勇気を出して転職するか、今の仕事を続けるかで迷う人はとても多いです。
希望通りの仕事と出会えるかなんて誰も約束してくれませんし、下手すると今よりひどい職場で働くことになるケースも。
転職は運やタイミングに影響される要素も多いですし、とくにはじめての転職となると判断に迷ってしまうのも仕方ありません。
このページでは転職経験者100人にアンケートを実施し、転職してはじめて気づいたことについて掲載しています。
転職すべきかどうかで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職を必要以上に恐れることはない
今回のアンケートでもっとも多かったのは、転職をむやみに恐れる必要はないという回答。
転職にリスクがあるのは事実です。
「今より年収が下がってしまったらどうしよう・・・」
「転職先がすぐに見つからなかったらどうしよう・・・」
と心配する気持ちも理解できますが、今の状況から抜け出したいと思っているのなら、リスクを受け入れて一歩を踏み出しましょう。
さまざまな回答が寄せられたので、いくつかピックアップしてご紹介します。
職歴は3年はないと意味がないと思っていたが、資格があれば転職できると分かった。(20代 事務職)
転職は珍しいことではなくて、当たり前のこと。中途入社が多い会社では、中途採用者をサポートする体制が整っている。(30代 求職中)
我慢して働くより、新しい環境で働いた方がストレスが減って仕事を楽しめる。(30代 フリーランス)
転職するときは、「新しい職場で上手くやっていけるか、仕事を覚えられるか」と不安になるけど、どんな仕事でも3ヶ月もすれば慣れるから、心配し過ぎるな!(40代 会社員)
資格や学歴がなくても出来る仕事は沢山あります。給料や社会的ステータスなど周りにどう映るか気にする事もあると思いますが、そんな考えは全て無駄です。自分がしてて苦にならない仕事なら天職です。(30代 工場作業員)
自分のやりたい仕事があるのであればチャレンジをした方が良い。やらずに後悔するよりやって後悔しよう。(40代 教員)
製造業から異業種である介護職へ転職するまで長期間悩んだ時期がありました。実際に転職してみると大したこともなく楽と感じる仕事でした。起きてもいない心配を抱え立ち止まるより行動が大事だと気付きました。(40代 フリーランス)
色々なことを我慢してストレスを溜め続けるくらいなら給料を下げてでも新しい職場環境を求める方が良い。(40代 会社員)
世界に会社なんてらいくらでもある。嫌なら辞めればいい。無理してそこで働く必要はない。(20代 事務)
最低3年は続けないと、やめ癖があると思われるなんて嘘。若ければ若いほど、再就職の口はあるし、公務員試験や教員採用試験の間口は広い。(30代 事務)
7年務めていた会社を転職しました。最初はがんばろうがんばろうという気持ちで後ずさりしていましたが、勇気を振り絞り転職しました。今では新しい環境に慣れどうして前職にこだわっていたのかわかりませんでした。(20代 事務)
思い立ったらすぐ行動すべき
転職すべきか迷っているなら、まずは行動してみることをおすすめします。
ここで注意したいのは、行動するといってもいきなり退職してはいけません。
転職サイトに登録したり、転職エージェントで相談したり、今までの職務経歴を整理したり、できることはたくさんありますよね。
無事に希望の転職先から内定をもらってから退職の手続きを進められるとベスト。
転職サイトで求人を探すだけならまだしも、転職エージェントはカウンセリングを受けないと求人を紹介してもらえませんから、とにもかくにも動いてみましょう。
気持ちが固まったら潔く前に進むことを考えた方が良い。じゃないと時間ばっかりすぎて歳をとるばかり。(40代 会社員)
心身を病んでしまうくらいなら早めに転職した方がよいということ。(20代 会社員)
やりたいと思ったらすぐに行動。給料ばかり気にしてたら何もできない。色んなことをやってみると楽しい。(30代 就労支援)
