デスクで頭を抱える女性

多くの会社が完全週休2日制を取り入れている現在、1日8時間を超える労働には割増賃金が支払われることが原則ということは、よく知られていることです。

しかしこれは原則であって、絶対ではありません。

会社が採用している制度によっては、1日8時間以上働いても割増賃金が支払われない場合もあります。

ここではその1つである「月間変形労働時間制」を取り上げ、その制度とポイントを説明します。

月間変形労働時間制とはどういう制度か

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一般的に法定労働時間は、1日8時間まで、1週で40時間までとされています。

しかし月間変形労働時間制は、1ヶ月を通して週平均の労働時間が40時間以内とすることにより、特定の日や週の法定労働時間を8時間以上とすることができる制度です。

暦の日数によって1ヶ月の標準労働時間が変わる

月間変形労働時間制では「週平均の労働時間が40時間以内」ということをより厳密に反映することができます。

これにより1ヶ月の平日の日数にかかわらず、暦の日数によって以下の通り法定労働時間が決まります。

  • 31日の月は、177.1時間
  • 30日の月は、171.4時間
  • 29日の月は、165.7時間
  • 28日の月は、160時間

上記の時間を超えた場合は、時間外割増賃金の対象となります。

逆に月間労働時間が上記に示す時間以下の場合でも、時間外割増賃金が払われないとは限りません。

1日の労働時間や1週間の労働時間が、所定労働時間や法定労働時間を超えたかどうか等によって変わります。

この点については、この後の項目で説明します。

8時間以上働いても時間外の割増対象にならないことがある

一般的には、1日8時間を超えて働いた場合、時間外割増賃金がつくことが基本的なルールです。

その一方、月間変形労働時間制では、暦の日数によって時間外割増賃金が加算される労働時間が異なります。

例えば2018年5月と6月で比較すると、平日の日数はどちらも21日です。

単純に1日8時間を超えた場合に割増となるのならば、どちらも月間で168時間を超えた時間に対して、25%の割増賃金が支払われます。

しかし月間変形労働時間制では、その扱いは異なります。

例として月間労働時間がどちらも175時間で、1日の法定労働時間を9時間以上としている日がある場合、以下のような扱いになります。

  • 2018年5月は31日まであるので、時間外割増賃金が支払われない場合がある
  • 2018年6月は30日までのため、最低でも法定労働時間171.4時間を超えた部分は25%割増の対象となる

労使協定や就業規則への明記が必要

月間変形労働時間制を採用する場合は、以下のどちらかの方法で制度を定め、労働基準監督署長に届け出る必要があります。

  • 労使協定を結ぶ
  • 就業規則に明記する

多くの場合は、就業規則に明記する場合が多いでしょう。

このためあなたの会社が月間変形労働時間制を採用しているかどうかは、就業規則を確認してください。

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月間変形労働時間制で残業代を計算する方法

電卓を使って仕事をしている女性

月間変形労働時間制の残業代を計算する方法は複雑です。

それは、単純に法定労働時間を超えた分だけ25%の割増をすれば良いというわけではないからです。

計算のステップは、大きく分けて以下のようになります。

  1. 日々の残業時間について、割増対象か対象外かを判定する
  2. 週の残業時間について、割増対象か対象外かを判定する
  3. 月全体の残業時間について、割増対象か対象外かを判定する

以下、それぞれのステップについて詳しく解説していきましょう。

日々の残業時間について、割増対象か対象外かを判定する

まず日々の残業時間について、25%の割増対象かどうかを判定します。

割増対象になる場合は、以下の部分です。

  • 所定労働時間が8時間以上の場合は、所定労働時間を超えた部分の時間
  • 所定労働時間が8時間未満の場合は、法定労働時間(8時間)を超えた部分の時間

週の残業時間について、割増対象か対象外かを判定する

次に週あたりの残業時間について、25%の割増対象かどうかを判定します。

まず、週あたりの割増対象時間を計算します。

  • 所定労働時間が40時間以上の場合は、所定労働時間を超えた部分の時間
  • 所定労働時間が40時間未満の場合は、法定労働時間(40時間)を超えた部分の時間

この数字と先ほど算出した「日々の割増対象となる残業時間の合計」を比較し、どちらか多いほうがその週の時間外割増対象時間となります。

月全体の残業時間について、割増対象か対象外かを判定する

最後に1ヶ月全体について、割増対象の残業時間があるかどうかを判定します。

あらかじめ計算対象の月について、先ほどの方法で算出した割増対象時間を合計しておきます。

次に、実際の労働時間からその月の法定労働時間を引いた時間を算出します。

この数字と先ほどの計算で算出した合計を比較し、どちらか多いほうが時間外割増賃金の対象時間となります。

月間変形労働時間制でも深夜や法定休日の割増賃金は必要

オフィスで仕事中の女性

月間変形労働時間制は、日単位や週単位、月間での労働時間をもとに、時間外割増賃金が発生するかどうかが決まる制度です。

その一方で深夜や法定休日に勤務した場合の割増賃金は、時間外割増賃金と別の話です。

このため深夜や法定休日に働いた場合は、別途割増賃金が支払われることになります。

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土日休みの企業では残業代削減目的で使われる場合も

月間変形労働時間制を導入することにより、ただちに残業代の削減とはなりません。

しかし1ヶ月のなかに忙しい日と暇な日が混在するような職場では、この制度を導入することで残業代の削減が可能となります。

また月間変形労働時間制では、祝日が増えても法定労働時間が減少しないことも特徴です。

例えば5月や9月など祝日が多い月では、1日の所定労働時間を長く設定することで時間外割増賃金を少なくすることができます。

このため土休日が休みの企業において、残業代の削減目的でこの制度を導入する場合もあります。

残業代が合っているか毎月自分でも確認しよう

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月間変形労働時間制を採用している場合、残業代の計算は面倒なものです。

しかし働く人にとってお金は大切ですから、制度をきちんと理解しておくことは大切です。

もしかすると間違いがあるかもしれませんからご自身でも毎月計算し、不明な点があれば会社に問い合わせましょう。

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