夜中まで残業中の男性

朝礼や清掃などの時間は給料を払わないという会社も、残念ながらたくさんあるようです。

直接業務に関係ないからということがその理由です。

しかし、何が労働時間にあたるかということについてのルールは存在し、実際に労働基準監督署の指導を受けた事例もあります。

ここではサービス残業を避けるために必要な基礎知識として、ルールの内容と対応方法を解説します。

業務開始前も労働時間に含まれる場合がある

交差点を渡る社会人たち

仕事をしている時間が労働時間なのは当たり前です。

しかしそれ以外の時間も労働時間に含まれる場合があることは、ご存知ない方も多いかもしれません。

サービス残業を避けるためには、どの行為が労働時間に含まれるのか、きちんと知っておくことが大切です。

労働時間に含まれる主な行為

以下のような行為をする時間は、労働時間に含まれるべきとされています。

  • 業務交代の際の引継ぎ
  • 機器利用前・利用後の点検
  • 整理整頓・後片付け
  • いわゆる手待ち時間
    (作業を行っていなくても、すぐに作業が可能な状態)

手待ち時間の例としては、お客のいない飲食店の店員や、トラブルなく稼働しているビルの設備員などがあげられます。

以下に示す活動の場合は、会社の指揮監督下に行われ、かつ参加が義務の場合は労働時間となります。

  • 朝礼やミーティング
  • 準備運動やラジオ体操
  • 清掃活動
  • 会社行事や研修への参加

また、会社によっては制服を着用することが必要な場合もあります。

この場合は、勤務する際に制服着用が義務であり、かつ会社が指定した更衣室での着替えが義務付けられている場合に限り、着替えの時間も労働時間として扱う必要があります。

労働時間に含まれない主な行為

業務に関連しているからといって、すべての行為が労働時間として扱われないことには注意が必要です。

以下のような行為は、労働時間として扱う義務はありません。

  • 職場の門や従業員通用口に入ってから、職場に着くまでの間
    (制服着用が義務の場合は、更衣室までの間)
  • 交通機関で移動する際の移動時間
  • 飲み会
    (ただし業務命令で準備を行った者は労働時間となる場合がある)
  • 接待ゴルフ

例えば職場の門をくぐったり、従業員通用口から職場に入ったからといって、その時刻をもって出勤と扱われるわけではありません。

休憩所や社員食堂にいれば仕事をしていない訳ですから、労働時間とされないのは当然です。

この場合の出勤時刻は職場に入った時刻、制服着用が義務付けられている場合は更衣室に入った時刻となります。

また出張等で交通機関を利用する場合、会社から利用する列車を指定されている場合であっても、労働時間として扱う義務はありません。

車内では自由に過ごせるからというのがその理由です。

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労働基準監督署から指導を受けた事例

誰もいない夜のオフィスフロア

着替えや清掃活動などの時間を労働時間に含めていなかったことにより、労働基準監督署から指導を受けた事例があります。

その事例をいくつか紹介しましょう。

事例1:清掃活動

この指導は、ある金融業に対して行われたものです。

店舗内外や近隣の公共施設における「清掃活動」を、ボランティア活動と称していたが、労働時間に該当する疑いが認められた。

「清掃活動」について、参加が義務づけられている場合は労働時間として取扱い、適正な賃金を支払うよう指導した。

監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成27年度)厚生労働省

会社の指揮命令下において清掃活動を行う場合は、労働時間として扱われるという事例です。

事例2:制服の着替え

この指導は、ある小売業に対して行われたものです。

会社は、タイムカードにより労働時間を管理していたが、警備記録を確認したところ、タイムカードの打刻時刻とかい離があり、また、会社が指示したユニフォームへの着替を行った後にタイムカードを打刻している状況も認められたため、労働時間の実態調査を行うよう指導。

