転職活動で面接を受けに行くとき、もし時間帯を選べるのであれば、あまり遅い時間帯は選ばない方がいいです。
理想は午前中、それが無理なら午後一番。
ほとんどの場合、面接を受けに行く応募者から面接官を指名したり、選んだりすることはできません。
どんな面接官が出てくるかわからないからこそ、リスクを最小限にできる時間帯を選ぶことをおすすめします。
ではなぜ、遅い時間帯の面接を選ばないほうがいいのでしょうか。
面接官なんて極普通のサラリーマンの一人
大前提として知っておくべきこととしては、面接官と言ってもその辺を歩いているサラリーマンの一人なんです。
当たり前のことですけど。
適切な教育を受けて、みっちり訓練された面接官なんて採用担当者100人につき1人くらいです。
1日で10人、20人を面接しようとも合否判断の基準がブレず、最初から最後まできっちりと面接できる人。
規模の大きな会社には1人くらい、面接の猛者みたいなベテラン採用担当者がいますね。
ほとんどの場合、面接官は素人。
社長に指示されて渋々採用担当をやっている人もいれば、社内の何でも屋になっている総務担当、急遽採用担当者が外出してしまい臨時で面接を担当することになった人もいます。
遅い時間帯の面接は単純に疲れている
1日で複数の面接を受けた日は、どっと疲れますよね。
実は面接をする側も、とても疲れるのです。
応募者の話すことに集中して耳を傾けないといけませんし、一挙手一投足を見逃さないようにしていますし、質疑応答では簡潔に分かりやすく回答しないといけません。
神経を常に張り詰めている状態で20分や30分を過ごすわけです。
それが1日に何度もあったら、夜にはもうヘロッヘロですよ。
仕事の都合で、どうしても19時や20時など、夜の時間帯に面接をすることもあると思います。
面接官が9時から出勤していた人だった場合、以下のような可能性も考えておく必要があります。
集中力の続かない遅い時間帯の面接

今日はご来社ありがとうございます。面接を担当します**君です。(このセリフ今日何回目だよ…他の仕事もまだ残っているし、早く終わらせたい…)

こちらこそ本日はお時間を割いていただき、誠にありがとうございます!精一杯自分をアピールさせていただきたいと思いますので、宜しくお願いいたします!!

(今日スマホゲームのイベントだし、帰ったらやらないとな…)あ、はい、宜しくお願いします。(やべぇ聞いてなかった…)
疲れがたまっているときは集中力が切れますし、どれだけ一生懸命自分をアピールしても、ちっとも伝わっていないこともあります。
ひどい面接官だと応募者が話している時に、うとうと眠そうにする人も。
そんなろくでもない会社はお断りだ!ときっぱり割り切れるなら問題ありませんが、志望度の高い会社だった場合はそうはいきませんよね。
しっかりと自分の魅力を伝えていかないといけません。
面接官は先に会った人の影響を受けやすい
他にも気をつけるべきことがあります。
夕方や夜の時間帯に面接に行く時、面接官はあなたより先に面接した人の影響を受けている可能性があるということです。
これは対比誤差と呼ばれます。
本来合格にすべき人だったのに、先にあった人の評価が飛び抜けて高いと、次にあった人の評価が低く思えてしまうのです。
例えば朝一の面接に来た方が以下のような人だった場合、次に会う人の評価はどうなるでしょうか。
朝9:30からの面接

あなたのアピールポイントを教えてください。

圧倒的な行動力です。1日で50件以上の新規訪問を続け、今まで月の目標を達成できなかったことはありません。コンペの勝率は90%を超えていましたし、昨年の年間個人売上は30億円を超えました。常に競合の先を行くことを考え、同僚よりも圧倒的に行動することで、誰にも負けない成果を出し続けてきました。これからもこの行動力を持って御社にも貢献していきたいと考えています。

採用です。(この人やべぇ…)
朝10:30からの面接

あなたのアピールポイントを教えてください。

コツコツと努力できることです。正直に申し上げると、人に勝る飛び抜けたスキルは持ち合わせていません。しかし成果を出すために必要な努力を地道に続けることには自信があります。昨年取得した資格の勉強もそうですし、小学生から続けている書道もその一つです。御社に入社してからも、一つ一つ努力を積み重ねて、1日でも早く成果の出せる人間になりたいと考えています。

わかりました、ありがとうございます。(さっきの人と比べたらなんか地味だな…目の周りも黒いし、不合格にしておこうかな…)
これはあくまで一例ですが、最初に会った人の印象が強く、次に会った人の評価に影響を与えてしまっています。
面接とは本来絶対評価で判断すべきものです。
採用人数が少数の場合、最終的に誰に内定を出すかを判断する場合などは、相対的な評価に基づいて判断することもあります。
前の人がよかったから、反対に前の人がひどかったから、という印象に左右されて合否を判断してはいけないのです。
面接官には常にニュートラルな状態で応募者を向き合うことが求められますが、たまたま面接を任された人に、そこまで求めるのは正直酷ですね。
どんな企業も面接は一発勝負!失敗はできません
タイミングよく朝一番の面接を予約できたとしても、その面接を突破できるかどうかはあなた次第です。
早い時間帯の面接を選ぶことは、合格率を上げるためのひとつの要素に過ぎません。
本命企業の面接できちんと自分を評価してもらうためには、面接の練習をしておくなどの事前準備が大切です。
面接になるとどうしても緊張してしまってうまく話せない…という方は、転職エージェントをうまく活用しましょう。
たとえば最大手のリクルートエージェントの場合、面接官の立場をシミュレーション体験できる面接力向上セミナーを定期的に開催しています。
受講者の99%が「大変満足」または「満足」と回答している人気セミナーです。
面接に苦手意識がある方は、本命の会社の選考を受けに行く前に受講を検討してみてはいかがでしょうか。
どんな企業も面接は一発勝負、失敗したら次はありませんよ。
転職活動で面接を受けに行くなら早い時間帯
誰に面接されるかわからないからこそ、疲労の蓄積や先に面接した人の評価に影響を受けるなどのリスクを最小限にするためにも、面接は早い時間帯で受けに行くべきなのです。
とは言っても、在職中の方だったりすると日中は身動きが取れないことも多いので、どうしても夜の時間帯での面接になってしまいますよね。
そういう時は、経験豊富な面接官に担当してもらえることを祈るしかありません。
祈りましょう、精一杯。
土日でも面接に対応してくれる会社の面接を受けに行く時や、平日の日中の予定を調整できる方であれば、午前中または午後の早い時間帯で面接に受けに行くことをおすすめします。
一度きりの面接で失敗しないように、万全の準備で臨みましょう。
あなたの転職活動がうまくいくことを願っています。