会社を辞めるなら、早めに準備をはじめるべきです、絶対に。
といっても、具体的に何をすればいいのかイマイチわかりづらいですよね。
転職サイトに登録したり、退職届を書いたり、職務経歴書を整えたり・・・
その他に何をすればいいのか、今、パッと思い浮かびますか?
この記事では、退職日の何ヶ月前にどんな準備をはじめると転職活動をスムーズに進められるのか、目安となる期間・内容について詳しくご説明します。
近いうちに会社を辞める予定の方は、退職準備がきちんとできているかどうか、この記事を見ながらチェックしてみましょう。
転職活動の準備は早く始めた方がいい
退職日、もう決まりましたか?
何をするにしても、早くから準備をはじめた方がメリットは多いです。
転職活動の場合、一般的に、退職したい日の3ヶ月前から準備をはじめる人が多いですね。
早い人だと、半年前から次の仕事へ向けて準備を進めている人も。
「退職日の半年前から準備をするなんて、さすがに早すぎるでしょ!」
と思う方も多いですが、はたして本当に早すぎるのでしょうか。
半年前、3ヶ月前、1ヶ月前にわけて、どんな準備をしておいた方がいいのか整理しました。
順に見ていきましょう。
退職の半年前から準備すべきこと
「半年前から転職活動の準備をするなんて、さすがに早すぎるでしょ?」
いいえ、そんなことはありません。
まだ退職を決意できていなくとも、少しでも転職を意識しているのなら、徐々に準備を進めておきましょう。
チェックしておきたいポイントは、以下の3点
- 転職活動が長引くことを想定した貯金
- 仕事に役立つ資格やスキルの習得
- 今までの職務経歴の整理
それぞれについてご説明します。
転職活動が長引くことを想定した貯金
転職活動が半年以上長引く人も少なくありません。
実家にお住まいで貯金がたっぷりあるのなら、今から貯金を頑張る必要はありません。
毎月家賃を負担している方、貯金に余裕のない方は、まず第一にお金を心配しましょう。
退職後の数ヶ月間、無収入でも最低限の生活を続けていけますか?
もしあなたが社員寮や借り上げの社宅に住んでいる場合、引っ越しも必要ですね。
単身での引越し費用は、3〜4月の繁忙期だと平均で7万円前後。
3人以上の世帯だと、引越し費用の平均は10万円を越えます。
新しい家を借りるとなると、敷金や仲介手数料で10〜20万円も消えていくことに。
家具も新しくしようなんて考えたら、貯金があっという間に消え去りますよ。
自己都合退職だと失業手当はすぐにもらえない
「でも失業手当がもらえるんでしょ?」
と期待する人も多いですが、甘いです。
ハローワークに頼るとしても、自己都合退職の場合、失業手当が振り込まれるまで3ヶ月ほど待ちます。
3ヶ月待ったとしても、もらえる金額は最低限の生活ができる程度。
過度な期待は禁物です。
転職活動中に生活が苦しくなって、アルバイトを探すことは避けたいですよね。
転職を意識しはじめたタイミングから、少なくともムダ遣いをなるべくしないようにしましょう。
ただし、自己都合退職でも給料の未払いや長時間残業が理由だと、すぐに失業手当を受け取れる可能性があります。
失業手当を申請するつもりの方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
転職先で役立つ資格やスキルの習得
今のスキルで希望の転職先へ入社できる自信はありますか?
もしあなたが別業種への転職を考えているのなら、必要となる資格の勉強や基本的なスキルを身につける準備を進めておきましょう。
たとえば事務系の職種を目指すなら、マイクロソフトのオフィススペシャリスト(MOS)は取得しておいて損はありません。
ただし、現実的な問題として30歳以上の方が未経験で採用されるのは難しいです。
20代の方であれば、実務経験がなくても他業種へキャリアチェンジできるチャンスはたくさんあります。
同業界で転職を考えるのか、まったく別の業界へ挑戦するのか。
これからどのようなキャリアを築き上げていきたいのか、じっくり考えてみましょう。
転職活動で役立つ主な資格
「運転免許くらいしか履歴書に書ける資格がない・・・」
という方も多いですよね。
宅建や社労士、簿記2級、秘書検定など、書類選考でアピールできる資格はたくさんあります。
とはいえ、いずれも2〜3週間ちょろっと勉強して合格できるほど簡単ではありません。
ただ、半年あれば取得できるチャンスは広がります。
「新しい仕事に挑戦したい!」
と思っている方ほど、早めに準備を進めておかないと失敗しますよ。
職務経歴書を書くための準備
今まで、職務経歴書をきちんと書き上げた経験はありますか?
