転職には年収ダウンのリスクが常に付きまといます。
とくに40代の転職は、進め方を間違えると年収が大幅に下がってしまうこともあります。
50万円以上の年収ダウンを経験した人も少なくありません。
仮に年収が100万円下がった場合、今の生活を続けていけますか?
お昼ご飯をカップラーメンでしのいだり、自腹の飲み会はすべて断ったり、年1回の家族旅行も見送ったり、趣味に使うお金も我慢したり・・・
そんな生活、イヤですよね。
40代はさまざまな出費が必要となる年代だからこそ、転職は慎重に判断する必要があります。
このページでは、40代の転職で年収ダウンを避けるためのコツについて詳しく解説します。
近いうちに転職を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
転職で年収ダウンしてしまう人の特徴
転職には年収ダウンのリスクがある一方で、年収が大幅にアップした人だってたくさんいます。
では年収が下がってしまう人とは、具体的にどんな人なのでしょうか。
年収の判断基準は各社さまざまなので一概にいえない部分もありますが、主な特徴をご紹介します。
あなた自身が当てはまっていないか、一つひとつ見ていきましょう。
未経験の業種・職種に挑戦
もっとも年収ダウンにつながりやすいのは、40代で未経験の仕事に挑戦する方です。
考えてもみてください、あなたが採用担当者だったら40代の未経験者を採用したいですか?
20代の若手ならまだしも、戦力になるかどうかわからない40代の人材なんてリスクが高すぎます。
採用担当者だって自分の評価を下げたくありませんから、リスクのある人材はなるべく採用したくないんです。
「どうしてもやりたかった仕事がある」
「もういい年だけど、夢を追いかけてみたい」
という考えがダメというわけではありません。
年齢や経験を問わず採用してくれる会社もありますから、夢を叶えたいなら年収ダウンを覚悟してください。
ただし、既婚者の方はあらかじめ家族とよく話し合うことをおすすめします。
自分の経歴・スキルを過信
次に挙げられるのは、自分自身を過大評価しすぎている方。
転職経験がゼロの方、あるいは以前の転職から10年以上経っている人によく見られる傾向です。
今までの職場でどれだけ評価されていたとしても、転職先で同じように活躍できる保証は一切ありません。
「俺は部署のなかで誰よりも仕事ができるんだ!」
と思っていても、世間一般の基準では「中の下」だったりします。
転職後の年収は、あくまで転職先の評価基準がベースになりますから、今までの経歴・スキルを過信しないように気をつけてください。
自分自身のおおよその市場価値は数分で調べられますから、退職前に確認しておくことをおすすめします。
転職スキルがあまりに低い
最後にもうひとつ、スキルと経歴はそこそこなのに転職スキルがあまりにも低い方。
具体的には、職務経歴書の書き方がダメダメだったり、面接になるとグダグダになってしまうような人です。
職務経歴書なんて滅多に書くものではありませんから、悩んでしまうのは当然。
でもちょっとGoogleで検索すれば、職務経歴書の書き方なんていくらでも情報が出てきます。
転職エージェントを使えば、無料で添削もしてもらえます。
ひと手間かけるだけで解決するようなことなのに、面倒臭がってやらない人は転職で失敗しやすいです。
面接も同じように、苦手意識を持っている人ほど事前の練習が大切。
あなたの人生を左右する重要なイベントなのに、裸一貫で飛び込むなんて賢いとはいえません。
受験勉強を一切せずに、東京大学に合格できると思いますか?
年収を下げたくないなら、きちんと時間と手間をかけて対策しましょう。
40代の平均的な収入や貯蓄額
年収ダウンを恐れる人は多いですが、そもそも40代の平均年収がどれくらいなのか知っていますか?
もしかすると今もらっている給与は、世間一般からすると十分高いかもしれません。
40代の平均的な年収と貯蓄額について確認しておきましょう。
平均年収は400万円台
大手転職サイトのdodaが発表した「平均年収ランキング2017(年齢別の平均年収)」によると、40代の年収は以下の通り。
- 40代の平均年収は541万円(男性:587万円、女性:423万円)
- 301万円~600万円までが全体の64.6%と、およそ3分の2
- 最も多い層は401万円から500万円で、全体の20.2%
- 年収1,000万円以上の人は5.6%
引用元:doda 平均年収ランキング2017(年齢別の平均年収)
高所得者層が年収の平均値を押し上げているということを考え合わせると、40代の平均年収は450万円程度と考えておくとよいでしょう。
夏と冬のボーナスが2.5カ月分ずつと考えると、ちょうど月収30万円前後。
あなたの月収と比べてみて、いかがですか?
