「家に帰ってもシャワーを浴びて寝るだけ・・・」
多忙を極める社会人生活、家に帰って寝るだけという日々を送っている方も多いですね。
20代の若い頃は何とかなったとしても、年齢を重ねていくごとに体力は落ちていくものです。
「会社や漫画喫茶で寝泊まりすることに比べればまだマシ・・・」
なんてことを考える人もいますが、睡眠不足は健康を害する恐れがあるばかりでなく、さまざまな不利益をもたらしかねません。
悲惨な人生を送らないためにも、家に帰って寝るだけの生活を続けるデメリットを今一度確認しておきましょう。
家に帰って寝るだけの生活は本当に幸せか
あなたは今の生活に幸せを感じていますか?
毎日遅くまで働くことにやりがいを感じられる人が一部存在しているのは事実。
労力に見合うだけの対価をちゃんと得られているなら、それもまたひとつの生き方といえるでしょう。
ただ、ほとんどの方にとって家に帰って寝るだけの生活は幸福とかけはなれています。
どんなデメリットがあるのか、いくつか具体例を見ていきましょう。
寝床だけが安らぎのときになりがち
帰って寝るだけの生活は、自宅にいる時間のほぼすべてを睡眠時間に費やすことを意味します。
日々の生活は仕事と通勤、寝床を繰り返すこととなってしまい、安らげる場所は寝床だけということになってしまいます。
新しい出会いにも恵まれず、友人と飲みに行く時間も取れず、趣味に没頭する気力も残っていない。
「寝ることが唯一の趣味なんです」
という人であれば、寝られるだけで十分に楽しめるのかもしれません。
でも、あなたはいかがですか?
寝ることだけが唯一の安らぎだなんて、本当にそんな生活を望んでいたのですか?
休日も疲れてダラダラ過ごしがち
家に帰って寝るだけの生活だとしても、毎日8〜9時間の睡眠を確保できるなら、たしかにそれは幸せと呼べるかもしれません。
しかしながら、実際には4〜5時間、あるいはもっと短い睡眠時間しか確保できていない人がほとんど。
もともと日本人の平均睡眠時間は世界各国と比べても短いといわれています。
日本人の平均睡眠時間は、男性で6時間30分、女性で6時間40分と、睡眠データを分析した主要28カ国の中でそれぞれ最短だった。
引用元:ITメディア 日本人の睡眠時間は28カ国中最短
満足に睡眠時間を確保できないと、着実に疲れは蓄積されていきます。
平日の睡眠不足を休日でカバーしようとすると、せっかくの週末も疲れが取れずに家でダラダラと過ごすことに。
「昼過ぎまでずっと寝ていた・・・」という方も多いですね。
平日にたっぷり遊べないのは仕方がないとしても、休日まで有意義に過ごせないなんて、そんな生活を続けることに意味なんてあるのでしょうか。
家族がいると深刻な事態になりうる
家に帰って寝るだけの生活は、家族がいる場合だと深刻な事態に発展する恐れがあります。
仕事から疲れて帰ってきても、家族は全員就寝中。
朝もろくに会話を交わさず、休日も自分だけが家に残って睡眠不足を解消。
家族のなかで存在感が失われていき、寂しさから配偶者は不倫に走ってしまうかもしれません。
「家族を幸せにしたい」
という一心で頑張っていたはずなのに、結果的に家族を崩壊させてしまうなんて絶対にあってはいけないこと。
あなたにも家族がいるのなら、最悪の事態を招く前に仕事との向き合い方を真剣に考えてみるべきですよ。
労力に見合うだけの給与をもらえているか
あなたは労働時間に見合った給与をきちんと受け取れていますか?
毎日の睡眠時間が4〜5時間だとしても、たとえば年収2,000万円以上もらえるなら頑張ってみる価値はあるかもしれません。
しかしながら、現実には安月給で長時間労働を強いられている人が多いです。
もし労働に見合った対価を得られていないと感じるなら、早めに一歩を踏み出すべきです。
サービス残業はそもそも法令違反
毎日のように終電間際まで働いていれば、本来なら残業代が加算されてたっぷりと給与をもらえるはず。
あなたの給与明細は、どのようになっていますか?