嫌な上司や合わない環境で仕事をして自分の成長や今後に繋がらないと思ったらすぐに転職すれば良い。転職する前はとても不安がつきまとうけれど仕事をやめて初めて今後自分がやりたいこと目指す方向がわかる。(20代 会社員)
悩んでじっとしているくらいなら、とにかく動いてみること。どうしようと考える暇があるなら、少しでも自分にとって興味のある求人を探して応募してみること。縁があれば必ず誰かが自分を必要としてくれるはず。(30代 主婦)
もっと早く転職すればよかった。今のスキルじゃ通用しないと思っていたが、自分のいた環境がレベルが高いだけだった。意外と面接が順調に進み、すぐに次の会社が決まった。(20代 webデザイナー)
意外とどうにかなってしまう
極論ではあるものの、今の時代、中途採用の求人は山のようにあります。
もちろんお住まいの地域や時期によっても求人数は変動します。
仕事に求める条件が多く、高くなるほど選択肢は狭まっていきますが、転職活動において大切なのは適度な妥協。
収入も大切ですが、働きやすさや居心地の良さに注目して転職先を選んでみるのもひとつ。
今まで考えたことのなかった仕事でも、意外な適性が目覚めて大活躍できるかもしれませんよ。
自分のスキルによって収入が違うこと。キャリアが長かったのに前の職場は、給料あげるどころかボーナスなしになり転職してキャリアとスキルを認めてもらい収入が増えボーナスも出ました。(30代 トリマー)
給料が少なくても精神的なストレスがない方が楽しい生活が出来ることがよく分かりました。(30代 歯科助手)
改めて思うのがいちいち定職について安定ばかり求めなくてもちゃんと生活できる。(20代 自由業)
自分の現在の立ち位置を理解できました。そして、求人数が思っていたより多くて驚きました。(20代 フリーター)
自分がなんのために仕事をするのか状況により、やりたいことより時間の融通や休みが取りやすい勤務条件を優先するなど妥協することにより、勤務を継続していきやすい場合もあると感じました。(40代 目視検査員)
転職活動を進めるうえで大切な計画性
内定をもらった状態で退職できると理想、と先ほどお伝えしました。
転職を決意したからといって、いきなり上司に退職届をたたきつけてはいけません。
求人がたくさんあるといっても、希望に合った転職先がすぐに見つからない可能性もありますし、面接で落とされることも考えておくべきです。
つまり転職活動を成功させるために大切なのは計画性。
一般的には退職日の3ヵ月前から転職の準備をはじめる人が多いです。
すでに退職日まで1カ月を切っていて、転職先がまだ見つかっていない方は、早急に動き出すことをおすすめします。
勢いで辞めると後悔することが多い。ある程度先の目処をつけて、計画性を持って辞めたほうが後々のためになる。一時の感情で辞めるのは損ですよ。(20代 事務職)
確定拠出年金などの処理をきちんと前の職場に確認しておいたほうがよい。(30代 事務)
新しく始める仕事を見込んでから、辞めるべきであったことを後悔しています。(20代 専業主婦)
ただ何かが嫌だからといって、つぎの計画も無しに退職するのはやめた後に職が見つからず苦労した(20代 販売)
将来の不安を抱えながら仕事をしている時、「うちへ来ないか」という誘惑と前職の5割増しの給料に惑わされて転職しました。すると、前職で私を新規開店する支店の支店長にとの話があった事を知りました。(50代以上 無職)
業界をよく見ろ!と言いたい。その会社で自分の市場価値は上げられるか、成長の見込みはあるのか…。当時の自分には考える余地がなかった。(30代 会社員)
現実は甘くなかったという声も多数
「思っていたよりすんなり転職先が見つかった」
「書類選考に進んだ会社、全部から内定をもらえた」
なんて声を耳にすることもありますが、転職活動に失敗してしまった人がいることも忘れてはいけません。
どのようなことを後悔しているのか、寄せられた回答を順にご紹介します。
