安心して老後を迎えられる自信はありますか?
老後への不安はぼんやりと持っていたとしても、毎日忙しく働いていると「まだずっと先の話だから・・・」と軽く考えてしまいますよね。
しかしながら、老後に必要なお金は年金だけでは足りません。
たまには夫婦で温泉旅行を楽しんだり、1日3食しっかり美味しいご飯を食べて、趣味も充実させたい・・・と考えるなら、足らないお金は自分で準備しておく必要があります。
すでに1,000万円を超える貯金や資産があるのなら、とくに心配する必要はないかもしれません。
もし今、貯金がほとんどできていないとなると、今のうちから真剣に心配したほうがよいでしょう。
このページでは、将来どれくらいのお金が必要になるのか、着実にお金を増やすために今なにをすべきなのかについて、詳しく解説します。
老後について漠然とした不安を抱いている方は、ぜひチェックしてみてください。
充実した老後に必要なおおよその金額
あなたはどんな老後を過ごしたいですか?
老後に必要なお金は、どのようなライフスタイルを希望するかによってさまざま。
節約のために電気もつけず、薄暗い部屋のなかでカップラーメンをすする生活なんて、絶対にイヤですよね。
生活にかかるお金は人それぞれですが、まずは国が発表している平均的なデータを見ていきましょう。
充実した老後には約4,700万円必要
総務省の統計局が毎年発表している「家計調査報告」を見たことはありますか?
2018年2月16日に総務省から発表された「家計調査報告(家計収支編)平成29年 平均速報結果の概要」によると、65歳以上の高齢無職世帯での収支は以下の通り。
- 収入:月額209,198円(うち社会保障給付は191,880円)
- 支出:月額263,717円
ご覧のように、毎月54,519円の赤字です。
また社会保障給付を年金として考えると、収入が年金だけの世帯では毎月71,837円の不足。
毎月5〜7万円を稼ぐとなると、週5日、5〜6時間はアルバイトやパートに出ないといけません。
「老後はもう働きたくない!」
と考えるなら、今のうちから準備をしておかないと貯金がどんどん減っていくことに。
あなたは何歳まで生きられるか
あなたは何歳まで生きていたいですか?
「子供が自立するまでは死んでも死にきれない」
「孫の顔を見るまでは健康でいたい」
など、いろいろありますよね。
日本経済新聞の記事によると、2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳。
厚生労働省が公表している「平成28年度簡易生命表」によると、65歳の方の平均余命は男性で19.55歳、女性で24.38歳となっています。
仮に90歳まで生きられて、年金以外の収入がない世帯の場合、老後に必要なお金は夫婦で2,155万円。
仕事をリタイヤするまでに、2,000万円の貯金は準備できそうでしょうか。
月35万円あれば余裕が出てくる
家賃が発生せず、これといった趣味もなければ、20万円もあれば十分余裕のある生活ができるでしょう。
生命保険文化センターが行った「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後に必要な金額は平均で34.9万円だそうです。
住宅ローンの支払が続いていたり、週に1回は家族で外食、年に1回は海外旅行と考えていくと、月35万円は妥当な金額に思えますね。
月35万円の生活費を確保するとなると、90歳までに必要なお金は夫婦あわせて4,714万円に。
簡単に用意できる金額ではないですね・・・
一人暮らしでも約1,400万円が必要
最近は「独居老人」という言葉がよく聞かれる通り、ひとり暮らしのお年寄りも増えてきています。
先ほどもご紹介した「家計調査報告(家計収支編)」によると、60歳以上で無職の単身世帯の場合、月間の収入や支出は以下の通り。
- 収入:月額114,027円(うち社会保障給付は107,171円)
- 支出:月額154,742円
高齢者の単身世帯では毎月40,715円、収入が年金だけの場合は毎月47,571円の赤字。
