結婚はとてもステキなことですが、現実問題としてお金がたくさんかかります。
役所に婚姻届を出すだけならお金はかかりませんが、一生に一度と考えると、なにかとお金をかけたくなるものです。
婚約指輪をはじめ、結納、挙式会場、新婚旅行、新居への引越し・・・いくらお金があっても足りませんね。
「愛さえあればなんでも乗り越えられる!」
というのはドラマやアニメの世界だけの話。
結婚に備えてどれだけ費用がかかるかを事前に把握しておくことは、余裕ある新婚生活を送るうえでとても大切です。
お子さんが生まれるとなると、なおさら出産や子育てにお金がかかりますよ。
このページでは、結婚に伴う出費と転職を考えるべきタイミングについて詳しく解説します。
近いうちに結婚を考えている方、今の給与に不満を感じている方は、ぜひご覧ください。
結婚するうえで必要な主な費用
一般的な結婚の手順をふむ場合、どれくらいお金がかかるか知っていますか?
かつて「婚約指輪は給料3ヶ月分」といわれた時代もありましたね。
結婚情報誌大手のゼクシィが2017年に行った調査をもとに、婚約から結婚にかけて発生する主な出費について確認していきましょう。
婚約指輪や結納金で150万円が必要
あなたはもう婚約を済ませていますか?
結婚に関する費用は、婚約からスタート。
結納をするかどうかは地域柄や親の考えが大きく影響しますが、以下の合計額は平均150万円といわれています。
- 婚約指輪
- 結納金・結納品
- 結納会場費
婚約指輪は平均で35.4万円、結納金は平均で91.2万円と、結婚する前から大きな出費が発生することに。
「うちは結納なんてしない」
という場合でも、婚約指輪だけでまとまった金額が消えていきます。
10万円前後でも指輪は十分買えますが、「もっと高いものが欲しかった・・・」とこの先ずっと妬まれる覚悟はしておきましょう。
披露宴は250万円以上かかることも
結婚に関する費用でもっとも高額になるのは、そうです挙式代です。
実は挙式自体の費用は平均で30.4万円と、イメージほど高額ではありません。
では何にお金がかかっているのかというと、披露宴の費用です。
披露宴は豪華な演出や料理が振る舞われることもあり、料理だけで122.6万円(平均で65名分)、全体では約267万円かかるといわれています。
さらに、写真やムービーの撮影費用として平均56.8万円がかかることに。
もちろん会場や参加人数、料理のグレードによって費用はピンきり。
費用を抑えることもできますが、あまりにケチってしまうのも考えもの。
「祝儀で3万も払ったのに、あの料理はないわ・・・」
「今まで参加した結婚式のなかで一番しょぼかったね・・・」
なんて陰口をいわれるのはイヤですよね。
いただいたご祝儀は半返しが一般的
「披露宴で300万かかっても、ご祝儀で半分はまかなえる!」
と考える人も多いでしょう。
北海道などの地域は会費制の結婚式が多いですが、首都圏などはご祝儀を持参することが一般的。
参加者が多いほどご祝儀も多額になりますし、事実、ご祝儀として受け取れる金額は平均230万円にのぼります。
しかしながら、ご祝儀は半返しすることがマナー。
すべての金額を使い込まないように注意しましょう。
結婚式場の費用は前払いが多い
もうひとつ注意すべき点として、結婚式の諸費用は挙式の1週間から1ヶ月前までに支払わないといけないことが多いです。
「祝儀をもらってから披露宴代を支払えばいいや」
というわけにはいかないのです。
そもそもご祝儀は出席者の好意でいただくものですから、あまりあてにしないことをおすすめします。
1人あたり3万円もらえると試算していても、2万円しか入っていなかったり、体調不良で欠席する人が出てくることも。
貯金に余裕がなくてすぐに支払いができない場合、親族に借りたり、銀行などのブライダルローンを使って借入をすることに。
披露宴会場を探すときは、必ず支払いタイミングについて確認しておきましょう。
結婚式後の新生活にもお金がかかる
結婚式は、新しい生活を始めるスタートにすぎません。
結婚式後に控える新婚旅行や、その後の生活にもお金がかかります。
これらの費用についても2017年にゼクシィが行った調査をもとに詳しく見ていきましょう。
新婚旅行の費用はもちろんお土産代も必要
新婚旅行はどこに行くか、もう決めていますか?
