転職が決まって会社を辞めたのに、退職金がもらえない…
このような苦い思いをしている人は少なくありません。
法律に反していると不満に思う方もいると思います。
ですが、本当に退職金がもらえないのは違法なのでしょうか?
今回は、退職金に関する社会人の基礎知識をお伝えします。
退職金がもらえず不安に感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも退職金とは何か?もらえる条件
そもそも、退職金とはどのようなものなのでしょうか?
退職金は、会社を辞めた場合にもらえる賃金のことを言います。
働いた年数と職能を踏まえて、計算された額がもらえる仕組みです。
ただし、もらえる金額は会社ごとに異なるので注意しましょう。
なぜなら、それぞれの会社で就業規則が定められているためです。
同じ期間働いても、企業や職種が違えば退職金の額はかわってきます。
ですので、企業によって退職金の制度も同じではありません。
自分が勤めていた会社の就業規則を事前に確認しておくことをおすすめします。
また、退職金は、退職から1週間以内に支払わなければなりません。
ただし、こちらも企業の就業規則によって異なる場合もあるので、しっかりと確認しておくことが必要です。
自分は本来退職金どのような仕組みで、どれだけもらえるのか、きちんと把握しておくといいでしょう。
退職金がもらえないのは違法なのか
退職金がもらえないといったケースも実際に存在します。
決して少ない金額ではありませんので、もらえないと不満に思ってしまいますよね。
では、退職金がもらえないのは違法なのでしょうか?
結論を言うと、違法ではありません。
なぜなら、退職金の制度を設けなければいけないという決まりがないためです。
- 退職金は、必ず支給しなければならない賃金ではない。
- 労働基準法(第89条)では、退職金の定めをする場合には就業規則に記載しなければならないと定めているのみ。
- 法律的には、会社の言い分どおり規定が無ければ退職金を貰えなくてもやむを得ない。
退職金制度の内容が企業ごとに異なるように、制度自体を設けるかも会社によって違います。
つまり、会社は必ず退職金を支払わなければならない、という決まりはないのです。
ですので、退職金制度がない会社を辞めた場合、退職金をもらうことはできません。
退職金がもらえないときの3つの対処法
退職金制度があるのにも関わらず、退職金がもらえないケースも実際に存在します。
その場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?
対処法としては3つあります。
もらえるべき退職金が支払われていない場合は、参考にしてみてください。
会社に交渉する
1つ目の対処法は「会社に交渉すること」です。
退職金制度があるにも関わらず、もらえない場合は会社の責任となります。
自分がいくらもらえるか事前に計算し、交渉するといいでしょう。
確認方法は、就業規則をみることです。
すでに、退職し確認できない場合は元同僚に協力を求めてみてください。
自身の勤続年数などをもとに金額が計算できるはずです。
もし、交渉しても会社が支払ってくれない場合は、労働センターに相談しましょう。
会社と自分の間に入り、手助けをしてくれる可能性があります。
弁護士に相談する
退職金がもらえない場合、弁護士に相談するのも1つの手です。
労働センターに相談すると助言はもらうことはできます。
ですが、直接的な協力をしてくれるケースは多くありません。
ですので、法律のプロである弁護士に相談するのは有効な手段と言えます。
最近では、初回の軽い相談であったら無料で受け付けてくれる弁護士事務所も多いです。
相談に勇気がいるかもしれませんが、気軽に相談だけでもしてみるといいかもしれません。
自分に合った弁護士を見つけ、会社へ交渉をお願いすると早い段階での解決が期待できます。
簡易裁判所を利用する
簡易裁判所を利用してしまうのも、有効的です。
退職金未払いに関する証拠がそろえ、支払督促申立書を提出しましょう。
認められれば、支払い命令を会社に向けて出してもらうことができます。
会社が決められた期間に異議申し立てを行わなければ、強制的な執行が可能です。
ただし、異議申し立てを行った場合は裁判となるので理解しておきましょう。
簡易裁判所を利用する方法は、弁護士に相談するより金銭的な負担が少ないです。
退職金の額が多くない場合におすすめできる方法になります。
退職金の基礎知識を理解して適切に対処しよう
退職金がもらえない場合、不満に感じることもあると思います。
そのようなときは、まず会社の就業規則を確かめてみてください。
どのような退職金制度が定められているのか、そもそも退職金制度が設けられているのか知る必要があります。
もし、退職金制度がない場合は諦めて、退職金のある企業に転職することをおすすめします。
また、制度はなくても退職金の制度に応じている場合もあります。
そのような場合も含めて、会社に一度確認をとってみるといいでしょう。
退職金制度があるのにも関わらず、もらえない場合は今回紹介した対処法を実践してみてください。
あなたが納得する結果に終わることを祈っています。