労働者は、働いた時間分の給与を受け取ることが大原則。
さらに、法定労働時間を超えて働いた場合や、深夜勤務に従事した場合、割増分を含めた賃金を受け取ることができます。
残念ながら、サービス残業が当たり前のようになっている会社も多いですね。
当然のことながら、残業代を支払わないということは法令に違反する行為。
弁護士など専門家の力を借りれば、未払い分の残業代を請求することは可能です。
本来もらえたはずの給与を、そのまま水に流してしまうなんて絶対にしてはいけません。
年収を下げてでも楽な仕事を選ぶべきか
「でも転職して年収が今より下がるのはイヤなんだよな・・・」
と考える人も多いですね。
家に帰って寝るだけの生活に充実感を感じているなら、後先考えずに今の生活を続ければよいでしょう。
すべては自己責任です。
ただ、年収を下げてでも労働時間の短い仕事を選ぶ人がいることも知っておいてください。
「年収が下がってしまうかも・・・」とビビっているのはあなただけで、転職してみたら労働時間が減って、さらに年収アップも実現できたというケースもあります。
今の実力・経歴で転職すると、どれくらいの年収を期待できるかはスマホから簡単に調べられます。
年収ダウンが怖い方は、まずは自身の想定年収をチェックしてみてください。
健康を保てる睡眠時間を確保できているか
あなたは昨日、何時間寝ましたか?
先ほどもご説明したように、日々の健康を保つためには十分な睡眠が欠かせません。
睡眠不足は健康を害するだけではなく、仕事のパフィーマンスに悪影響を与えることも。
睡眠時間が短くなることもデメリットについても、今一度確認しておきましょう。
社会人に必要な睡眠時間の目安
社会人に必要な睡眠時間は一般的に7~8時間といわれています。
厚生労働省の調査結果によると、平均6〜7時間の睡眠が多いようですね。
1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性 35.0%、女性33.4%である。
6時間未満の者の割合は、男性 36.1%、女性 42.1%であり、性・年齢階級別にみると、男女とも 40 歳代で最も高く、それぞれ 48.5%、52.4%である。
引用元:厚生労働省 平成29年「国民健康・栄養調査」の結果
ただ、最適な睡眠時間には個人差があるのも事実。
あなたの身の回りにも毎日2〜3時間しか寝ていないという人はいませんか?
ショートスリーパーと呼ばれたりもしますが、ある種の特殊体質と考えたほうが良いでしょう。
世界一の大富豪であるビル・ゲイツも1日数時間しか寝ていないといわれていますが、誰にでも真似できることではありません。
睡眠不足が続くことのデメリット
周知の事実ですが、睡眠不足がさまざまなデメリットを引き起こします。
まず睡眠時間が6時間を切る日が続くと、脳の機能はチューハイを数本飲んだときと同等レベルまで低下するといわれています。
つまり、酒に酔って仕事をしていることと同じ状態ということ。
中長期的に見ていくと、さらに深刻な影響があります。
睡眠時間が6時間以下の人と7~8時間取れている人を比べると、睡眠時間が短い人のほうが以下の病にかかる率が高くなります。
- 肥満
- 糖尿病
- 心臓病
- うつ病 など
なかには睡眠時間が6時間以下の状態を続けると、死亡率が2.4倍も高くなるという報告も。
いつまでも健康な生活を続けたいなら、家に帰って寝るだけなんて生活は早めに脱却すべきです。
帰って寝るだけの生活を続けた先に希望はあるか
「毎日眠いけど、やりたかった仕事だし・・・」
「あと数ヶ月ふんばれば、きっと報われる・・・」
睡眠不足を感じながらも仕事に立ち向かう人の中には、成し遂げたい夢や目標に向かって突き進んでいる人もいますね。
あなたには何か目標がありますか?
明確な目標があるなら続けることもひとつ
もしあなたが「今は修行期間だから」という認識をしていて、その先のステップが明確に見えているなら、家に帰って寝るだけの生活を続けることも選択肢のひとつです。
ただし、この先10年、20年と続けていけますか?
あなたの健康を守るためにも、「○月まで」「今年いっぱいだけ」と期限を決めることをおすすめします。
「部署の中でトップになりたい」
「資格試験に絶対に合格したい」
どのような夢や目標でも構いませんが、一定期間頑張って見込みがなければ、その道をあきらめて別の道に進むという判断も必要です。
夢を諦めるのは勇気がいる行為ですが、あなたが活躍できる道はきっと他に見つかりますよ。
惰性で続けていると将来の危機を招く
「別にやりたいことなんて何もないし・・・」
「上司に怒られるから働いているだけ・・・」
と惰性で今の生活を続けている人の場合、とても危険です。
大前提として、会社はあなたの未来なんて保証してくれません。
どれだけホワイトで、どれだけ評判のいい会社も、業績が低迷すればリストラをするのです。
あなたが体調を崩して働けなくなったとしても、「ほかの人に任せればいい」くらいにしか考えていません。
明確な目標があるならまだしも、これといった目的意識も持たずに会社にこき使われているだけの人生なんて、本当にあなたが望んだ生き方ですか?