職務経歴書をきっちり書き上げるのは意外と時間がかかります。
少しずつ準備を進めておくと、後で楽ができるのでおすすめです。
ご存知の通り、転職活動において履歴書や職務経歴書はとても重要です。
甘く見ていると書類選考でスパッと落とされてしまい、面接にすら進めません。
今まで経験してきた業務、関わったプロジェクト、達成した売上目標、身についているスキルなど、職務経歴の整理を進めましょう。
適当に書かれた職務経歴書はすぐわかる
当サイト管理人は、今まで採用担当としてたくさんの履歴書、職務経歴書に目を通してきました。
はっきりお伝えすると、適当に書かれた応募書類はパッと見てすぐにわかります。
そして、即座に不合格ボタンをポチッとクリック。
職務経歴書を丁寧に、かつわかりやすく書いている人は、それだけ印象がよくなります。
もちろん、どれだけ書類を作り込んでも書類選考の合格基準を満たしていなければ面接に進めませんが。
第三者からアドバイスをもらうと効率的
転職について相談できる相手が身近にいるなら、職務経歴書を見てもらいましょう。
率直な意見をもらえれば、改善すべきポイントが明確になりますよ。
理想はあなたの仕事ぶりを把握している同僚や先輩。
「もっと○○の経験について具体的に書いたほうがいいだろ」
とアドバイスをもらえるのは、とても貴重ですよ。
相談できる相手がいない方は、転職エージェントで添削してもらうのもいいですね。
日々たくさんの応募書類をチェックしていますから、どういう書き方をすれば合格しやすいか、ノウハウをたくさん持っています。
家族に見てもらうという選択肢もありますが、仕事内容が複雑な場合はとくに、アドバイスをもらったところであまり参考にならないことも。
退職3ヶ月前から準備すべきこと
退職の3ヶ月前は、具体的な行動を起こしていくタイミング。
直属の上司へ退職の意思を伝えたり、転職エージェントへ相談に行くなど、内定を勝ち取るための準備をはじめましょう。
チェックすべきポイントは以下の3点。
- 上司と退職日の調整
- 転職エージェントに登録
- 面接の練習
すでに退職日まで3ヶ月を切っていて、まだ何も準備をしていないという場合、少々危険です。
できることから、すぐに手を着けましょう。
私たち社会人にとって、タイムこそマネーです。
直属の上司に退職を切り出す
一般的な会社であれば、就業規則に「退職の申し出は1ヶ月前までに」などの記載があります。
円満に退職を進めるなら、できるだけ定められたルールに則って退職の手続きを進めましょう。
業務の引き継ぎも、余裕を持って滞りなく進められるとベスト。
毎年きっちりと有給休暇を消化できている方なら問題ありませんが、実際のところ、ほとんど休めていない方も多いですね。
残っている有給休暇をすべて消化できるように退職日を調整できれば完璧。
有給休暇は、労働者に与えられた権利。
使わないまま消滅させてしまうのはもったいないですよ。
退職届を提出しなくても退職はできる
ちなみに、退職の通知について、厳密にいうと就業規則に従う必要はありません。
民法では、退職したい日の14日前に退職を申し出れば会社を辞められると定められています。
民法では期間の定めのない雇用契約については、解約の申し入れ後2週間で終了することとなっており、会社の同意がなければ退職できないというものではありません。(民法第627条)
「上司が退職届を受けとってくれない・・・」
「絶対に辞めさせないと脅された・・・」
などのトラブルに発展しそうな場合、多少強引に会社を辞めることはできます。
円満退職ではなくなるため、積極的におすすめはしませんが、もしものときのために最低限の知識は身につけておきましょう。
転職サイトや転職エージェントに登録
転職サイトや転職エージェントには、もう登録しましたか?
退職3ヶ月前は、内定を獲りにいくべきタイミング。
少なくともリクナビネクストやdodaといった、大手転職サイトには登録しておきましょう。
求人数の多さをはじめ、自分の強みを分析できたり役立つコンテンツも充実しています。
転職活動がはじめての方は、転職エージェントも必ず活用しましょう。
「転職サイトや転職エージェント、いくつも登録するのは面倒くさい・・・」
と感じるのも当然です。
プロフィールや職務経歴を何度も細かく登録するのは猛烈に面倒くさいですよね。
少しでも効率的に進めたいなら、おすすめは最大手のリクルートエージェント。
支援実績もNo.1ですし、リクナビNEXTのスカウトサービスにも同時登録できるので効率的ですよ。
転職エージェントは何社利用すべきか
「転職エージェントって、ほかの人は何社くらい利用しているの?」
と疑問に思う方も多いです。
転職を成功させた方の多くが、2社以上の転職エージェントに登録しています。
とはいえ、いきなり4〜5社に登録すると、面談へ行ったり、担当者とのやりとりが大変。
まずは大手のdodaやリクルートエージェントに登録して、物足りなさを感じたら中堅どころも利用してみましょう。
やりたい仕事が決まっているのなら、業種や職種に特化した転職エージェントもおすすめ。
エンジニアや管理部門、アパレル、介護・医療業界に特化した転職エージェントもありますよ。
転職エージェントは各社それぞれに強み・弱みがありますし、非公開求人も各社が独占案件を抱えています。
