「毎月のノルマが厳しすぎる・・・」
「上司から毎日詰められてしんどい・・・」
営業のツラさに嫌気が差して、転職を意識する人は少なくありません。
とはいえ、いざ転職活動をはじめたときに、面接官に「営業がツラかったので退職しました」と正直に伝えるのはNG。
本命企業の面接で落とされないためには、あらかじめ退職理由の伝え方を考えておくことが大切。
そもそも、あなたはまだ退職すべきではないかもしれません。
このページでは、営業を辞めたくなったときに考えるべきことについて詳しく解説します。
「もう転職しようかな・・・」と考える方は、ぜひご覧ください。
営業の仕事が嫌いな理由を整理する
あなたはなぜ営業の仕事が嫌いになったのですか?
「クライアントがセクハラ・パワハラし放題でやってられない・・・」
「上司が人として尊敬できないし、働いている意味がわからない・・・」
など、営業をツラいと感じる理由は人それぞれ。
本気で転職を意識しているなら、まずは「なぜ営業が嫌いなのか」を整理してみましょう。
嫌いな理由をはっきりさせておかないと、自分に合った転職先なんて選べません。
あやふやにしたまま転職活動を進めた場合、次の職場でも同じような思いをしてしまう可能性があります。
なぜ営業が嫌いなのか、なぜ会社を辞めたいのかをはっきりさせることで、気持ちが整理されて進むべき道が見えてきますよ。
やり方を変えて解決することも
もしあなたが「思うような結果を出せなくてツラい・・・」と感じているなら、やり方を変えてみることで解決することもあります。
たとえば、お客さんの声にあまり耳を傾けず、自分の利益だけを優先して行動している営業がいたとします。
お客さんからも信頼されず、上司からも毎日のように詰められれば、「会社に行きたくない・・・」と思い詰めてしまうのも無理はありません。
この場合、数字への意識を一旦捨てて、とにかくお客さんに寄り添うことに集中してみると結果が変わってくることもあります。
売り込みは一切せず、お客さんの話をただ聞いているだけで、信頼関係が築けて商品を買ってくれることだってあるのです。
「結果は出せてないけど、営業の仕事自体は嫌いじゃない」
という方は、むやみに会社を辞めようとせず、まずはやり方を工夫してみましょう。
異動を願い出てみるのもひとつ
「上司もクライアントも、営業のすべてが嫌だ・・・」
と追い詰められている方も少なくありません。
やり方を変えようと努力したところで、どうしても乗り越えられない存在はいますよね。
努力しても上司が認めてくれなかったり、課題に対するアドバイスをもらえなかったり、上司があなたの成長を妨げていることもよくある話です。
勤め先がそれなりの規模の会社なら、異動を願い出てみることもひとつ。
住まいを変えることに抵抗がないなら、転勤の希望を出してみても良いでしょう。
部署や環境を変えたことで、見違えるほど活躍できるようになった事例はいくらでもあります。
どのような形であれ、転職には少なからずリスクを伴いますから、まずは社内で環境を変えることを考えてみましょう。
営業職に向いていない人の特徴
「そもそも私って営業職に向いてないんじゃ・・・」
と考える人も多いですね。
どんな仕事にも向き・不向きはあるものです。
では、営業に向いていない人とはどんな人なのか、詳しく見ていきましょう。
数字・成果にこだわりを持てない
営業職のミッションとは何でしょうか?