現実問題として月収が30万円前後だと、住宅ローンを抱えていて、お子さんが大学や専門学校などに進学していると家計に余裕はないでしょう。
共働き世帯が多くなるのも当然に思えますね。
平均貯蓄額は316万円
今、あなたの貯金はどれくらいありますか?
40代の平均年収だけではなく、貯蓄額についても注目してみましょう。
2018年にSMBCコンシューマーファイナンスが発表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2018」によると、40代の平均貯蓄額は316万円だそうです。
また40代前半では323万円、40代後半では310万円と、全体としては横ばいになっています。
一方で30代後半では、貯蓄額が219万円となっています。
お子さんの年齢がまだ小さければ貯蓄を増やしやすいですが、進学を控えている年令になると貯蓄を切り崩している人も多いようですね。
40代はさまざまな出費が必要な世代
「年収なんて400万円あれば十分じゃないの?」
「多少年収ダウンしてもどうにかなるでしょ?」
どんなときもポジティブに考えられる人は幸せものです。
もしあなたが独身で、家賃のかからない実家に住んでいるのなら、年収300万円でも生活には困らないでしょう。
ただ、一般的に40代はさまざまなライフイベントが目白押しです。
とくに20代半ばで結婚・出産した方は、子どもの教育費がピークに達する時期に突入。
30代でマイホームを購入した方は、まだ返済が続いているでしょうし、40代で結婚・再婚する人も少なくありません。
どんな出費が発生するかはライフスタイル次第ですが、目安となる金額は把握しておきましょう。
年間200万円を超える教育費
まずは家計を大きく圧迫しかねない、子供の教育費。
一般的に子供の教育費は、大学や短大、専門学校の入学年にピークを迎えます。
国公立大学に進学した場合でも、入学金だけで約70万円、1年次の学費は100万円強必要。
理系の私立大学に進学したときなんて、入学金で約100万円、年間の学費は200万円を超えることもザラです。
「うちの子はまだ中学生だから大丈夫・・・」
なんて安心していても、数年後には進学のタイミングを迎えます。
高校受験に失敗して、高校から私立に進学すると教育費負担は一気に倍増します。
子供の教育費については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
毎月の住宅ローンや固定資産税
今のお住まいは賃貸ですか? それともマイホーム?
マイホームを購入した方は、まだ住宅ローンがたっぷり残っていることでしょう。
返済額は月10万円前後、またはそれ以上という方も多いですね。
住宅ローンの返済だけで済むならまだしも、マイホームには固定資産税や火災保険料がかかりますし、分譲マンションは管理費や修繕積立金も必要です。
賃貸がいいのか、マイホームがいいのかは永遠に議論が終わらないので、この場では言及しません。
一般論として、子供が大きくなるに連れて家にかかるお金も増えていきますから、どの程度の出費が発生するのか、きちんと把握しておきましょう。
結婚や再婚にかかる諸費用
近年は晩婚化が進み、40代で挙式を上げる人も少なくありません。
ニッセイ基礎研究所の調査によると、40代前半で結婚する人がとくに増えてきているようです。
2015年時点で40~44歳となる67~71年生コーホートにおいては、男女とも未婚率が大きく低下しており、特に東京都の男性で低下幅が大きくなっていた。これらの結果は、40代に突入するこの5年間に、駆け込み婚が多く生じていたことを示している。
引用元:ニッセイ基礎研究所< 未婚化・晩婚化はどこまで進む?