無料で利用できるものは、とことん使い倒すことが転職活動を成功させる秘訣です。
面接で落とされないための練習
面接とは、たった20〜30分の会話で、あなたの今後の人生が決まる場です。
「学生時代の就職活動で面接を受けて以来、ほとんど面接を受ける機会がなかった・・・」
という人も多いですね。
転職サイトに登録したり、転職エージェントへ相談に行くと、面接を受けに行く機会も徐々に増えていきますよ。
面接へ苦手意識を持つ方はとくに、早めに準備をはじめましょう。
不合格にされやすい人に共通する特徴
当サイト管理人は、約10年、採用担当としてたくさんの方の面接を担当しました。
総論として、基本的なコミュニケーションに難がある方は間違いなく落とされやすいです。
具体的には、以下のような方たち。
- 質問されたことに対して、結論から答えられない
- 話が長すぎて、何を伝えたいのかわからない
- 専門用語ばかりで相手に合わせた会話ができない
- 質問されたことではなく、自分の話したいことばかり話す など
「簡単に自己紹介をお願いします」と伝えたら、退職理由を延々と語りはじめたり。
そもそも何について質問されたか、完全に見失っていたり。
どれだけ素晴らしいスキルや経歴を持っていても、グダグダな面接をすれば落とされます。
退職1ヶ月前には準備すべきこと
いよいよ退職日が近づいてきました。
退職日まで1ヶ月を切ったなら、退職に向けてより具体的な行動を進めていきましょう。
興味のある会社へ応募、選考へ進むことは大前提として、ほかにも以下4点を要チェック。
- 退職時の挨拶と菓子折り
- 退職後の社会保険の計算
- クレジットカードの発行
- 未払い残業代の請求準備
該当しない方も多いですが、それぞれ詳しく見ていきましょう。
最終出勤日に向けた準備
引き継ぎも計画通りに進んで、後は有給消化を残すのみ。
意外と忘れがちなのは、最終出勤日にやるべきこと。
退職後も上司や同僚と良好な関係を築いておきたいなら、キレイに辞められるように準備しておきましょう。
必須ではありませんが、今までお世話になった御礼として、ちょっとした菓子折りを持っていくのもおすすめ。
百貨店などで3,000円程度のお菓子を買っておけば、少なくとも不評を買うことはないでしょう。
退職の挨拶で何を話すかも、前もって考えておけば当日になって慌てることがなくなりますよ。
退職後の社会保険はどうする
退職するまでに、転職先は見つかりそうですか?
次の仕事が見つからないまま退職日を迎えた場合、健康保険や年金の切り替え手続きが発生します。
健康保険は任意継続するか、国民健康保険に切り替えるかの2パターンから選択。
稼いでいたお給料の金額によっては任意継続した方が保険料が安くなることも。
事前にきちんと計算しておくことをおすすめします。
転職先が決まった状態で退職日を迎えられるなら、社会保険の切り替え手続きは基本的に転職先の人事担当者にお任せできますよ。
在職中にクレジットカードを発行
次の仕事がまだ見つかっておらず、1枚もクレジットカードを持っていない方は必ず在職中に発行しておきましょう。
すでに複数枚のクレジットカードを持っているなら、新たに発行する必要はありません。
よく言われることですが、退職後、つまり無職の方はクレジットカードを発行できません。
正しくは、カードの審査に通りづらくなってしまいます。
1枚持っておくだけでも、うまく活用すればクレジットカードは強力な味方になります。
安定した収入がないときに2分割で支払ったり、支払いを先延ばしできるのは本当にありがたいですよ。
ただし、リボ払いだけはおすすめしません。
もちろん使い方次第ですが、余程のことがない限り使わないのが無難です。
未払い残業代の請求準備を進める
「サービス残業が当たり前で、今まで残業代をもらったことがない・・・」
「固定残業代が支給されていたけど、明らかに所定の時間以上働いてた・・・」
もし心当たりがあるなら、退職日を迎えるまでに少なくとも総額の試算だけは進めておきましょう。
未払い残業代の請求はたった2年で時効を迎えてしまいます。
さらに、退職から日が経つごとに請求できる金額は少なくなっていくのです。
毎月きちんと残業代をもらえていたなら心配無用ですが、タダ働きをさせられていた方は泣き寝入りせず、適切に対処しましょう。
万全の準備を整えた上で退職しよう
会社を辞めるとき、とりあえず転職サイトに登録しておけばOK、と勘違いしている方は多いです。
ここまで読んでいただけたなら、退職日を迎えるまでに、やっておくべき準備がたくさんあることをご理解いただけたことでしょう。
「せっかく退職したんだから、少しはゆっくりしたい!」
という場合は、退職後しばらく休みを取るのも良いですね。
有給消化中に温泉なんてどうですか? ほかの人が働いているときに、自分だけゆっくりできるのは最高に気持ちいいですよ。
次の仕事が見つかっていない状態で会社を辞めてしまうと、精神的にも金銭的にも負担が増えます。
健康保険や国民年金の切り替え手続きは面倒ですし、タイミングによっては確定申告もすることに。
役所に足を運んだり、管轄の税務署に行かないといけなかったり、猛烈に面倒くさいですよ。
余計な手間をかけないためにも、今すぐにでも準備をはじめてくださいね。