会社を辞めるときには色々と面倒な手続きが発生します。
必ず受け取らないといけない書類、受け取らなくても問題ない書類、返却しないといけないものなど、退職時の手続きは何かとややこしいです。
とはいえ後で面倒なことになるともっと厄介ですから、やるべきことをきちんと把握しておきましょう。
そこで今回の記事では、退職時に会社から受け取るべき書類と、返却が必要なものについて詳しく解説します。
初めて退職される方は特に、参考にしてみてください。
退職時に会社から受け取るべき主な書類
会社を辞める際に会社から受け取る主な書類は以下の通りです。
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 健康保険・厚生年金保険資格等取得(喪失)連絡票
- 離職票
最終出勤日に受け取れず、後日郵送などで送られてくる書類もあります。
会社の寮や社宅に住んでいて、退職と同時に引っ越すことになる場合、転居先の住所を予め担当者に伝えておきましょう。
まだ引越し先が決まっていないような場合、一旦実家などに送ってもらうとよいでしょう。
源泉徴収票
毎年会社からもらうあの紙です。
源泉徴収票を最終出勤日に受け取れることはほとんどなく、最後の給料の支払いが終わった後に郵送で届けられることが多いです。
税金を払い過ぎていた場合、必要な手続きを済ませば還付金が戻ってくる場合もありますので、この書類はとても重要です。
翌年の住民税を計算するときも必要になりますので、絶対に無くさないようにしましょう。
転職先が決まっている場合、この書類を新しい職場の担当者へ提出してください。
例えば年末に会社を辞めて、転職先が決まらないまま年をまたいだ場合、期日までに税務署に行き、この書類を元に確定申告をする必要があります。
雇用保険被保険者証
雇用保険に加入していたことを証明するための書類です。
長細い書類なので、紛失することのないように注意しましょう。万が一紛失した場合、ハローワークで再発行の手続きをすることも可能です。
すでに転職先が決まっている場合や、会社を辞めて間もなく転職先が決まった場合、新しい会社で再度雇用保険に入ることになります。
転職先の担当の方へこの書類を提出しましょう。
年金手帳
年金に加入していることを証明するための書類、というか手帳です。
基本的に年金手帳はずっと同じものを使い続けるので、転職先が決まったら源泉徴収票などと一緒に新しい会社の担当の方へ渡してください。
転職活動が長引きそうな場合は、今まで加入していた厚生年金から国民年金に切り替える必要がありますので、市区町村の役所へ行って手続きを進めましょう。
ちなみに、当サイト管理人の場合、経緯は覚えていないのですが年金手帳を自宅で保管していました。
年金手帳は入社時に会社へ預けるのが一般的ですが、私のように自宅で保管している方は早めに見つけておきましょう。
紛失してしまったら大変です
健康保険・厚生年金保険資格等取得(喪失)連絡票
健康保険の資格を喪失しましたよ、と証明するための書類です。
退職後の健康保険については、国民健康保険に切り替えるか、これまで加入していた健康保険を任意継続するかのどちらかになります。
諸条件を満たしていれば、両親や配偶者が加入している健康保険の扶養になるという選択肢もあります。
国民健康保険に切り替えるには、市区町村の役所で手続きをすることになりますが、その際にこの書類が必要です。
離職票
会社を退職したことを証明するための書類です。
この書類はハローワークで失業手当の手続きをする際に必要となる重要な書類です。
すでに転職先が決まっている人は、ハローワークに行く必要もないため離職票は不要です。
次の仕事が見つかっていない状態で退職するときは、必ず発行してもらうようにしましょう。
ちなみに、離職票も最終出勤日に受け取ることはできません。
雇用保険の被保険者でなくなった日、つまり退職した日から10日前後で郵送されてくることが多いです。
会社によっては離職票の発行まで2週間以上待たされることもあります。
離職票がすぐに届かない理由についてはこちらの記事をご覧ください。
離職票は2種類あるので注意
離職票を受け取る際の注意点として、離職票は2種類あります。
ひとつは、雇用保険被保険者離職票-1と書かれている、A4より少し小さいサイズの書類。
もうひとつは雇用保険被保険者離職票-2と書かれているA3サイズの書類です。
ハローワークで失業保険の手続きを進めるには離職票1、2両方が必要となります。
会社によっては退職前に申請しておかないと、離職票を発行してもらえないため注意しましょう。
退職証明書の発行は必須ではない
退職証明書も受け取らないとダメなのでは…?と思われる方も多いのですが、退職証明の発行は必須ではありません。
転職先から提出を求められたとき以外、退職証明書の出番はほとんどありません。
離職票と退職証明書の違いがよくわからない…という方も多いですが、両者の違いは以下の通り。
- 退職証明書:退職したことを証明する書類、主に転職先から提出を求められる
- 離職票:失業手当の申請に必要となる書類、ハローワークに提出が必要
転職先から提出を求められないことも多いので、無理に発行してもらう必要はありません。
退職証明書については以下の記事でも詳しく解説しています。
退職時に会社へ返却が必要な書類など
会社を辞めるとき、色々な書類を受け取ることになりますが、同時に今まで使っていたものを会社に返却する必要もあります。
まずわかりやすいものとしては健康保険ですね。
基本的に退職日の翌日には健康保険の資格を喪失しているため、持っていても使えません。
退職日に返却しましょう。
社員証や名刺、使用していたパソコンなども当然ですが全て返すことになります。
通勤定期を現物で支給されていた場合、これも返却が必要です。
自宅の私用パソコンで仕事をしたり、書類を持ち帰っていた場合もあるかもしれませんが、業務に使用していたデータや書類は全て返却または削除をする必要があります。
退職時に会社の重要な機密情報に値するものを持ち出したりすると、最悪の場合、訴えられて損害賠償を請求されます。
使っていたものは潔く全部返しましょう。
健康保険証を返却する際の注意点
健康保険証を会社に返却する際は、必ず事前にコピーを取っておきましょう。
なぜなら健康保険を任意継続したいと思った際に、健康保険証に書かれた番号(赤枠部分)が必要となるからです。
健康保険を任意継続したいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
退職時の書類手続きは早めの準備が大切
退職時に会社から受け取るべきもの、返す必要があるものについて、おおよそのイメージをつかめたでしょうか。
書類の処理が苦手な人もいるかと思いますが、退職時に受け取る書類は全て重要なものばかりです。
特に失業保険の手続きには離職票が必須です。
国民年金への切り替えや、健康保険の手続きにも必要となるものが多いので、前もって早めに準備しておくことが大切ですよ。
また、既に転職先が決まっている方は問題ありませんが、次の職場が決まっていない状態で退職する方は少々危険です。
転職サイトに登録したから大丈夫♪、なんて思っていたら大間違いです。
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せっかく転職するのに、今の職場より条件が悪くなることだけは避けたいですよね。
早め早めの行動で、転職活動を成功させましょう。
あなたの転職がうまくいくことを心から願っています。