監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成28年度)厚生労働省

制服の着用が義務付け、かつ指定された場所での着替えが義務付けられている場合、着替え時間も労働時間として認定されるという事例です。

タイムカードを押すべき正しいタイミング

大あくびをしている女性

ここでは例として、以下のような活動を行っている職場を考えてみます。

  • 毎日朝礼と、それに続き全員でラジオ体操をする
  • 作業前と作業後には掃除を行う
  • 従業員は全員制服を着用し、着替えは会社の指定した場所で行う
  • 自宅から制服を着用して出勤することは禁止
  • 出退勤はタイムカードで管理する

この場合、1日の業務の流れは以下のようなものになるでしょう。

  1. 事業所の敷地内に入る
  2. タイムカードを押す
  3. 会社指定の更衣室で、制服に着替える
  4. 職場に集合し、朝礼とラジオ体操を行う
  5. 作業開始前の掃除
  6. 作業を行う
  7. 作業後の掃除、整理整頓を行う
  8. 会社指定の更衣室で、私服に着替える
  9. タイムカードを押す
  10. 退勤

掃除と朝礼の順番は、職場により逆かもしれません。

いずれにしてもここで重要なことは、以下の2点です。

  • 朝礼や清掃は労働時間に含まれる
  • 制服に着替える前にタイムカードを押し、私服に着替えた後にタイムカードを押す

ちなみに、労働時間の証明はタイムカード以外でも可能です。

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サービス残業をさせられていると思ったら

疲れ切って倒れ込んでいる男性

会社が朝礼や清掃時間など、職務を行うための準備時間を労働時間に含めていない場合は、残業代不払いの可能性があります。

いわゆるサービス残業をさせられているということです。

このような疑いを持ったときは、どのような行動をとるべきかを解説します。

労働時間とみなされる行為を正しく理解する

皆さんのなかには、会社から業務命令を受けて行う行為なら、すべて労働時間と思ってしまう方もいるかもしれません。

しかし実際はそうではなく、会社の指揮監督下に行われる行為が労働時間として扱われます。

例えば出張のため新幹線で移動中という場合は、業務命令があっても新幹線車内での行動は自由ですから、労働時間として扱われません。

このように業務命令であっても労働時間として扱われないものがありますから、何が労働時間として扱われるか、正しく理解することが必要です。

専門家に相談して意見を聞くことが大切

先ほど説明した通り、何が労働時間として扱われるかを理解することは重要ですが、皆さんのなかにはわかりづらいと思う方もいるでしょう。

もし会社が準備時間を労働時間に含めていない場合は、会社に改善や未払い残業代の請求をする前に、公的機関や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

例えば労働局が開設する東京労働局総合労働相談コーナーならば、無料で相談できます。

会社に対して何か行動を起こすのは、あなたの認識が正しいことを確認してからでも遅くはありません。

効率良い作業や仕事を心掛けましょう

ビジネス街を歩く若い女性

ここまで説明してきた通り、実際に仕事をしている時間でなくても、労働時間として扱われる行為はたくさんあります。

清掃や着替えなどの時間が労働時間として扱われれば、残業代が増える方は多いと思いますが、喜んでばかりもいられません。

給料を払う側の会社としてはなるべく人件費を抑えたいということが本音ですから、清掃や着替えなどは手早く行うよう、指示が出ることになるでしょう。

もっとも、このようなことは退職して未払い残業代を請求するという方にとっては、関係のないことと思います。

しかし今の会社で働き続けたい場合であれば、あなたは勤務中、職務に専念する義務があることを忘れてはなりません。

効率良い作業を心掛け、会社から「だらだらしている」等の指摘を受けないようにすることが大切です。

未払い残業代は退職後2年以内に請求を

「今まで残業代なんて支払われたことがない・・・」

「サービス残業が当たり前だと思ってた・・・」

という方も多いですね。でも知っていますか?

本来もらえるはずだった残業代は、退職から2年以内なら請求できます。

ただし、2年経ってしまうと残業代は1円も請求できませんし、時間が経つほど請求金額は減っていきます。

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