考えるまでもないでしょう、そうです、売上を上げることです。
数字の大小はあれど、年間や四半期、1ヶ月で達成すべき売上目標を設定されます。
最近はノルマという言葉を使う会社が少なくなったものの、売上目標もノルマも意味はほぼ同じ。
目標達成の度合いに応じてインセンティブが支払われる会社も多く、数字や成果にこだわりを持てる人にとってはモチベーションを高く保てる仕事といえます。
反面、日々の売上目標をはじめ、数字にこだわれない人にとっては苦痛でしかありません。
積極的なコミュニケーションが苦手
法人や個人、PUSH型やPULL型など、営業の対象や手法は業種によってさまざまですが、いずれの場合でも顧客とのコミュニケーションは避けられません。
反響営業がメインだとしても、受注へつなげるためには自ら積極的に仕掛けにいく姿勢が求められます。
そもそも人と話すことが嫌いな方、積極的にコミュニケーションを取ることが苦手な方は、なかなか成果を上げづらい仕事といえます。
寡黙なタイプの営業もたくさんいますが、話数が少ないだけで適切なタイミングできちんと仕掛けに行っています。
誰とでもすぐに仲良く慣れるようなタイプの人も営業職との相性はいいですね。
考えてばかりで行動に移せない
何かトラブルが起こったとき、即座に顧客の元へ駆けつけるなど、営業にはフットワークの軽さも求められます。
仕事には考える時間も必要ですが、営業に関しては行動量がモノをいう仕事といえるでしょう。
闇雲に動き回ればいい、という単純なものでもありませんが、行動量の多い営業ほど成績優秀であることはよくあります。
考えてばかりでなかなか動かないタイプの人、行動したがらないタイプの人も営業に向いているとはいえません。
退職を決意したら考えるべきこと
「いろいろ考えてみたけど、やっぱり転職したい」
「やり方を変えてみたり工夫したけど、もう限界」
向いていない仕事を無理やり続けることほどツラいことはありません。
会社を辞めるという決断をしたのなら、転職先選びで失敗しないように準備を進めていきましょう。
具体的に何をはじめればいいのか、順にご説明します。
転職先に求める条件を整理しておく
まずは大前提として、転職先に求める条件をきちんと整理しておきましょう。
営業を辞めたい理由がはっきりしているほど、転職先選びはしやすくなります。
残業の多さが嫌だったなら、働く環境の整った会社を選ぶべきですし、上司がストレスだったなら希望に合った社風の職場を探しましょう。
退職理由がネガティブなほど、企業選びの方向性がハッキリと明確になるものです。
自分の気持ちを見つめ直し、どのような会社で働きたいかじっくり考えてみてください。
その際、なるべく具体的に考えることが大切ですよ。
たくさん給料がほしい!ではなく、少なくとも月30万円は必要、通勤は1時間以内など、数字に落とし込むことがポイントです。
今までの実績や成果を整理しておく
営業職から転職する場合、面接で今までの成果や実績を質問されることが多いです。
1年間でどれくらいの売上を上げていたのか、昨対比で○%売上アップに貢献したのか、具体的な数字で説明できるように準備しましょう。
目立った成果を上げられていない場合は、どのような努力をしたのか具体的に説明できるようにしてください。
「テレアポを1日200件以上続けていました」
「新宿エリアのビルはすべて飛び込みました」
など、わかりやすく伝えられるエピソードがあるとベスト。
営業の仕事が嫌いだったとしても、何かしら努力したことはありますよね。
あなたの魅力を理解してもらえるように、きちんと今までの経歴を振り返っておきましょう。
転職活動は退職前からはじめておく
あなたの貯金はいくらですか?