もし90歳まで生きる場合は、65歳から年金受給開始した場合で1,427万円あればある程度は安心ということです。
収入を得るか支出の抑制が必要に
ここまでご紹介した年金額はあくまで平均の金額。
実際に受け取れる年金額は個々人で異なります。
会社員として働いて厚生年金に加入していたなら、現役時代にもらっていた給与が多い人ほど老後に受け取れる年金額も多くなります。
一方、自営業や個人事業主として働いていた場合、満額受給できる人でも月額65,000円程度しかもらえません。
支給される年金額が十分でない場合、以下の方法により収入を得るか、支出を切り詰める必要があります。
- 65歳以上でも雇ってくれる仕事を探す
- 今ある貯金を元手に投資でお金を増やす
- 年金の支給開始年齢を繰り下げる
仕事のあてがあったり、65歳以上でも十分な収入が得られるなら、年金の支給開始年齢を繰り下げることもおすすめ。
70歳まで待つと毎月の年金は42%増額されますから、厚生年金を受給できる方なら、年金だけで日々の暮らしに必要なお金をまかなえるでしょう。
ただし、10年後、20年後に年金の制度がどうなっているかは、誰にも正確な予測はできません。
お金を増やすために投資は1つの選択肢
「お金が必要だけど、アルバイトやパートで働くのはイヤだ」
と考えるなら、株や投資信託などで資産を増やしていくという方法もあります。
「投資のことはよくわからない・・・」
「リスクがあることはやりたくない・・・」
という方も、基本的な知識だけは身につけておきましょう。
株式投資で稼ぐには大きな元手が必要
投資のなかで、もっとも身近なものといえば株式投資でしょう。
ニュースや新聞でも、日経平均株価などが必ず報道されていますよね。
小難しそうなイメージをお持ちの方も多いですが、株式投資は見た目よりずっと簡単です。
証券会社に口座を開き、利益が見込めそうな企業の株を購入するだけ。
有望な会社を見分けて投資すれば、元手のお金をじわじわと増やしていくことができますよ。
たとえ株価が大きく上がらなかったとしても、多くの上場企業は年1回から2回、株主へ配当金を出しています。
株主優待として、金券や自社商品をもらえることもありますね。
株価が値下がりするリスクは常にあるものの、銀行にお金を預けておくよりメリットを感じやすいですよ。
ただし、大きく稼ぎたいなら相応の元手が必要です。
仮に100万円しか資産がない場合、株価が上がったとしても数万円程度の利益にしかなりません。
株価が2倍、3倍に跳ね上がることもゼロではありませんが、プロでも簡単に見極められない、難しい世界です。
投資信託も元本割れのリスクがある
株式投資に興味が湧いてきたなら、投資信託もチェックしてみることをおすすめします。
株式を個別商品に例えるならば、投資信託はセット商品に例えられます。
「お金は増やしたいけれど、どの企業に投資すればいいのか選べない・・・」
という方におすすめ。
日経平均と同程度の利回りを求めるならばインデックスファンド、これよりも高い利回りを求めるならばアクティブファンドを選びましょう。
もっとも、投資信託は元本保証がない商品。
株価の値下がり局面では、大半の投資信託商品が元本割れするリスクもあります。
くれぐれも窓口の担当者とよく相談した上で、判断するようにしましょう。
信用取引はハイリスク・ハイリターン
信用取引は株式投資よりもハイリスク・ハイリターンの商品。
それは元手の何倍もの金額を動かすためです。
たとえば50万円の元手で100万円の金額を動かす場合、5割の値上がりで利益は50万円となり、元手を倍にすることができます。
その一方、25%値下がりすれば元手の半分を失うことになります。
信用取引のもう1つの特徴は、株価の値下がり局面でも利益を出せることです。
この場合、株を売りから入ることで、売った金額と買い戻した金額との差額が利益となります。
もちろん株価は時々刻々と変動するものですから、多額の損失を出すリスクもあることは忘れずに。
投資よりも給与アップを目指すのが現実的
