「会社の雰囲気に馴染めない・・・」
「人間関係が悪くて、職場の居心地が悪い・・・」
と感じている人は思いのほか多いですね。
漠然としているため、社内の雰囲気を理由に転職すべきか悩む人も少なくありません。
とはいえ、なんとなく自分に合わない雰囲気や、ギスギスした人間関係の中で毎日仕事をするのは胃が痛くなるようなストレスを味わいます。
このページでは、職場に馴染めない人が転職を考える前にチェックすべき項目についてご紹介します。
「新しい仕事探したほうがいいかな・・・」
と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
職場に馴染めないと悩む主な例
あなたが働いている職場は、どんな雰囲気ですか?
「職場に馴染めない・・・」と感じる原因は人によってさまざま。
まずはどのような要素が職場の雰囲気を悪くしているのか、いくつかの具体例を見ていきましょう。
あなたの職場に当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。
上司より先に帰れない
近年、若い世代の間では「規定時間内に仕事を終えられず、残業するのは恥ずかしいこと」という考えが広まりはじめています。
普通に考えれば、同じ仕事をこなすのなら短時間で終えられる社員の方が有能ですし、会社も残業代を支払わずに済むため、残業をしない社員の方が優遇されて然るべきです。
しかし、日本の会社では「上司より先に帰るのは失礼」「遅くまで会社に居る社員の方が頑張っている」という暗黙のルールが根強いのも事実。
効率よく仕事を終えられる有能な人にとっては、上司からの見られ方ばかりを気にするルールは鬱陶しいものに感じられるでしょう。
社風だけではなく上司個人の考え方にもよるため、同じ社内でも人事異動などで合わない上司の下に配属されて、急に息苦しくなってしまうということもあるかもしれません。
仕事内容や周りの人間関係に不満はなくても、無意味な残業に嫌気がさして転職を考える人はとても多いです。
殺伐としてギスギス
多くの場合、職場の雰囲気を左右しているのは人間関係です。
つらい仕事でも人間関係さえ良ければ続けていけることもありますし、人間関係が悪いばかりに他に不満のない仕事を諦めなければならない場合もあります。
自分に非がある場合には改善のしようもありますが、自分には直接関係ない人間関係のイザコザに巻き込まれてしまうなんて最悪。
周りの人間関係は、自分の努力だけで変えようとしても限界があります。
殺伐とした、嫌な雰囲気の職場に配属されてしまった時は、早めに転職や転属を視野に入れたほうがいいかもしれません。
体育会系特有の熱気
上司や先輩を極端に敬ったり、理想論や精神論を重視する、結果よりも努力を評価するなどの体育会系な社風は、合わない人にはとことん合わないものです。
体育会系な熱さというのは決して悪いことではありませんが、個人的にそれに馴染めない、好きになれないという方もいるでしょう。
しかし、それが一概に悪いものではないからこそ、そこに馴染めない自分を責めてしまってはいませんか?
性格は個々の個性なので、無理に自分も体育会系にならないといけない、ということはありません。
しかし、そういった雰囲気がすでに出来上がっている職場で、自分だけがマイペースを貫くというのも難しいものです。
自分は体育会系のノリや熱気についていけないと思ったら、雰囲気の違う職場へ転職を考えてみてもいいかもしれません。
汚くてだらしない
清潔の基準は人によって違いますが、デスクや共有スペースがあまりにも汚い、だらしない職場では、誰も積極的に働きたいと思えないでしょう。
そういった会社は、業績が悪かったり業務量が過剰で、社員たちが掃除や整理整頓に気を配る暇もないという場合がほとんど。
少なくとも複数人が働いている職場で、全員が全員、元々だらしない性格だというのは考えにくいものです。
その会社で働くうちに、そういったなりふり構わない状態になっていったと考えるのが自然でしょう。
職場が汚い会社はいわゆる「ブラック企業」の可能性も高いので、転職の面接を受ける際にはオフィスや共有スペースの清潔度をチェックしておくのがおすすめです。
常にどんより暗い
業績も人間関係も悪いわけではないのに、なんとなく暗い雰囲気の職場もあります。
積極的に喧嘩をするわけではなくても社員同士の会話が少なかったり、同僚たちが皆無気力でやる気がなかったりすると「暗い雰囲気」と感じやすいのではないでしょうか。
見方によっては「落ち着いた雰囲気」と考えることもできますが、そうではなく「暗い」と感じるならその職場があなたに合っていないということでしょう。
体育会系の職場と同様、一概に悪いことではないかもしれませんが、その雰囲気が自分に合わないなら転職を考えた方がいいかもしれません。
宗教的な社内ルール
「社訓を毎朝大声で唱和させられている・・・」
「私生活を全て犠牲にして会社に尽くすように教育された・・・」
まるでどこぞの新興宗教のような社内ルールは、いわゆるブラック企業に多くみられます。
入社したての頃はバカバカしいと思っていても、いつの間にか洗脳されて社風に染まってしまうということは決して珍しくありません。
激務で身体や心を壊して退職せざるをえなくなってから、「振り返ってみれば異常だった」と気付く人も多いですね。
業務内容や企業理念に本心から共感しているならともかく、基本的に宗教的なルールがまかり通っている会社は避けるべきです。
入社してから異様な雰囲気に気付いたら、なるべく早く転職を考えるのがおすすめです。
自分自身に原因がある可能性も
あなたが職場に馴染めないのは、果たして本当に周りのせいでしょうか?
