ベッドに倒れ込んでいる男性

残業80時間以上/月が2ヶ月以上続いた場合、過労死ラインと呼ばれていることをご存知でしょうか。

これは厚生労働省が指針として提示していることです。

過労死ラインを超えて働くとさまざまな心身の不調の原因となり、最悪の場合、命にもかかわります。

改善の見込みがない職場からは一刻も早く離脱することが大切です。

今回の記事では、残業80時間以上の過労死ラインについて詳しく解説します。

残業時間が多くなると過労死になりやすい理由

深夜まで働いて疲れ果てた男性

どうして残業時間が多くなると、過労死になりやすいのでしょうか。

働きすぎが体に悪いことは当たり前に思えますが、改めて厚生労働省が発表している情報を確認していきましょう。

心臓や脳、血管に悪影響を及ぼす

過労死の直接の原因となる主な病気は、心筋梗塞などの心疾患や、脳梗塞などの脳血管疾患とされています。

これらは一般的には生活習慣病とされていますが、長時間労働もその主な原因となる場合があります。

心筋梗塞などの「心疾患」、脳梗塞などの「脳血管疾患」については、その発症の基礎となる血管病変等が、主に加齢、食生活、生活環境等の日常生活による諸要因や遺伝等による要因により徐々に憎悪して発症するものですが、仕事が主な原因として発症する場合もあります。これらは「過労死」とも呼ばれます。

(中略)

恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく憎悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがあります。

脳・心臓疾患の労災認定「過労死」と労災保険|厚生労働省

上記引用の通り、ずっと残業時間が多くなると疲労が回復せず疲れがたまったままになります。

これが血管にも悪影響を及ぼし、過労死を引き起こす原因になります。

精神的な負担が自殺等の引き金になる

長時間労働が継続することにより、脳・心臓疾患を発症しなくても精神的なプレッシャーから「死にたい…」と思う場合もあります。

中には本当に自殺してしまったり、精神障害に至ることもあります。

厚生労働省が公表している『平成28年度「過労死等の労災補償状況」』によると、過労死ラインまで働いたために精神障害になり、労災が支給された件数は498件となっています。

この中には自殺や、自殺未遂に至った84件が含まれています。

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過労死の可能性が高まる残業時間について

夜中まで残業中の女性

どの程度の残業が続くと過労死の可能性が高まるかについても、厚生労働省から指針が出ています。

発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との寒冷性が強いと評価できること

(中略)

「発症前2か月間ないし6か月間」は、発症前2か月間、発症前3か月間、発症前4か月間、発症前5か月間、発症前6か月間のいずれかの期間をいいます。

脳・心臓疾患の労災認定「過労死」と労災保険|厚生労働省

つまり、以下のいずれかの要件を満たせば過労死ラインと言うことになります。

ここでいう残業時間は、残業代が払われるかどうかは関係ありません。

  • 直近の1か月で、残業時間がおおむね100時間以上
  • 直近の2か月間で、1か月当たりの残業時間平均がおおむね80時間以上
  • 直近の3か月間で、1か月当たりの残業時間平均がおおむね80時間以上
  • 直近の4か月間で、1か月当たりの残業時間平均がおおむね80時間以上
  • 直近の5か月間で、1か月当たりの残業時間平均がおおむね80時間以上
  • 直近の6か月間で、1か月当たりの残業時間平均がおおむね80時間以上