転職は、時間を要するし労力がいるし疲れるなと気づかされました。(40代 会社員)
以前も事務職でしたが、今回の会社は、税理士事務所です。もっと専門的になるのかと思いきや、ぬるま湯のような仕事で、少しがっかり。(50代以上 事務職)
仕事変えたいといつも思っていたけど、結局どこも同じ。それしかできない私の技量では内容も似たような事だし、どこにでも嫌な人はいる。仕事場所があるだけ有り難いと思って続けた方がいい。(40代 事務)
一から業界特有の専門用語やマナー、顧客情報を覚えるのは大変です。(30代 会社員)
必ずしも素敵な職場とは限らない。想像してたのと違うなんてのは当たり前。最初から職場になじもうなんて思わないで、まずは仕事を必死に覚えてコツコツ頑張れば結果が着いてくる。(30代 販売員)
30代で、初めての職種に転職をして、若い頃のように、すぐに覚えることができずに、時間がかかり、大変でした。(30代 看護助手)
条件面が希望とずれていた
転職あるあるのひとつですが、給与や休日、福利厚生などの条件面でのミスマッチを悔やむ人も少なくありません。
内定時に条件を提示されたときは、目の前の金額だけではなく将来的なことも可能な範囲で確認しておきましょう。
具体的には評価や昇給の基準についてです。
「転職先で必死に頑張って成果も出したのに、入社したときから給料が一切アップしない・・・」
なんてことは避けたいですよね。
現実は甘くないことに気づかされます。年収は下がるし、年間の休みも大幅に減りました。(40代 飲食業)
給料のアップ率を確認するべきだった。仕事のスキルも経験も社内の立場も上がっているのに十年間給料は上がっていない。入社時に確認を怠ったことを悔やんでいる。(40代 会社員)
最初は心機一転で楽しかったのですけど、だんだん労働時間や少なくなった年収等に不満が出始めます。(40代 サービス業)
お金は大事なモチベーションになるので、入職前に就職先の状況や給料を確認しておいた方が良い。あと、面接者の言葉をあまり鵜呑みにしない方が良い。(30代 理学療法士)
新しい勤務先も保育園ですが、時給はよくなったものの、思うようにシフトにいれてくれません。パートが多すぎて、みんなが思うようにシフトに入れてもらえない状況です。(30代 保育士)
高校教師から英会話スクールへ転職しましたが、給与が前年度より下がることがあります。また、同僚はライバルでもあるため、足の引っ張り合いもあります。転職率、離職率は公務員よりもはるかに多いです。(30代 会社員)
人間関係はどこでもしんどい
転職を決意したきっかけの上位ランキング常連といえば、そうです人間関係です。
今の職場でもっとも嫌いな人は誰ですか?
「人間関係をリセットしたくて辞めたのに、転職先でも人間関係に悩まされてる・・・」
と嘆く人は意外なほど多いのです。
条件面は入社前に確認できるものの、社内の雰囲気をはじめ、上司や同僚の人柄は働いてみないとわからないのも難しいところです。
女性が多い職場だと、いくら逃げても大小あれど、何らかの派閥からは逃れることができないです。(30代 医療事務)
一族ワンマン経営のブラック企業が嫌で辞めましたが、風通しがよくてなんでもやれる企業はそれはそれで大変。言われたことをやってればいいワンマン経営にもラクな部分はある。(30代 会社員)
人間関係を再構築することが、こんなに体力がいるものなのか!と驚きました。転職した先ではもうグループが出来上がっているので、上手くしないとお昼も1人で食べる、、、なんてことにもなるので恐怖でした!(20代 アパレル店員)
どこにでも自分と合わない人、嫌な人はいますが、前職で酷い人を見ていれば、ましと感じてそれなりに関わっていけることに気づきました。(20代 事務職)
どこの職場に行っても、必ずと言っていいほど合わない人たちはいる。(30代 事務)
人間関係が嫌で転職しましたが、嫌な人間はどこの職場に行っても必ず1人はいるということに気がつきました。(30代 運送業)