投資は老後にお金を増やすためのひとつの選択肢ですが、少なからずリスクを生じます。
信用取引に手を出して、老後のために貯めていた2,000万が全部溶けてしまった・・・なんてことは絶対に避けたいですよね。
安全に老後のお金を増やしたいなら、今のうちに給与アップを目指して、月々の貯蓄額を増やしていくのが確実。
金融資産に投資するのではなく、もっと稼げる人材になるように自分自身へ投資するという考え方も大切ですよ。
どのような投資にも必ずリスクがある
先ほどもご説明した通り、投資は大きな利益を期待できる反面、元本割れのリスクがあります。
ビットコインなどの仮想通貨が話題になったときも、大きく儲けられた人もいれば、数百万円単位で資産を失った人もいました。
ちょっと儲かったからと調子に乗ってしまい、痛い目に合う人は少なくありません。
投資には「卵を1つのかごに盛るな」という有名な格言があります。
格言の通り、いくつかの商品に分散して投資すればリスクを下げられますが、決してゼロにはできません。
投資に挑戦するなら、常に情報を張り巡らせて、大きく損をしないように立ち回る術を身に着けましょう。
仕事で失敗してもすぐに給与は下がらない
万が一投資で失敗すると、それは自らの資産減少に直結します。
その一方、あなたが仕事で失敗をしても、いきなり給与がゼロになるということは滅多にありません。
故意に大きな損害を生み出した場合だと懲戒解雇されるかもしれませんが、誠実に職務を遂行していたのなら処分は免れるでしょう。
もちろん人事評価がマイナスになる可能性はありますから、ボーナスや次年度の給与は多少下がるかもしれません。
それでも今までコツコツ貯めてきた貯金を奪われるようなことはありません。
業務上の損失は会社が背負うことが原則ですから、この点は会社勤めのメリットといえますね。
自分自身への投資は長期的な財産になる
あなたのお勤め先は、昇給は毎年ありますか?
今の時代、定期昇給が見込めない会社も増えてきています。
手取りの給与をアップしたいなら、自らの能力やスキルを磨いて会社に実力を認めてもらうことが必須。
「これといった強みやスキルがない・・・」
という方は今からでも遅くありません、何かしらスキルアップを考えてみてください。
英会話に通ってビジネス英語を身につける、社労士や中小企業診断士の資格取得を目指すなど、身につけるスキルはなんだっていいんです。
スキルを身につけたことで仕事の幅が広がったり、資格取得に向けて努力している姿を上司が見て、評価を上げてもらえるかもしれません。
一度身につけたスキルはあなたの財産として、あらゆる職場で役に立ってくれます。
若いうちに時間とお金を使って、お金を稼ぐことにつながるスキルや能力を身につけておきましょう。
より条件の良い会社を求めて転職する
「スキルアップに励んでいるのに給料が上がらない・・・」
「ポストが埋まっていて、昇進できそうにない・・・」
という方は、より条件の良い会社へ転職してしまうのもひとつ。
今の会社で働き続けて、老後に必要なお金を十分貯められるなら、リスクを背負って転職する必要はありません。
しかしながら、昇給が見込めない、昇進もできそうにないという状況にいるのなら、早めに転職を決断しましょう。
会社は、あなたの老後の心配なんてしてくれません。
あなたの実力を正当に評価してくれる会社へ転職して、老後に向けて十分に貯蓄できる年収を稼ぎましょう。
今の会社に未来を感じないなら早めに転職を
余裕のある老後を過ごしたいなら、数千万単位のお金が必要です。
今のうちからコツコツと準備を進めていかないと、数年で貯められる金額ではありません。
とはいえ「今の収入じゃ、ろくに貯金もできない・・・」という方が多いのも事実。
今の職場で昇給を見込めないのなら、早めに見切りをつけて転職しましょう。
ただし、退職を踏み切る前に自分自身のスキルアップも忘れずに。
これといったスキルや実績もない状態で転職活動をはじめても、最悪の場合、今より年収が下がってしまうこともあります。
充実した老後を迎えるためにも、自分自身の市場価値を高めて、よりよい条件の会社へ転職しましょう。