今の勤務状況と照らし合わせて、毎月どれくらい残業をしているかチェックしてみましょう。

過労死は従業員自身の問題ではない

さて実際にこのような長時間残業を継続させ、従業員が死亡するなどの事態が起きた場合、会社側からは次のような言い訳が出てくるかもしれません。

それは「他の従業員も同じように長時間残業しているのに、その従業員だけが過労死したのだから、それは本人の問題」ということです。

しかし過労死の認定において、他の従業員の健康状態は判定項目に含まれていません。

つまり他の従業員も、遅かれ早かれ過労死のリスクにさらされているということです。

そのため、他の従業員に問題がないからといって、会社の責任を免れる理由にはなりません。

万が一過労死が発生した場合に及ぼす影響

誰もいない夜のオフィスフロア

もしあなたが長期間にわたって過労死ラインの残業を行い、万が一過労死してしまった場合…

当然のことながら各方面に様々な影響が出ます。

下記に示す内容は、いずれも極力避けたいものばかりです。

最悪の結果になることだけは絶対に避けましょう。

労災認定で会社のイメージダウン

もし恒常的な長時間労働が原因で過労死となったり、病気や精神障害になった場合は、国に請求することにより労災補償を受け取ることができます。

とはいえお金を受け取ったからと言って、亡くなった人が帰ってくるわけでもなく、病気や精神障害になった場合は治療をしなければなりません。

また会社は過労死等の従業員を出したことにより、以下のデメリットがあります。

  • 労災保険料の上昇
  • 遺族や従業員本人等からの損害賠償請求
  • 会社のイメージ低下による、求人応募者の低下や退職者の増加

誰でも過労死を出した企業に勤めたくないでしょうから、応募者が低下するのは当然ともいえます。

これにより、企業存続の危機に陥る場合もあるかもしれません。

突然従業員がいなくなる影響

もしある日突然従業員が亡くなってしまったら、業務に大きな影響が起こるに違いありません。

何よりも仕事の進捗状況は本人しかわからない部分も多いですから、社内はもちろん、取引先にも多大な迷惑がかかるでしょう。

これは俗に「バックレ」と呼ばれる職場放棄よりも、本人が絶対に戻ってこないという点で重大な事態です。

働かせすぎによって招いた最悪の結果であり、むしろ職場から逃げ出してもらったほうがまだ良いともいえます。

そのため過労死になることを阻止すべく、企業は全力を挙げなければなりません。

家族へのダメージは計り知れない

過労死による最も重大な影響は、家族へのダメージといえます。

職場ならば配置転換や代わりの人材を採用する等で、何とかなるかもしれません。

しかし家族にとって、あなたはかけがえの無い存在です。

そのためあなたが過労死した場合は、残された家族の生活は厳しくなることも少なくありません。

また過労死したことは、家族に大きな心の傷を負わせることにもなります。

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過労死ラインを超えた残業は会社都合退職と同様の扱い

大量に積み重ねている書類

過労死ラインを超えた残業は、解雇と同様、特定受給資格者として扱われます。

これは、いわゆる会社都合退職と同様の扱いです。

特定受給資格者と認定されれば、ハローワークに申請してから7日後の日の分より、失業給付を受け取ることができます。

また自己都合退職よりも多くの失業給付を受け取ることが可能な場合も多いです。

特定受給資格者の扱いを受けるためには、残業した証拠を揃えておく必要があります。

退職理由の判定に使われる期間は最長でも半年ですので、過労死ラインに達した場合は早めに退職することが大切です。

また、ハローワークが認定する「過労死ラインを超えた残業による特定受給資格者」の基準は、労災認定される過労死ラインよりもやや緩くなっています。

申請方法など詳しい内容については、以下の記事もあわせてご確認下さい。

生活を守るために劣悪な労働環境から一早く離脱を

コーヒーを飲みながら遠くを見つめる男性

まず心得て欲しいことは、会社は従業員を代えてもなんとかなるが、あなた自身の代わりはいないということです。

確かに会社はともすると「お前が頑張らないと会社がつぶれる」などといって働かせることもあるかもしれません。

しかしその一方で役に立たない社員に対し、不当解雇を宣告することもあります。

「お前がいなければ会社が成り立たない」と言っていても、いざいなくなってしまえば、会社は他の要員でなんとかなってしまうものです。

その一方、あなたには家族もあり、あなた自身の生活もあります。

万が一あなたが過労死等した場合は、家族に大きな負担がかかることでしょう。

もちろん、会社に迷惑をかけることも間違いありません。

働き続けた結果として突然病に倒れそのまま働けなくなるくらいならば、予め退職の予告をして職場から離れたほうが、お互いに良い結果となります。

いずれにしても、このような職場によってあなたの命が奪われることは、絶対にあってはいけないことです。

あなた自身の生活を守るためにも劣悪な労働環境から一刻も早く離脱し、新たな職場で満足できる社会人生活を送るようにしましょう。

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