退職を決意したとしても、勢いで会社を辞めてはいけません、絶対に。
理想は、転職先を見つけた状態で退職日を迎えること。
次の仕事が見つかっていない状態で退職した場合、しばらく貯金を食いつぶして生活することになります。
失業手当をあてにするとしても、自己都合退職だと基本的に3ヶ月はお金を受け取れません。
転職活動が半年以上続く人もいますから、退職を決意したその日から行動を開始しましょう。
営業職からの転職でおすすめの職種
「今の仕事は辞めたいけど、次はどんな仕事をしよう・・・」
「自分にどんな仕事が向いているのかさっぱりわからない・・・」
と迷ってしまう方も少なくありません。
どんな仕事を選べば活躍できる可能性が高いのか、いくつか具体例をご紹介します。
気になる仕事があれば、ぜひ求人を探してみてください。
手法の異なる営業職
「営業が嫌で会社を辞めるのに、また営業?」
と思われるかもしれませんが、営業にはさまざまなスタイルがあります。
朝から晩までテレアポを続けるゴリゴリ営業から、既存顧客へのフォローがメインのルート営業まで。
営業が嫌で辞めるとしても、営業職としての下地は備わっているはず。
相性の良い商材、営業スタイルと出会えれば、大きく活躍できる可能性がありますよ。
転職市場において営業職は求人数がとても多く、経験者は選考でも有利です。
他の職種を見るにしても、まずは手堅く営業職で内定を1社獲得しておくと、転職活動のプレッシャーも随分楽になるものですよ。
営業事務
「やっぱり営業はもう嫌だ・・・」
と考えるなら、営業をサポートする営業事務をチェックしてみませんか?
営業の大変さをよく理解しているからこそ、適切なタイミングでサポートができるでしょう。
絶妙なタイミングで見積もりを用意していたり、営業の行動を先回りして資料を作成しておいたり。
顧客と電話やメールを通じてやりとりすることも多く、営業経験があれば物怖じすることなく対応できますよ。
営業の仕事を深く理解している人ほど、営業事務として活躍できるチャンスは広がっています。
ただし、営業職と比べると給料は低めに設定されていることが多いです。
会社によっては派遣社員でまかなっていることもあります。
企画、マーケティング職
企画やマーケティング関連の職種も、営業経験を活かせるチャンスがあります。
営業として働いた経験があれば、どのような商品やサービスが市場から求められているか、肌感覚で把握できることも多いでしょう。
お客様ともっとも近い位置で働いていたのですから、新しいサービスや企画を考える仕事で活躍できる可能性は高いです。
企画やマーケティングに関わる職種はデスクワークがメインとなるため、現場へ行くことに抵抗感を持つ人も少なくありません。
その点、営業経験があれば、現場へ出向いてクライアントから本音をヒアリングするようなことも難なくこなせますよね。
営業の仕事で培ったフットワークの軽さは、企画やマーケティングに関わる職種でも発揮できますよ。
バックオフィス(管理部門)
最後にもうひとつ、バックオフィス系の職種への転職もおすすめです。
営業とは異なる成果を求められますが、職種との相性がよければ活躍できる可能性は十分にあります。
たとえば、人事部で採用担当の仕事に就けば、中途採用や新卒採用でライバル企業に優秀な人材を採られないように口説いていくスキルが求められます。
応募者が何を求めているのかを正しくヒアリングし、自社の魅力をプレゼンし、入社を決意させる一連の流れは、まさに営業の仕事そのもの。
今までに学んだスキルを存分に発揮できることでしょう。
ただし、営業事務と同じように管理部門は高収入を期待しづらい職種のひとつ。
経験者以外お断り、という求人も多いため難易度は少し高めです。
転職理由が「営業が嫌だった」はダメ
実際に転職活動を進めていくと、ほぼすべての面接で退職理由を質問されます。
「なぜ前職を辞めたんですか?」
と面接官から質問されたとき、あなたはどのように回答しますか?
