転職の面接は、何度経験しても緊張してしまうものです。
そんな面接の時、担当の面接官が感じの悪い人だと気持ちが沈んでしまいますよね。
面接官は、求職者が初めて会う、企業の顔となる存在です。
そういった自覚がなく、勘違いして調子に乗ってしまう面接官は意外に多いのです。
今回は、面接官が調子に乗ってしまう理由や、勘違いしている面接官の特徴をご紹介していきます。
面接官が調子に乗ってしまう理由
まずは、面接官が調子に乗りがちになる理由を解説します。
理由がわかれば嫌な感じの面接官にもあまり腹を立てずに面接を乗り切れるかもしれませんよ。
適切な教育・指導を受けていない
面接には特殊な技能が必要なわけではないので、一見誰でもこなせそうに思えます。
そのため「良さそうだったら採用して」と、適切な教育を受けずいきなり面接官を任されてしまうケースも。
勘違いしている面接官の中には、応募者にどのように接していいのかそもそも知らないという人もいるのです。
もちろん、知らないからといって不遜な態度が許されるわけではありません。
しかし嫌なことを言われても「教育が足りていないのだ」と思えば、少しは溜飲が下がるかもしれませんね。
合否判断を任されて良い気になる
面接官は、応募者を入社させるか否かの決定権を持っています。
そのため応募者に対して優越感を抱き、上から目線の態度になってしまうのです。
もちろん上から目線だからといって、実際に面接官が応募者より偉いというわけではありません。
腹を立てたり、萎縮しても仕方がないので、上から目線の面接官には「良い気になってるな」と冷静な気持ちで面接に臨みましょう。
選ばれるのが当然と思っている
面接は、企業側が応募者を見るとともに、応募者が企業の実情を見極める機会でもあります。
しかし合否を判断するのは企業側なので、そのことを忘れてしまう面接官もいるのです。
先にも解説した通り、面接官は応募者にとって企業の顔となる存在です。
それを忘れて調子に乗ってしまう面接官は、正直有能とは言えません。
こういった人に何を言われても真に受ける必要はないので、もし面接がうまくいかなくても気にしすぎないようにしましょう。
勘違いした面接官によくあるケース
それでは、勘違いした面接官によくあるケースをご紹介していきます。
もしこういった面接官に出会ったら、その企業は要注意かもしれません。
価値観や考え方を押し付けてくる
自分の考えを精一杯話したのに「それは違う」と一蹴されてしまったり、「考えを改めなければ入社させられない」と上から目線で言われたり。
面接に乗じて、価値観や考え方を押し付けてくる面接官がいます。
そもそも面接は、企業に合った人材を見極めるための機会であって、候補者が企業の理想に沿うよう矯正する場ではありません。
価値観や考え方を変えろと迫るような面接官は、自分の立場に調子に乗って言いたいことを言っているだけです。
そのような面接がまかり通っている企業は、ブラック企業の可能性大。
もし合格したとしても、面接の様子がおかしい企業は内定辞退した方がいいかもしれません。
自分勝手なアドバイスをしてくる
調子に乗っている面接官は、求職者にアドバイスをしたがるのも特徴です。
「他の会社の面接では、もっとハキハキ喋った方がいいよ」
「あなたの経歴では、この職種は難しいと思いますよ」
など、面接で一度会っただけの人に上から目線で言われるのは、はっきり言って余計なお節介です。
しかし「(今回は通しますが、役員面接の時には)その答えでは不十分だと思う」など、ぜひ合格して欲しいからこそ出ているアドバイスも。
面接官に言われたアドバイスは、その意味を読み解いて、身になるものとならないものを見分ける必要があります。
SNSで調子に乗った発言をしている
企業によっては、採用担当がSNSで会社をPRしていることがあります。
東日本大震災発生時、某鉛筆関連企業の採用担当が被災者の就活生に対して上から目線のメールを送り、炎上したのも記憶に新しいです。
また、面接官が私的なSNSで面接の内容や応募者を晒し、調子に乗った発言をしているケースも。
名刺交換で面接官の本名がわかれば、すぐに検索でSNSがバレてしまう時代です。
面接自体は普通でも、事後にそういった発言がわかった場合、リテラシーの低い社員がいる企業への入社は少し考えた方がいいかもしれません。
面接官と応募者の壁を越えてくる
面接中「恋人はいるの?」など仕事に直接関係のない質問をして、面接官と応募者の垣根を越えてくるケースがあります。
面接でなぜか私的な連絡先の交換を求めたり、履歴書で得た情報を悪用して連絡してくる悪質な面接官も。
自分が合否の決定権を握っているという立場を元に、優位な関係を築こうという姿勢は、社会人として許されるものではありません。
あまりに悪質な場合は、会社や警察への通報も視野に入れて対処しましょう。
セクハラに発展したケースも
面接官やリクルーターが立場を悪用し、セクハラに発展したケースもあります。
特に新卒採用では、「面接指導をする」という名目で女子大生を自宅やカラオケに連れ込もうとする事件が起こり、過去には逮捕者も出ています。
OB訪問は会社の実情や面接対策を知ることができるため、決して悪いことではありません。
しかし面接官やリクルーターと私的に会う時には、プライベートの連絡先を教えない、密室への誘いは断るなどの自衛が必要です。
面接時の違和感を大切にすべき理由
ここまで読んで「面接官個人は調子に乗っていても、会社自体に問題はないのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、面接時の違和感こそ、失敗しない転職先を選ぶために大切なのです。
その理由について、解説していきます。
評価されやすい人の特徴がわかる
面接を任される人は、社内である程度の評価を受けている人が多いです。
そのため面接官を見れば、社内でどんな人が評価されるのかがわかります。
その人物に違和感があったり価値観が全く合わない場合、もしあなたが入社してもあまりうまく行かないかもしれません。
面接官があなたの話を否定してばかりという時も、価値観が合わないということなのでその企業は諦めた方がいいでしょう。
自分の価値観を変えるのは不可能
会社によっては、企業の理念や価値観を社員に押し付けてくることがあります。
面接で「そういう人物に変われますか?」と聞かれると、合格したさが勝って「できます」と答えてしまうかもしれません。
しかし、20年以上かけて染み付いてきた価値観は、そう簡単に変えられるものではありません。
それがあなたの個性なのですから、一企業に入社したいというだけで無理に変える必要もないものです。
そもそも、人の個性を企業が理想とする形に変えようとする会社は、まず間違いなくブラック企業です。
自分を変えなくても、あなたを受け入れてくれる会社は必ずあります。
内定を貰ったからといって必ず入社する必要はないので、面接に違和感があった企業への入社はよく考えてから決めましょう。
面接官の対応を見て慎重に見極めを
繰り返しになりますが、面接官は企業の顔となる存在です。
そのことを忘れている面接官や、それがまかり通っている会社は、あまりいい企業とは言えないでしょう。
面接は確かに緊張しますが、面接官は神様ではありませんし、合否で生死が決まるわけでもありません。
面接は応募者が企業を見極める機会でもあるので、萎縮しすぎず面接官の態度を慎重に見極めましょう。