通勤中のビジネスパーソン

地方出身者にとって、上京するか、地元に残るかというのは大きな選択です。

東京に住んで働いてみたいという気持ちはあっても、なかなか一歩踏み出せない方が多いのではないでしょうか。

今回は、そんな方のために東京で働くことのメリット・デメリットをまとめていきます。

上京や東京の会社への転職を迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

東京で働くことのメリット

都心の高層ビル群

まずは、東京で働くことのメリットを解説していきます。

憧れだけではなく実質的なメリットを知ることで、転職面接の時に上京したい理由を説明しやすくなりますよ。

中途採用の求人が圧倒的に多い

東京は、企業の数が多いぶん求人も多いです。

特に新卒採用だけではなく中途採用の数が多いので、希望の条件の仕事を探していると自然と東京の企業に行き着くということも。

また、一度東京で就職して失敗したとしても、求人数が多いので次の転職先が見つけやすいです。

地方よりも働き口が圧倒的に多いということは、上京する大きなメリットになります。

地方と比べて給与水準も高め

厚生労働省のデータでは、2018年度の東京の大学新卒者の平均初任給は約21万4,900円。

対して地方のランキング最下位である沖縄は、17万5,200円。

本州のみでいうと、最低額は鳥取県の18万3,200円です。

東京と地方では、だいたい3万円〜4万円ほど賃金格差があるということに。

初任給でも差はありますが、年齢を重ねるごとに東京と地方の賃金差は開いていきます。

もちろん、東京の方が家賃や物価が高いなど生活にお金がかかる側面もあるのですが、同じ仕事をするならもちろん給与が高いに越したことはありません。

特に実家に仕送りをする方などは、給与が高い東京に出ることにメリットがあるはずです。

遊べる場所が多く出会いも豊富

地方では、遊べる繁華街は県内に数ヶ所、しかもあるのは小さなショッピングビルに、チェーンの居酒屋とカラオケだけ…ということも少なくありません。

しかし東京では、新宿・渋谷・六本木・池袋・銀座…などなど、挙げきれないほど性格の違う繁華街がたくさんあります。

グルメもレジャーも最新のものが揃い、体力さえあれば遊びには事欠きません。

また、意外と盲点なのが、東京には美術館や博物館が多く、大きな企画展もほぼ東京でしか行われないということ。

企画職やクリエイティブ職など、仕事にアイデアが必要な方は、東京にいた方が絶対に刺激が多く、発想が豊かになりますよ。

もちろん人の数も多いので、恋人・友人・仕事の繋がりなど、出会いも多くて人脈が豊かになります。

東京で働くことのデメリット

満員電車に揺られている社会人たち

華やかに見える東京の生活ですが、もちろんメリットばかりではありません。

上京前には意外と見えない、東京で働くことのデメリットをご紹介します。

通勤ラッシュがえげつない

東京の朝の通勤ラッシュはもはや名物になり、海外からの旅行客が観光として体験しにくるほど。

東京圏の通勤者は、約793万人と言われています。

なかなか想像しにくい数ですが、例えば日本で最も人口が少ない鳥取県民は約57万人。

全鳥取県民の13倍もの人数が毎日都内の電車に乗っていると考えると、地方と比べた時の凄まじさがわかるのではないでしょうか。

都内は駐車場の料金も高く、車を持つのは難しいですから、東京で働くならえげつない通勤ラッシュに耐えるのが必須といえます。

転職活動で東京に行く時は、昼間の空いている電車だけではなく、朝夕の通勤ラッシュを体験してみるといいかもしれませんね。

ブラック企業も少なくない

東京は企業の数が多い分、ブラック企業も少なくありません。

上京したい一心で「東京の会社ならなんでもいい」と転職を決めてしまうのは失敗の原因です。

遠方だと企業研究も大変かとは思いますが、ネットの口コミを参考にしたり、面接時にしっかりと社内の様子を見てブラック企業を回避しましょう。

面接時の短時間でも、オフィスの様子や社員の表情を見るだけでわかることもあるはずです。

上京するうえで必要な出費

通帳を持ちながら顔を歪ませている若い男性

いざ上京を決めた場合、心配になるのは転居にかかる出費。

東京に住まいを構える場合、平均でどれくらいの初期費用がかかるのかを計算していきます。

都心エリアは家賃が高い

東京で部屋を借りる場合、場所によって家賃相場が大きく異なります。

例えば繁華街に近く、どこにでもアクセスがいい港区・中央区・渋谷区などの都心エリアでは、狭いワンルームでも家賃8万円〜が相場。

しかし江戸川区・葛飾区・練馬区など、都心から離れて千葉・埼玉寄りなら、広さなどは同じ条件で5〜6万円の物件もあります。

23区内にこだわらないなら、市部や千葉・埼玉・神奈川のベッドタウンで物件を探すのもおすすめです。

しかしこのエリアでも、3万円前後の家賃で十分良い家に住めるという地方出身者からすれば驚きの家賃かもしれませんね。

引っ越しにかかる主な費用

地方から上京する時、引っ越しにかかる主な費用は以下の通りです。

今回は、仮に家賃6万円の物件に住むとして計算してみましょう。

  • 家賃:6万円
  • 敷金:6万円(家賃1ヵ月分が相場)
  • 礼金:6万円(家賃1ヵ月分が相場)
  • 仲介手数料:3万円(家賃半月分が相場)
  • 火災保険料:1万5,000円
  • 鍵交換代:1万5,000円
  • 引っ越し費用:6万円(単身・長距離移動の場合の相場)