雰囲気が重いと感じているのは、もしかするとあなたに原因があるのかも・・・
自分に非があることに気付けず、逃げるように転職を繰り返していては、いつまで経っても良い職場には巡り会えません。
ここに挙げたポイントを振り返ってみて、自分に非がないかどうか確かめてみましょう。
遅刻や欠勤が多い
遅刻や欠勤は、どんな企業でも嫌われます。
一度や二度ならまだしも、周りに呆れられるほど繰り返していれば、職場に居づらくなるのは当然。
厳密には遅刻や欠勤ではなくても、始業時間ギリギリに到着したり、仕事が残っているのに他人任せにして帰ってしまうなど、空気を読めない行動も顰蹙(ひんしゅく)を買う原因です。
時間厳守は、社会人としての基本中の基本です。
なかなか職場に馴染めないという人は、自分が基本的なルールを守れているかどうかを振り返ってみてはいかがでしょうか。
報連相ができていない
報告・連絡・相談を合わせた報連相も、社会人として基本的なルールですよね。
周りに相談も報告もせず勝手に仕事を進めてしまう人は、たとえ仕事ができたとしても周りから敬遠されがちに。
「チームワークのない人」と思われてしまうと、周りもあなたに話しかけにくく、余計にコミュニケーションが取りづらくなります。
会社に所属している以上、仕事は周りと協力しながら進めるのが基本。
自分勝手にならないように、節目節目で「報連相」という言葉を意識して仕事をしてみましょう。
言い訳や屁理屈が多い
仕事でミスをしてしまったとき、素直に謝れない人も上司や同僚から嫌われがち。
もしミスに正当な理由があったとしても、謝りもせずに説明をはじめると「言い訳」と取られてしまうことも。
このようなことを繰り返していると、「言い訳や屁理屈を聞くのが不快だから」と誰もミスすら指摘してくれなくなり、職場から孤立してしまいます。
自分に非があるときはまず素直に謝り、指摘やアドバイスを謙虚に受け止めるようにしましょう。
空気を読めていない
あなたは職場の空気を適切に読めていますか?
「空気を読む」というのはとても曖昧なニュアンスを含む言葉で、常に完璧にこなすのは誰にとっても難しいこと。
周りの雰囲気を読まずに不用意な発言をしてしまい「やっちゃった・・・」と落ち込むことは誰にでもあることです。
常に完璧に空気を読むのは無理ですが、「自分本位にならず、相手の立場に立って行動する」という基本的な気遣いを身につければ、そこまで大きな失敗はしないはず。
「私、空気を読めていないかも・・・」
と不安な方は、少なくとも会社にいる間は自分よりも周りを優先し、周りが求めている言動ができるように気をつけてみましょう。
退職を決断すべきチェックポイント
「やっぱりうちの職場はどう考えてもおかしい」
「改めて考えてみたけど、自分に非はないと思う」
職場に不満を抱えていても、退職に踏み切るべきかどうか迷ってしまう人は多いです。
とくに「雰囲気が合わない」という理由はとても漠然としているため、不安に感じてしまうのもムリはありません。
ここからは、雰囲気の合わない会社から退職すべきかどうかの基準となるチェックポイントについてご紹介します。
本当に退職すべきなのか、今の職場に残って引き続き頑張るべきなのか、じっくり考えてみてください。
自分の努力で変えられない
そもそもの社風や企業理念、自分に直接関係のない人間関係など、自分の努力ではどうにもできないことも多いですよね。
こういった原因で会社の雰囲気が合わないと感じている場合、長くそこに留まっても改善することはまずありません。
あなたひとりの力で社長や役員を動かせるだけの実力があるなら、わずかながら希望は見えてくるかもしれませんね。
あるいは重役の不祥事や業績不振などで経営メンバーが一新したり、タイミングよく大きな変化が訪れれば退職を急ぐ必要はなさそうです。
会社の雰囲気が合わず、それが自分の努力では変えられない場合には、早めに転職を考えた方が良いでしょう。
今の会社に未来を感じない
「ここ数年、毎年業績が悪化している・・・」
「もう10年近く働いているのに、ちっとも給料が上がらない・・・」
業績不振がきっかけとなって社員の士気が低下、会社全体の雰囲気が悪くなっていることもありますね。
未来を感じられない会社に長くしがみついていても良いことはありません。
今の会社に未来がないと感じたら、早めに転職活動をはじめて泥船から脱出しましょう。
体調に変化が出てきている
「会社に行こうと思うと手が震える・・・」
「家から出ようと思ったら涙が出てきた・・・」
このまま同じ会社に勤め続けるにしても、退職や転職をするにしても身体が資本です。
会社はあなたが働けなくなっても別の人材を採用すればいいだけですが、あなたはあなたが働いて収入を得ないと生活できません。
なかなか眠れなかったり、心身に変調が現れるほどのストレスを感じているなら、とにもかくにもまずは医師の診断を受けてください。
転職先を見つけることも大切ではありますが、最優先に考えるべきはあなた自身の健康です。
転職先選びで失敗しないためのコツ
「やっぱり転職することに決めた!」
「もうこんな会社辞めてやる!」
と決意するのは結構ですが、どんな会社に転職すべきか方向性はもう定まっていますか?