何度か転職して気付いた事は、給料・仕事内容も大事だけど、一番大事なのは職場の雰囲気・人間関係だという事です。あまり楽しくない仕事でも、信頼出来たり尊敬出来る人がいると長く続ける事が出来ます。(30代 派遣社員)
仕事内容が大変だったり休みが少なくても人間関係が良ければ頑張れる。仕事がしやすい環境でも人間関係が悪いと余計なストレスがひどい。(20代 エステティシャン)
求人内容に”アットホームな会社”と記載されていたら、要注意です。入社したら、家族経営で家族以外受け入れない。違う会社では仲良すぎて、仕事以外の負担が多い。アットホームとは便利な言葉だなと感じました。(30代 事務職)
前の会社も意外と悪くなかった
最後にもうひとつ、退職したことそのものを後悔してしまうパターン。
灯台下暗しという言葉があるように、近い場所にいると気づけないことってたくさんありますよね。
退職者の出戻りを受け入れている会社も徐々に増えてきているので、真剣に戻りたいと考えるなら元上司に連絡を取ってみましょう。
ただし、どういう形であれ一度退職した身ですから、中にはよく思わない人もいるでしょうし、少なからず気まずい思いをすることは覚悟しておきましょう。
転職すると、前の会社の良いところに気づけたりする。客観的に見るってこういうこと。(30代 会社員)
転職をするまでは、以前の会社のいいところは気づかないものです。実際に転職前に条件面と職場環境は検討してから決めなくてはダメです。(30代 会社員)
前職の方が働く環境は良いし職員関係に疲れなかったので前職の方が良かったです。(20代 保険代理店)
どの会社もいいところ悪いところはあり、転職してみて前の会社の良さに気づくこともあります。会社をよく調べてみるのも大切です。ダメなら次という心づもりなら長続きしないしどこに行っても一緒です。(40代 検査職)
前職では五年間はきちんとした接客、精神的な強さ、常識、チームワークを学ぶ事ができた。厳しい会社で辛い、辞めたいと思う事はあるけれど、楽な仕事より自分自身を絶対に成長させてくれる。転職してから気がついた(20代 受付事務)
職場に不満があって転職したが結局振り返ると待遇、給料、人間関係において前の方がよかった(30代 接客業)
転職してみてはじめて、前職のやりがい、待遇、環境の良さに気づくこともある。(20代 フリーランス)
離れて気づいた前職のひどさ
「前の職場のほうがよかったかも・・・」
と後悔する人がいる一方で、転職したことで前職のひどさに気づけたという人ももちろんいますよ。
前の会社がいかに残業多かったか休みが全然なかったかよくわかります。(30代 営業職)
同じような仕事内容でも他の会社を見るともっと給料がいいし、前の会社より働きやすい。(20代 製造業)
前の会社がどんだけ悪いか転職してわかりました。人間関係も仕事の内容も今は働きやすいです。家族経営的な会社はダメですね(笑)(50代以上 会社員)
いかに正社員で働く事が奴隷労働であるかを理解しました。今の職場はとても楽です。確かに給料は安いですが、健康あっての仕事です。それに人間の必要とするものは、案外少なく、安い物です。(40代 水道検針)
転職は動いてみないと見えてこない
転職に迷いを抱えるのは当然。
どれだけすごいスキルを持っている人だって、希望とぴったりの転職先を見つけられる保証はないんです。
とはいえリスクを恐れて何もしないままだと、今の状況は何も変わりませんよ。
退職せずに今の仕事を続けるとしても、まずは実際に足を動かしてみることをおすすめします。
実際に転職活動を進めてみて、希望の条件に合う求人があるのか、面接を突破できるかはやってみないとわかりません。
タイミングが良ければ誰もが知っているような有名企業の非公開求人と出会えることもありますし、今と同じような仕事で年収が100万円近くアップすることも。
動いてみないとわからないのが転職なので、少しでも退職を意識しているならまずは一歩を踏み出してみてください。