「営業が辛かったので会社を辞めました」
と伝えることは絶対に避けましょう。
どう転んでも、面接官にマイナスな印象を与えてしまいます。
「この人は嫌なことがあったら、すぐに逃げ出してしまうのでは」
と思われても仕方ありません。
大切なのは伝え方。
厳しいノルマを課されたり、上司からのパワハラでツラい思いをした人もいるでしょう。
同じ理由でも、言い方をひとつ変えるだけで、面接官の評価はガラリと変わるものですよ。
転職理由は前向きな理由を中心に
営業が嫌いで退職したとしても、退職理由は前向きな理由を中心に構成しましょう。
たとえば、毎月厳しいノルマを課されることが嫌だったのなら、「よりお客様のためになる仕事がしたかった」と伝えてみるのもひとつです。

前職は売上目標が第一で、お客様のことよりも数字を上げることが最優先でした。本来は提案すべきでない商品をお客様に無理やり提案し、半ば強引に売上を上げることが正しいとされていました。もっとお客様のためになる仕事がしたいと考え、転職を決意しました。
このような伝え方なら、「ノルマから逃げ出したのではなく、価値観や考え方のズレから前職を辞めた」という印象を与えられます。
以下のような伝え方も、印象を悪くせずに自分をアピールするテクニックのひとつです。

以前の勤め先は新規営業を何よりも重視していました。既存顧客のフォローよりも常に新規優先だったため、クレームも多く、競合にリプレイスされることも多かったです。もっとお客様一人ひとりを大切にできる仕事がしたくて、前職を辞めました。
本音としては「ノルマがしんどくて辞めた」「上司が心から嫌いで辞めた」だとしても、マイナスな印象を極力与えずに退職理由を伝えられます。
サービス残業や休日出勤の多さが退職の原因だったときも、「たくさん働くのが嫌だ」と伝えてしまうと印象は最悪。
「生産性を高めて効率よく働くことに力を注ぎたい」
といった使え方なら面接官に与える印象も変わりますよ。
アピールポイントは具体的に話す
面接では退職理由以外にもさまざまな質問をされます。
営業経験者は対面でのコミュニケーションに慣れている方が多いですが、「面接になると緊張してしまう・・・」という人も少なくありません。
注意すべき点はたくさんありますが、少なくとも自分をアピールするエピソードは簡潔かつ具体的に話すことを意識しましょう。
転職活動の面接では、今までの職務経歴について質問されることも多いです。
今まで営業職として働いていました、と伝えるだけではダメですよ。
営業経験があるなら、少なくとも以下の点は伝えたいですね。
- 何年間、営業職としての経験があるか
- 新規営業がメインか既存顧客がメインか
- PUSH営業がメインかPULL型がメインか
- 法人営業がメインか個人営業がメインか
- 個人で動いていたのかチームで動いていたのか
- メインの商材は何だったのか
- 1日でどれくらい動いていたか
- 1年でどれだけの売上を上げたのか など
繰り返しになりますが、営業といっても仕事の進め方は業種や会社によってさまざま。
今までどんな営業をしていたのか、初対面の人にもイメージしてもらえるように具体的に話しましょう。
転職エージェントでアドバイスをもらう
面接に不安が残るなら、転職エージェントを活用するのもひとつ。
どのような仕事を選ぶべきか相談できますし、面接で何を話すべきかアドバイスをもらえますよ。
模擬面接に対応してくれるエージェントもあるので、面接が苦手な人ほど積極的に利用しましょう。
ただし、転職エージェントも営利企業。
キャリアアドバイザーによっては売上優先で企業を紹介してくることも。
どの会社に応募するか、最終的にどの会社へ入社するかは、あなた自身で考えて決断してください。
転職エージェントが便利なサービスであることは間違いありませんが、使いこなすにはちょっとコツがいります。
営業が嫌で辞めても転職理由は要工夫
営業の仕事が嫌になって会社を辞める人はたくさんいます。
いろいろ考えてみて、それでも最終的に退職の道を選ぶことに決めたのなら、次こそ自分らしく働ける仕事を見つけましょう。
面接で退職理由を質問されたときも、採用担当者にネガティブな印象を与えないように工夫が必要ですよ。
「営業がしんどくて会社を辞めた」
と本音をそのまま話すことだけは絶対にダメです。
面接はやり直しができませんから、一度でも伝え方を間違えると挽回できません。
大きな商談に挑むつもりで、きちんと準備をしたうえで面接に臨むようにしましょう。
あなたの転職がうまくいくことを願っています。