行き先によって値段は大きく異なりますが、新婚旅行の平均額は60.8万円といわれています。
「なんだ、想像したほど高くないじゃん」
と思った方もいるのではないでしょうか。
海外にこだわらないのなら、20〜30万円で十分贅沢ができるでしょう。
ただ、忘れてはいけないのは新婚旅行のお土産代です。
有給を使って新婚旅行にいったときはとくに、少なくとも同じ部署の上司や同僚にはお土産を渡すのがマナー。
お土産代だけで平均10.9万円と、かなりの金額となりますから油断できません。
新居への引越しも敷金などの費用がかかる
すでに同棲をはじめているのなら気にする必要はありませんが、新居への引越しもまとまったお金がかかります。
仲介手数料や敷金、夫婦それぞれの引越し代と考えていくと、これまた30〜40万円の出費に。
借りる部屋が広かったり、持ち込む荷物が多かったりすると、さらに費用は膨らんでいきます。
2人で寝られる大きめのベッドを買ったり、新しいカーテン、ファミリーサイズの冷蔵庫など、家具類の新調にもお金がかかります。
当面は2人とも布団で寝る、小さめの冷蔵庫でやりくりするなど、節約方法を工夫してみることも大切です。
出産や子育てを見越した貯金も必要
新居への引越しも無事に終わって、ようやく一安心・・・とはいきません。
「なるべく早く子供がほしい!」
となった場合、子育てに向けたお金も必要になっていきます。
既に妊娠している場合はとくに、出産に向けた準備を早々にはじめていかないといけません。
「子供はできれば2人欲しい」
「3人いたほうが賑やかで楽しそう」
と考えていくと、いろいろ準備すべきことも増えていきます。
「しばらくは夫婦2人でのんびり過ごすつもり」
と考えている方も、将来に向けてどれくらいお金がかかるのか知っておきましょう。
出産には数十万円の費用がかかる
出産にもお金がかかることは知っていますか?
正常分娩の場合、健康保険は適用されないのです。
1回の妊婦健診につき3,000円~1万円の費用もかかります。
厚生労働省では14回の受診を推奨していますから、出産までの検診だけで10万円前後の出費に。
また、2016年にリクルートマーケティングパートナーズが発表した「出産・育児に関する実態調査2016」によると、出産時の入院・分娩費用は平均で42.5万円。
もっとも、出産すると「出産育児一時金」が支払われます。
出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産された時に協会けんぽヘ申請されると1児につき42万円が支給されます。
※多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給されます。
引用元:全国健康保険協会 子どもが生まれたとき
出産育児一時金は42万円ですから、出産時の費用はこの一時金でほとんどをまかなえるでしょう。
出産前後は夫の収入が頼りになる
検診や分娩費用以外にも、ベビーベットや哺乳瓶、衣類、おむつなど、なにかと費用がかさみます。
結婚当初は共働きで家計を支えていても、出産間近になると奥さんは働くことができません。
産休・育休中は給与をもらえない企業が多いですから、夫の収入だけで生活していくことに。
共働きを想定して家賃の高い家に住んでいると、出産後しばらくは贅沢できなくなりますね。
初産の場合はとくに、出産後しばらくは子育てで仕事のことなんて考えられなくなります。
妻と子どもを不自由なく生活させられるように、夫が頑張ってお金を稼がないといけないのです。
子育てにも多額の費用がかかる
出産は、長い子育てのはじまりです。
ご想像の通り、子育てにはお金がかかります。
子どもが社会人として自立できるまで、子育てにかかるお金は軽く1,000万円を超えるといわれています。
私立の小学校や高校に進学したり、学習塾や習いごとをはじめると、ますますお金が必要になりますね。
子供が2人、3人と増えると、もちろん出費も倍増していきます。
子どもたちにひもじい思いをさせたくないのなら、しっかりとお金を稼がないといけないのです。
転職すべきベストなタイミングとは
「毎年着実に給料が上がってるし、結婚後は家族手当ももらえるし、将来安泰♪」
という方は転職の心配をする必要はありません。
せいぜいクビにならないように頑張って働いてください。
「今の年収じゃ結婚後の生活がちょっと苦しいかも・・・」
「毎日頑張って働いているのに、ちっとも給料が上がらない・・・」
今の会社で働き続けることに未来を感じられないなら、真剣に転職を考えてみてください。
とはいえ結婚を機に転職するとしても、新婚生活が落ち着いてからがいいのか、入籍前に転職すべきなのか迷ってしまいがち。
ここからは、転職を考えるべきタイミングについて詳しくご説明します。
独身男性のほうが有利になることも
結婚後の生活を考えて転職するなら、なるべく早く一歩を踏み出しましょう。
なぜなら配偶者がいる男性よりも、独り身の男性の方が選考で有利になることがあるからです。
似たようなスキル・経歴の候補者が2人いた場合、1人が独身男性でもう1人が妻子持ちだとすると、あなたはどちらを採用しますか?