大まかな計算ですが、これで合計30万円になります。

もちろん敷金・礼金は0という物件もありますし、ペット可物件など相場より高い場合もあります。

また、引っ越し費用は業者や荷物の量、移動距離、時期によっても幅があります。

地方から東京に上京するには、単身の場合でだいたい家賃5ヵ月分程度の初期費用がかかると思っておくといいでしょう。

2~3月は家探しのピーク

2〜3月は、4月からの就職・転職に向けて家探しをする人が多くなります。

条件のいい物件はすぐに埋まってしまいますし、引っ越し業者の料金も年間のピークになる時期です。

地方から上京して転職する場合、入社日までには住む家を用意し、できれば荷物の整理も済ませて落ち着いておきたいですよね。

新卒者はともかく、中途の場合は前職との兼ね合いもありますから、上京を決めたら転職活動と並行して家探しもしておかなければいけません。

転職で上京するときの注意点

オフィス街を歩く爽やかな社会人女性

それでは、上京して転職したいとき、どんなポイントに気をつけて転職活動をすればいいのでしょうか。

押さえておくべき注意点について、解説していきます。

上京する理由が問われる

特に中途採用で上京する場合、東京で仕事を探している理由は必ず聞かれると思っておいていいでしょう。

「なんとなく東京に住みたいから」でOKという企業もないとは言えませんが、しっかりした理由を持っておく方が安心です。

「東京の方が収入がいいから」「地元には仕事がないから」「親元から離れて自立したいから」など正直な理由でも、もちろん良いでしょう。

しかしそういった理由だと、面接担当者に「それなら我が社でなくてもいいのでは?」と突っ込まれてしまいかねません。

そのため上京の理由を聞かれたら、「上京したい理由」と「東京にたくさんある企業からその会社を選んだ理由」を合わせて答えるのがおすすめです。

面接の交通費は自己負担

スカウトやヘッドハンティングされたのではない限り、基本的に面接に行くための交通費は自己負担です。

もちろん泊りがけの場合は宿泊費も負担することになり、上京して就職が決まるまでに平均27.7万円の費用がかかったというデータも。

ただし会社によっては一定額の交通費が支給されたり、最終面接は全額負担というケースもあります。

しかし基本的には交通費は出ないことがほとんどなので、「貰えたらラッキー」くらいの気持ちで転職活動に臨みましょう。

間違っても、逆質問で「面接の交通費は出ますか?」なんて聞いてはいけません。

平日の面接は有休を活用

土日休みのオフィスの場合、面接のためだけに休日出勤してくれる人事担当者はなかなかいません。

地方の企業で働きながら転職活動をする場合、面接のために休みを取って上京する必要があります。

転職活動していることは会社に知られたくないですが、有給は理由を言わなくても取得できます。

しつこく聞かれたら他の理由でごまかしてもいいので、なんとか指定の日時に有給を取りましょう。

並行して複数の企業の面接を受けている場合は同じ日に合わせたり、前日や次の日を移動に当てられる月曜日・金曜日を面接日に設定すると、有給消費が少なく済みますよ。

退職前から転職活動を進める

転職活動は退職前から進めるのが正解です。

上京を考えているときはとくに、すぐに転職先が見つからない可能性も考えておきましょう。

ひとつの目安として、転職したい日の3ヵ月前には行動開始することをおすすめします。

「3ヵ月前から動くなんて、さすがに早すぎるのでは」

と思われる方もいますが、書類選考への応募から最終面接の合否結果が届くまで2ヶ月近くかかることもザラにあります。

内定をもらった状態で退職日を迎えられれば、引っ越しの準備なども余裕をもって進められますから、早め早めに準備を進めていきましょう。

年齢が上がるほど難易度アップ

「上京したい」という理由だけの転職は、年齢が上がるごとに難易度がアップします。

10代や20代のうちなら、なんの当てもなく上京しても若さだけで乗り切れるかもしれません。

しかし、30代・40代と年齢を重ねるにつれ転職市場での価値は下がり、マッチする求人の数も少なくなります。

どうしても上京したいなら、「いつかは」と夢見ているのではなく早めに決断しましょう。

全国規模のエージェントを頼る

都心の中途採用求人は転職サイトでもたくさん見つかりますが、転職エージェントも積極的に活用しましょう。

あなたの経験を発揮できる非公開求人と出会えるチャンスもありますし、面接対策にも協力してもらえます。

ただ、転職エージェント各社の拠点も都市部に集中しているのが現実です。

転職エージェントを利用するときは、できるだけ大手の会社を頼りましょう。

リクルートエージェントのような全国規模のエージェントなら、都心の求人だけではなく地元で働くという選択肢も検討できるので効率的です。

上京すべきかまだ迷っている方も、今後のキャリアをどう築いていくべきかカウンセリングでじっくり相談してみてください。

転職で上京するなら計画的に

横断歩道を歩くスーツ姿の男性

地方に住みながら東京で転職活動をするのは、体力的にも金銭的にも大きな負担です。

面接にかかる有給の日数や、転職活動・上京して住み始めるため資金も、数年前から計画して貯める必要があります。

東京に住みたい気持ちが強いなら「いつかは上京したい」とぼんやり憧れるのではなく、期日を決めて仕事探しや貯金に取り組みましょう。

決心するのが遅れるほど、上京して転職する難易度は高くなってしまいますよ。

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