会社の雰囲気が合わずに転職するときは、次こそ自分とって居心地のいい職場を見つけたいですよね。
ここからは雰囲気の合う会社を探すためのコツについて詳しく解説します。
転職先選びで失敗しないためにも、じっくりご覧ください。
どんな社風がベストか考える
あなたの理想とする職場とは、どんな職場ですか?
自分に向いている職場を考えるには、今まで働いていた職場の嫌だったところを考えてみるのがおすすめです。
- 社内の人間関係に疲れたなら派閥争いのなさそうな小規模な会社
- 同僚の士気の低さが原因ならやる気のある人材が多いベンチャー企業
- ゴリゴリした体育会の雰囲気が嫌だったなら落ち着いた歴史ある企業 など
前の職場の欠点を挙げることで、あなたにとって理想の社風が見えてきます。
もちろん、実際の職場の雰囲気は配属されて働きはじめるまではわかりません。
少なくとも今までの職場と同じようなニオイのする会社を避けておけば、大きな失敗は防げますよ。
退職前から情報収集をスタート
もし同じ業界内での転職を希望するなら、競合他社の情報は退職前の方が耳に入りやすいです。
実際の社内の雰囲気や人間関係は実際に働いた経験がないとわからない部分も多いので、取引先経由でこっそり話を聞いてみたり、業界内の生の声を集めておきましょう。
具体的に転職を視野に入れはじめたら、既に転職した元同僚や学生時代の友人などにも話を聞いてみて、どの企業が働きやすそうか動いてみてください。
元同僚から「だったらうちの会社で働いてみたら? 人事担当者を紹介するよ」と声をかけられるかもしれません。
人づてで転職先を探せれば、転職サイトや転職エージェントを使うよりスムーズに選考が進んでいくことは多いです。
情報収集は決して無駄になりませんので、退職前から積極的に行動してみてくださいね。
転職エージェントで相談する
「転職について気軽に相談できる人が身近にいない・・・」
という人も多いですよね。
頼れる人が身近にいないなら、転職エージェントをうまく活用してみましょう。
転職エージェントは日々たくさんの転職をサポートしているため、業界内部の人より業界事情に精通していることも。
社風や内情について詳しく把握しているキャリアアドバイザーもいますし、社内の雰囲気を重視して転職先を選ぶなら利用しない手はありません。
「転職エージェントはなんだか面倒くさそう・・・」
と感じる人が多いのも事実ですが、どんな道具やサービスも使い方次第で大きなメリットを得られるものですよ。
面接時に社風をチェックする
書類選考を突破して面接へ進めたときは、社内の雰囲気について面接官に質問してみましょう。
ただし、「御社の社内の雰囲気はどうですか?」など漠然とした質問では面接官も答えにくいです。
- 上司と部下はどのように呼び合っているか
- 朝礼など定例で実施していることは何かあるか
- チームワークと個人プレイではどちらの割合が多いか など
あなたが気になっている点をピンポイントで質問してみることが大切です。
社内を見学させてくれる会社もありますし、面接の行き帰りにも注意を払ってオフィス全体の雰囲気を感じてみましょう。
エントランスやエレベーターホール、お手洗いが清潔かどうか、すれ違う社員たちの表情など、注意して見れば意外に参考になることも多いですよ。
雰囲気優先の転職は慎重に判断を
「雰囲気」というのはとても曖昧で、個人の感覚によるところも大きいものです。
それでも今の職場で「働きづらい・・・」「職場に馴染めていない・・・」とストレスを感じているなら、ひとつの選択肢として転職を考えてみてもよいでしょう。
今の職場にしがみついて、体調を崩してしまうような結末だけは絶対に避けてください。
そして、職場の雰囲気を優先して転職先を探すなら、また同じ理由で退職することにならないように慎重に入社すべき会社を選びましょう。
絶対にひとりだけで判断せず、先輩や同僚、同業界の人や転職エージェントなどに相談して、客観的な意見やアドバイスをもらいつつ次に進むべき道を見つけたいですね。
毎日笑顔で働ける職場と出会えるように、手を抜くことなく転職活動と向き合ってください。