どのような挙式を執り行うかは人それぞれですが、それなりの披露宴を行うとなると、少なく見積もっても100万円以上はかかります。
職場でそれなりの役職に就いている方だと、上司や同僚を呼ばないわけにはいきませんし、多少は見栄もあることでしょう。
結婚はとても喜ばしいことですが、披露宴や新婚旅行、新しい住まい探しなど、止めどなく出費が続いていきます。
結婚に伴う出費については、以下の記事で詳しく解説しています。
40代の転職で年収アップを叶える秘訣
ここまでご説明した通り、40代はどうしても出費がかさむ世代。
とはいえ、年収アップを実現できればオールOKですよね。
年収が上がれば貯蓄もコツコツ増やせますし、子供が私立大学に進学してもなんとかなるでしょう。
医学部や薬学部はさすがに学費負担がしんどいですが・・・
今の職場で働き続けて、着実な年収アップを期待できるならムリに転職を考える必要はありません。
大嫌いな上司の言うことも素直に聞いて、無茶な要望ばかりの取引先にも笑顔で対応しましょう。
胃に穴が空くかもしれませんが、それもひとつの生き方です。
「今の会社で働き続けても年収アップは見込めない・・・」
「5年後には会社がなくなっているかもしれない・・・」
という状況なのであれば、今の年収をキープ、もしくは年収アップを実現できるように、真剣に転職を考えてみましょう。
とはいえ40代の転職は簡単ではありません。
何度も繰り返しますが、年収ダウンの可能性もゼロではないのです。
リスクまみれの40代の転職をどのように攻略すべきか、具体的に見ていきましょう。
スペシャリストorマネジメント
あなたが採用担当者だったら、40代の人材にどんなことを期待しますか?
少なくともピチピチなフレッシュさではないですよね。
一般論として、中途採用で40代に求められる要素は大きく2つです。
- スペシャリスト
- マネジメント
それぞれについて簡単に見ていきます。
スペシャリスト
「○○の経験なら自信がある」
「○○で大きな実績を残している」
など、自信を持ってアピールできるスキルや実績は何かありますか?
ベテラン人材に求められる要素のひとつは、スペシャリストとしての豊富な経験です。
「約20年、営業として常に上位の成績を収めてきた」
「上場企業の経理部門で管理会計に10年以上携わってきた」
なにかひとつでもアピール材料があれば、書類選考や面接を突破するための武器になります。
求める条件がうまくマッチすれば、大幅な年収アップも期待できますよ。
マネジメント
もうひとつはマネジメントに関するスキル。
「前職では部長だったから転職もすぐに決まるだろう」
と安易に考えるのは止めましょう。
転職市場において、肩書はあまり重要ではありません。
大切なのは、そのポジションでどんな仕事をして、どのような実績を残してきたか。
役職は営業部長だとしても、メンバーが3人しかいない部署と、30人を超える部署では次元が異なりますよね。
プレイングマネージャーとして自分自身も現場に出ていたのか、部下のサポートに徹していたのか、仕事内容も職場によってさまざま。
部下たちをどれだけ育てられたのか、という点も重要です。
管理職としてアピールできる経験・実績について、今までの経歴を整理しながらじっくり考えてみましょう。
転職エージェントを最大限に活用
自分自身の市場価値や、希望する仕事の年収相場をある程度把握できていますか?
もしくは社外の人脈が豊富にあるでしょうか。
両者ともあまり自信がないなら、転職エージェントの利用は必須と考えてください。
求人を見つけるだけなら転職サイトで十分ですが、残念なことに40代以上の人材を求めている企業は多くありません。
闇雲に応募を続けても、書類選考すら通過できず、心が傷つくだけです。
先ほどご説明した通り、40代に求められるのはスペシャリストやマネジメントのスキル。
募集人数は1〜2名と少ないですし、重要なポジションを担うことも多いため、非公開求人で募集する企業も多いのです。
また、年収ダウンを避けたいなら、あなたの経歴・スキルでどれくらいの年収を目指せるのか、どんな強みをアピールすべきなのか、客観的なアドバイスを取り入れるべきです。
「あなたは理想が高すぎる、今の経験でその年収を目指すのは無謀」
「これだけの経験があるなら、今よりもっと年収アップを実現できる」
といった意見をもらえることもあるでしょう。
リスクの高い40代の転職だからこそ、プロのサポートを受けながら慎重に進めることを強くおすすめします。
40代におすすめの転職エージェント
大幅な年収ダウンを避けるために転職エージェントの活用が有効だとわかっていても、どこも似たような会社ばかり。
大手で有名な転職エージェントに登録しておけばOK、という単純な問題でもありません。
あなたの求める条件に合ったエージェントを利用しないと、最悪の場合、どこからも内定をもらえず時間と交通費を無駄にするだけ。
そこでこのページでは、40代の方におすすめの転職エージェントを特徴ごとに整理しました。