評価に大きな差がないと、独身男性を優先したがる会社は少なくありません。
家族手当をはじめ、既婚男性に対する手当が充実している会社はとくに、なるべく人件費を抑えたいのが本音。
籍を入れる前に、新しい職場を探しましょう。
条件面や福利厚生はくまなくチェック
転職先を探すときは、給与以外の条件面もくまなく確認しましょう。
とくに昇給制度は要チェック。
今は手取りが多少低めでも、将来的な年収アップを見込める会社は有望株。
家族と過ごす時間を大切にしたいなら、月の平均残業時間や年間休日も重要ですね。
ほかにも家賃手当や家族手当など、福利厚生についても制度が整っているかを必ずチェックしておきましょう。
せっかく転職するのなら、少しでも条件の良い会社で働きたいですよね。
転職エージェントをうまく活用しよう
中途採用の求人を探すだけならdodaやリクナビネクストで十分ですが、よりよい条件の会社へ転職したいなら転職エージェントも活用しましょう。
職務経歴書の添削や面接対策を受けられるほか、優良企業の非公開求人と出会えるチャンスも広がります。
なにより細かい条件面を代わりに確認してもらったり、入社前の条件交渉を任せられるのは大きなメリット。
直接採用担当者と交渉するのは勇気がいりますよね。
披露宴や新婚旅行をケチりたくないなら、少しでも良い条件で入社できるように、使えるものはすべて使い倒しましょう。
次の職場を見つけてから退職すべき
最後にひとつだけ、転職活動は在職中からはじめてください、絶対に。
トントン拍子で転職先が見つかればいいですが、なかには半年以上転職活動が長引いてしまう人もいます。
結婚を控えているタイミングで、数ヶ月も収入が途絶えるなんて絶対に避けたいですよね。
転職エージェントに相談に行ったり、求人を探すだけなら仕事をしながらでも十分できます。
入社時期の調整も柔軟に対応してくれる会社が多いので、内定をもらってから上司に退職の意思を打ち明けましょう。
すでに転職先が決まっているとなれば、上司としてもあなたを無理に引き止められなくなります。
まずは情報収集だけだとしても、一歩を踏み出してみてください。
収入が不安なら家族のために転職の検討を
結婚はとても喜ばしいことですが、結納や披露宴、新婚旅行など、なにかとお金がかかります。
新婚生活がはじまってからも、子供を育てていくことを考えると、いくらお金があっても足りません。
今の収入に不安を感じているのなら、早めに一歩を踏み出してみてください。
いろいろなものを切り詰めて節約生活を続けていくのは精神的な負担が大きく、家庭が暗い雰囲気になりかねません。
笑顔の絶えない明るい結婚生活を送っていきたいのなら、十分なだけの生活費を稼ぐ必要があります。
収入に余裕が生まれれば、月に1回は雰囲気の良いお店でディナーを楽しんだり、年に1回は夫婦で海外旅行を楽しむこともできるでしょう。
子供が生まれてからも、夏休みや年末年始には子供の行きたい場所に遊びに行けますよ。
理想の生活を実現するために、今あなたは何をすべきなのか。
ぜひじっくり考えてみてくださいね。