会社を辞めた。

幸いなことに配偶者がそれなりに稼いでくれているので、無理して働かなくても最低限の生活はできそう。

配偶者の扶養家族になったので、健康保険や国民年金を支払う必要もなくなった。

配偶者にはしばらくゆっくり休めばいいと言われたけど、アルバイトくらいはしようと思ってる。

正社員で働く気にはなれないけど、多少は家計を支えないと、という気持ちはある。

働くのはいいけど、稼ぎすぎに注意してね。」と言われた。

上限は103万?それとも130万?

フルタイムで働いていたときに比べれば、100万ちょっとなんて年収としては少なすぎる。

だけど家族の扶養から外れるのは避けたい。

どうすればいいの?

家族の扶養から外れるのは年収130万円

130万円を超えると家族の扶養から外れる

130万円やら103万円やら、いろいろと耳にする機会は多いと思います。

家族の扶養に入っている方の年収がいくらになると、何がどうなるのか。

順を追ってご説明していきます。

まず年収が130万円を超えると配偶者の扶養から外れることになります。

130万円の壁、なんて言われたりもしますね。

扶養から外れるということは、月々の健康保険料や国民年金を自分で支払わなければならないということです。

健康保険や国民年金の負担は、確実に家計を圧迫します。

平成28年度の国民年金保険料は月額16,260円、健康保険料も支払うとなると、毎月2万円前後の負担が増えるということです。

大幅な年収アップが見込めない限り、扶養から外れるのは避けたいですね。

年収が130万円を超えなければ、原則、扶養家族から外れることはありません。

第3号被保険者という扱いとなり、健康保険や国民年金を負担することもなくなります。

第1号~第3号被保険者の違いについてはこちらの表をご覧ください。

第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
20歳以上60歳未満 原則65歳未満 20歳以上60歳未満
自営業や農業に従事、学生や無職の方、第2号、第3号ではない方 厚生年金または共済の組合になっている方 第2号被保険者の扶養家族になっている方