転職に求める条件から、あなたに合った転職エージェントはどこなのか探していきましょう。
幅広い選択肢から探したい
「今までの経験を活かして、新しいことにも挑戦してみたい」
「同業種への転職も考えてるけど、もっと幅広く考えてみたい」
と考えている方は、幅広い求人を保有している大手転職エージェントがおすすめ。
あらゆる業種・職種の求人を抱えているので、キャリアアドバイザーと相談しながら新たな可能性を探っていけますよ。
リクルートエージェント
求人数 | 約90%が非公開求人 |
---|---|
対応エリア | 全国 |
特徴 | 転職支援実績No.1 |
まずは転職エージェント最大手のリクルートエージェント。
すでに登録済み、もしくは過去に利用経験のある方も多いことでしょう。
なんといっても支援実績No.1ですし、年収1,000万円を越えるようなハイクラス求人まで幅広くカバー。
定期的に開催している面接力向上セミナーも好評です。
新しい可能性を探りつつ、年収アップも期待したいという方は、まずはリクルートエージェントの門を叩いてみてください。
doda
求人数 | 非公開求人8万件以上 |
---|---|
対応エリア | 全国 |
特徴 | 転職者満足度No.1 |
続いてはテレビCMなどで見かけることの多いdoda。
保有求人数や転職支援実績はリクルートエージェントに負けず劣らずのトップクラスで、とくに転職者満足度ではNo.1に輝いています。
他の転職エージェントではあまり見られない、2名体制でサポートしてくれる点など、対応の手厚さも評判ですよ。
大幅な年収アップを目指したい
「自分の経歴に自信があるから、大幅に年収を上げられるはず」
「経営幹部として、社長や役員と方を並べて仕事がしたい」
と上昇志向の強い方は、ハイクラス求人に強い転職エージェントを利用しましょう。
dodaやリクルートエージェントなどもハイクラス求人を保有していますが、特化型のエージェントも独占案件を多数抱えています。
あなたの実力でどれくらいの年収アップを期待できるのか、ぜひ確かめてみてください。
ビズリーチ
求人数 | 6,700社以上 |
---|---|
対応エリア | 全国 |
特徴 | 年収750万円以上の方のみ |
すでに年収が750万円を超えているなら、もっともおすすめなのはビズリーチ。
タクシーの車内広告をはじめ、都市部でもテレビCMを見る機会が増えてきましたね。
転職サイトでは珍しい有料プランを活用すると、気になる企業に直接アプローチできるなど、転職活動の幅が一気に広がります。
有料プランは7日間お試し利用もできるので、ハイクラス求人を目指すなら要チェックですよ。
専門領域で強みを伸ばしたい
dodaやリクルートエージェントなど、大手の転職エージェントならほぼすべての業種・職種の求人を保有しています。
ただ、キャリアアドバイザーがどこまで専門的な知識を身に着けているかは未知数。
場合によっては、専門用語が伝わらず、会話がうまく噛み合わない・・・ということも。
「自分が得意とする専門分野でスキルを発揮したい!」
「スペシャリストとして自分のキャリアを築いていきたい!」
と考える方は、以下のリンクより気になる会社を探してみてください。
画面下側の検索フォームでお住まいのエリアを設定すると、より希望に合った転職エージェントを探せますよ。
ちなみに、専門領域で転職を考えるときも、大手の転職エージェント1〜2社には登録しておくことをおすすめします。
デメリットを理解して活用を
おすすめの転職エージェントをご紹介しましたが、実際に利用するときはいくつか注意すべき点があります。
時間をかけて職務経歴を記入したのに、「弊社ではサポートできません」と断られるのはイヤですよね。
一番最悪なのは、「想像していた職場と全然ちがった・・・」と入社すべき会社を間違えてしまうこと。
精神的にも、金銭的にも負担が大きくなってしまいます。
納得のいく転職先を見つけるためには、転職エージェントの仕組みやデメリットを理解しておくことが大切です。
以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
年収ダウンを避けるために万全の準備を
さまざまな出費が重くのしかかる40代。
住宅ローンを抱えている方をはじめ、お子さんが大学進学を控えている方など、転職で年収ダウンは絶対に避けたいですよね。
この先10年、20年と働いていかないといけませんから、こんなところでつまづいている場合ではありません。
「今の職場で仕事を続けても未来がない・・・」
「自分の経歴ならもっと年収を上げられるはず・・・」
と考えるなら、年収ダウンのリスクを限りなくゼロに近づけられるように、万全の準備で転職活動に臨んでください。
転職には「必ず成功する」という魔法はありませんが、努力次第で失敗のリスクは減らせます。
今より余裕のある生活を実現できるように、一歩一歩、着実に準備を進めていきましょう。