あなた自身が幸せをつかむために、自らの意思でどこへ進むべきかを考えてみるべきですよ。
帰って寝るだけの生活から脱却する方法
ここまで家に帰って寝るだけの生活を続けることのデメリットについてご説明しました。
ここからは、今の生活から脱却するための方法についてご説明します。
考えてみるべきポイントは以下の2つ。
- 休養にあてる時間を増やす
- 仕事の負荷を下げる
すぐにでも実現できそうな方法があれば、ぜひ試してみてください。
着席できる列車で通勤する
もしあなたが毎日電車通勤をしているなら、座って通勤するだけで疲労はかなり軽減できます。
具体的には、以下のような方法がありますね。
- 始発列車がある駅で数本見送って座席を確保する
- 特急やグリーン車など、有料シートで座席を確保する
- 自動車通勤の場合は、列車での通勤に切り替える
列車に座れることのメリットは、居眠りで睡眠時間をカバーできること。
寝過ごさないように注意する必要はあるものの、10〜15分の睡眠でも体力は多少回復するものですよ。
会社の近くに引っ越す
会社の近くに引っ越すことも通勤時間の削減につながります。
自宅で休養にあてる時間を増やすことができますし、プライベートの時間を増やすこともできるでしょう。
ただし、職場によっては家賃や月々の生活費が上がってしまうことも。
引越しにもまとまった費用がかかります。
さらに上司の人間性に問題があると、「近くに住んでいるなら、もっと働けるよな」と今まで以上に仕事を振られる恐れもあります。
職場の近くへの引越しが難しそうであれば、せめて始発電車に乗れる地域へ引っ越すことも考えてみましょう。
適度に仕事の手を抜いて効率化
「電車はいつも満員だし、引っ越しをする余裕もない・・・」
という方は、適度に仕事をサボってみてはいかがでしょうか。
どんな仕事も100%完璧にできて当たり前! という考え方も間違いではありませんが、なかには80%の力でよいものや、そもそも無駄な仕事もあります。
本当に必要な仕事なのかどうかを見極め、本来やるべき仕事に集中して取り組むなど、メリハリをつけることも大切ですよ。
仕事はマラソンのようなものですから、常に全力疾走で走ることはできません。
オリンピックに出場できるほどの鍛錬を積んできた方ならまだしも、私たち一般人はちょっとずつ時間をかけて完走すればいいんです。
仕事ができる人はサボり方もウマい、とよくいわれます。
睡眠時間をすぐに増やせないなら、せめて勤務中の負担を少しでも減らしましょう。
転職して仕事を変えてしまう
「サボっているのがバレたら上司に何をされるかわからない・・・」
「ここまま働き続けたら倒れてしまうかも・・・」
という状況であれば、真剣に転職を考えてみてください。
繰り返しになりますが、多くの経営者はあなたの将来に一切興味がありません。
ただの労働力としてしか見ていないということを、まずは理解すべきです。
どれだけ意義のある仕事でも、働き続けてあなたが体調を崩してしまっては意味がありません。
帰って寝るだけの生活から脱却できないなら、もう職場を変えてしまいましょう。
最優先に考えるべきは、あなたの幸せです。
今の生活を続けて、5年後、10年後のあなたは笑っていますか?
自分を守るために寝るだけの生活から脱却を
毎晩遅くまで働いていると、「仕事に全精力を費やしている!」と充実感を味わえることもあるでしょう。
同世代の平均以上の年収をもらえたり、将来につながるスキルを磨けるなら、睡眠時間を削るのもひとつです。
しかしながら、家族や友人との関係性は薄れていき、最悪の場合、あなたの健康を犠牲にしてしまうことも。
目標を定めて期間限定で取り組んでいるなら別ですが、恒常的に続いているようならば、なんとかして今の状態から脱却すべきです。
「仕事と睡眠しかしていなかった・・・」
という人生を歩みたくないなら、今、何をすべきかよく考えてみてください。
自分らしく、そして無理なく働ける職場はきっと見つかりますよ。