被保険者の扱いについてもっと詳しく知りたい、という方は以下の記事をご覧ください。

配偶者が自営業者の場合、130万円の壁は関係ない

配偶者が自営業者の場合、130万円の壁は関係ない

ちなみに、この130万円の壁というのは配偶者が自営業者だった場合、まったく関係のないものになります。

フリーランスとして働く人、個人事業主として店舗を切り盛りされている人も同じくです。

つまり配偶者が第1号被保険者だった場合、扶養家族という考え方はなくなるのです。

年収が130万円だろうと、10万円だろうとも関係ないのですね。

特に国民健康保険の場合、均等割額という考え方があり、被保険者数が増えると保険料もその分増えることになります。

上限金額は設定されているものの、子だくさんの世帯は保険料負担が大変そうです。

130万円の壁というのは、あくまで配偶者が会社員や公務員のときに考えることなのです。

国民健康保険の保険料を詳しく調べてみたい、という方はこちらの記事を参考にしてください。

103万円を超えると所得税を負担することになる

103万円を超えると所得税を負担することになる

「130万円を超えるとどうなるか、について理解はできたけど、103万円ってのは何なの?」

では続いて103万円の壁、と呼ばれるものについてもご説明します。

年収が103万円を超えても、130万円を超えなければ扶養家族から外れることはありません。

では103万円を超えると何が起こるのかというと、所得税を支払うことになります。

年間の収入が103万円を超えなければ、所得税の負担はありません。

給与を振り込まれるときに源泉徴収で天引きされていたとしても、確定申告をすれば取り戻せます。

所得税を支払うことになったとしても、いきなり10万円~20万円の納付書が届くなんてことはありません。

年収が103万円を越えて所得税を払うことになったとしても、1~2万円前後の話です。

配偶者控除も適用されなくなる

配偶者控除も適用されなくなる

それともう一つ知っておくべきことがあります。

年収が130万円を超えると、配偶者が支払う税金も増えることになります。

配偶者控除が適用されなくなるのです。

配偶者控除についても、適用されなくなったとはいえ、いきなり税金負担が数十万円も増えることはありません。

配偶者特別控除というものが適用され、段階的に税負担が増える仕組みになっています。

こちらの表を見ていただくとわかりやすいかと思います。

収入 所得 控除額
103万円~105万円未満 38万円~40万円未満 38万円
105万円~110万円未満 40万円~45万円未満 36万円
110万円~115万円未満 45万円~50万円未満 31万円
115万円~120万円未満 50万円~55万円未満 26万円
120万円~125万円未満 55万円~60万円未満 21万円
125万円~130万円未満 60万円~65万円未満 16万円
130万円~135万円未満 65万円~70万円未満 11万円
135万円~140万円未満 70万円~75万円未満 6万円
140万円~141万円未満 75万円~76万円未満 3万円
141万円以上 76万円以上 0円

所得というのは収入から給与所得控除額(65万)を適用した場合の金額のことです。

基本的には収入の部分だけを見ていただければ問題ありません。

表を見ていただければお分かりになると思いますが、収入が141万円を超えると、扶養から外れることに加えて、所得税も負担。

さらに配偶者特別控除も一切適用されなくなるということです。

配偶者特別控除を適用するためには、収入金額以外にもいくつか条件があるのですが、あまりに長くなってしまうため、ここでは深く掘り下げないことにします。

税負担が増えて家計に大ダメージを与えるように思われるかもしれませんが、収入が増えている分、手元に残るお金はそこまで減らないはずですよ。

税金の仕組みはうまいことできているのです。

103万円を超えずとも住民税の負担はあるかも

103万円を超えずとも住民税の負担はあるかも

年収が103万円を超えなければ、扶養から外れることもなく、所得税を負担することもないのですが、住民税については別で考える必要があります。

色々な税金が出てきて、ややこしいことこの上ないですが、所得税というものは国に納める税金で、住民税はお住まいの市区町村、都道府県に納める税金です。

そして住民税についてはお住まいの地域によって変動します。

市区町村のホームページで住民税を確認してみないと何ともいえないところはありますが、おおよそ年収が90万円前後を超えてくると、住民税が課せられると思っておきましょう。

収入の期間は1月から12月で考える

期間は1月から12月で考える

103万円やら130万円やらの金額、いつからいつまでの範囲で考えるべきかというと、正解は1月から12月。

その年にお仕事をして発生した金額に対して、諸々の税金などが課せられるのです。

1月から12月の間に銀行口座に振り込まれた金額ではありません。

1月から12月の間にお仕事をしたことで発生した給与の金額がベースとなります。

12月に働いた分の給与が翌年1月に振り込まれるとしても、それは関係ありません。

働いている会社の年度末が3月だから、というのも一切関係ありません。

私の誕生日は10月だから、というのもミジンコほどの関係もありません。

1月から12月、その年の収入として考えましょう。

2016年10月から106万円の壁が新たに誕生

2016年10月から106万円の壁が新たに誕生

そして最後に、2016年にできた新制度、106万円の壁というものが誕生します。

いくつか条件はありますが、年収が106万円以上の方は、扶養から外れることになるのです。

いきなり扶養から外されたらシャレにならないですね。

ではどんな条件があるのかというと、ざっくりまとめると以下の通りです。

  • 週に20時間以上働いている
  • 月額8万8000円以上稼いでいる(年収106万円以上)
  • 1年以上勤務する見通しがある
  • 従業員を501人以上雇用している会社で働いている

大きい会社に勤務していて、今後も安定的に働き続ける可能性のある人は、社会保険の負担が増えるのです。

デメリットばかりに思われるかもしれませんが、メリットもあることは理解しておきましょう。

扶養の範囲について正しい知識を

扶養の範囲について正しい知識を

家族の扶養から外れることのないように、お仕事のシフトを調整されている方も多いと思います。

社会保険や税金の制度というのは年々変わっていくものなので、常に最新の情報を取り入れておかないと、いきなり扶養から外された!ということもありえるのです。

ややこしいことも多いのですが、社会保険や税金に関する正しい知識を持っておけば、ご自身のライフスタイルに合わせた生き方、働き方ができるのも事実です。

仕事を辞めて配偶者の扶養に入った方は、アルバイトやパートの仕事を始められる前に、扶養の範囲についての知識を深めておきましょう。

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