面接に気合を入れて臨もうという狙いがありました。験を担ぐってやつですね。普段はあまりそういうことをやらないタイプなんですが、今日はやはり志望度の高い御社の面接だったので、神頼みと言いますか、たまにはやってみようかなと思いまして。いつもなら神なんて信じない!と強がって、なんでも自分の力でやってしまおうとするんですけど、それも良くないぞと先輩から注意されたことがありましたので。他のメニューも気になったので、この面接が終わったら、後でまた食べに行こうと思っています。

…そうなんですね(やっと終わった…)ありがとうございます。(あんたの体脂肪率とかどうでもいいし…次の質問する時間なくなったし…)
ちょっと極端な例を出しましたが、あくまでも聞かれた範囲のことについて話すことが大事です。
話した内容について掘り下げられる質問をされたら、話を広げていけばいいのです。
聞かれてもない、求められてもいないのに、勝手にダラダラと話を広げていく人は印象最悪です。
相手に合わせて話せているか
最後に、相手に合わせて話すという点について。
わかりやすい例としては前職で使っていた専門用語などを使わないということですね。
例えば以下のような会話です。

弊社に興味を持っていただけた理由を教えてください。

はい、前職ではステコミでアジェンダを作ることがメインで、他のプライオリティの高い仕事にコミットできないことがフラストレーションでした。ナレッジを蓄積する文化もなく、他部署とのシナジーもありませんでした。御社に採用いただければアサップで貢献できると考えております。

あぁ、そうなんですね。(この人、何語を話しているんだ…)
前職では当たり前のように使っていた用語を、面接の場で使うことは少し注意が必要です。
相手が自分と同等レベルの業界知識などを持っていると判断できれば、好きなだけ専門用語も使えばいいですが、そうでない限りは危険です。
例えばあなたが理系の大学出身で、どんな研究をしていたのかと聞かれた時に、どう答えるかです。
その分野の知識が全くない人に対して、分かりやすく簡潔に話すことができるでしょうか。
相手に合わせて話すことができないと、伝えたいことがほとんど相手に伝わらず、そのまま面接が終わってしまうリスクが高まります。
コミュニケーション能力は鍛えられる
基本的なことのように思えて、意外と難しく感じるものが多かったかもしれません。
結論から話す、簡潔に話す、相手に合わせて話す、などは普段から意識して取り組めば、きっと面接の場でもできるようになります。
質問に対する回答ができないのは、緊張してしまって何について質問されたか忘れてしまうことが原因だったりします。
可能であれば本命の会社の面接を受けに行く前に、いくつか面接を受けて面接に慣れていきましょう。
コミュニケーション能力をどれだけ鍛えたとしても、必ず面接で受かるという保証はできません。
とはいえ最低限のコミュニケーション能力がないと、中身を見てもらえる以前の段階で不合格にされてしまいます。
普段から少しずつ意識して、面接で結果を出せるように頑張ってみてください。
あなたの転職活動がうまくいくことを願っています。