派遣社員や契約社員、フリーターなど、非正規雇用で働いている20代の独身女性はとても多いです。
さまざまな事情から正社員以外の働き方を選んでいるといえど、デメリットがたくさんあることも事実。
「フリーターのままだと将来が心配・・・」
「派遣のままじゃ年収が上がらない・・・」
20代の今はどうにかなっても、結婚して子供を育てて、と考えていくと不安になりますよね。
30代、40代と年齢が上がっていくと、心配事もいろいろ増えていきます。
非正規雇用のまま働き続けて、20代独身女性に明るい未来はあるのでしょうか。
このページで詳しく解説します。
20代で非正規雇用は大きな機会損失
総務省の調査結果によると、女性は正規雇用より非正規雇用を選ぶ人が多いそうです。
正規雇用の男性は 2286 万人、女性は 1078 万人。非正規雇用の男性は 648 万人、女性は 1367 万人。
引用元:総務省統計局 平成28年(2016年)労働力調査結果の要約
なにかと悪く言われがちの非正規雇用ですが、メリットもたくさんあります。
たとえば自分の都合でシフトを柔軟に調整できますし、お金さえ貯まればいつでも海外旅行にもいけますね。
子供が小さいうちは10〜16時の時短で働く、といったことも可能。
正社員として働いていると融通の効かないことも多くなりますから、非正規雇用を選ぶ女性が多いのも納得ですね。
しかしながら、20代の独身女性が非正規雇用のまま働き続けるのは大きな機会損失。
いろいろな事情もあると思いますが、できることなら20代のうちに正社員として働く道を選びたいところ。
正社員として働くことのメリットについて、今一度おさらいしておきましょう。
生涯年収で大きな差が生まれる
まず挙げられるのは、やはりお金の面です。
有名な話ですが、非正規雇用のまま働き続けると生涯年収で大きな差が生まれます。
年齢を重ねるにつれて正規雇用の賃金が上がるのに対し、非正規雇用ではほとんど変動しないため、格差が広がります。非正規雇用で働き続けた場合の生涯賃金は、正規雇用に比べて1億円以上少なくなります。
引用元:しんぶん赤旗 生涯賃金 非正規雇用は1億円以上低い
非正規雇用はボーナスも支給されませんし、年末年始やゴールデンウィークなど大型連休のある月は時給制のため給与が減ってしまいます。
もちろん非正規雇用でも年収アップを目指すことはできます。
通訳・翻訳として働けるレベルの語学スキルが身についていたり、基礎的なプログラミングの知識があれば、そこそこ時給の高い仕事に就くこともできるでしょう。
スキルと経験が豊富なら、時給2,000円を超える派遣求人にも応募できるようになります。
「私は自分の力で稼いでいくんだ!」
という強い覚悟があるなら問題ありませんが、なかなか大変です。
着実に昇給を期待できる会社で正社員として働いたほうが、将来への不安を大幅に減らせますよ。
産休はともかく育休を取得しづらい
もうひとつは育児休業の問題。
出産予定日が近づいてきたとき、非正規雇用として働いていることのデメリットを痛感するでしょう。
まず産休については、雇用形態を問わず誰でも取得できます。
子供が生まれる直前まで働くことは、母子ともに命にかかわる危険を伴う行為なので、労働基準法で明確に定められています。
産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間:いずれも女性が請求した場合に限る)、産後は8週間、女性を就業させることはできません
第65条第1項、第2項関係
引用元:厚生労働省 労働基準法における母性保護規定
一方、育児休業については取得のハードルがとても高いです。
なぜなら、育休を取得するためには1年以上勤務した実績があること、子供が1歳になった後も引き続き働く前提であることが必要とされています。
つまり出産後1年以内に契約が終了することになっていると、基本的に育休は取得できません。
通常、派遣社員だと3ヶ月単位での契約更新が多いですし、契約社員も1年単位の契約が多いですよね。
「他の誰よりも圧倒的に仕事ができる!」
などの明確な理由がない限り、ほとんどの企業は非正規雇用の育休取得を認めたがらないのが現実。
リクルートスタッフィングのような大手派遣会社であれば育休取得実績も豊富ですが、アルバイトやパートとして働いている場合、育休の取得は絶望的。
あなたが復帰できそうな頃には、すでにほかの人が働いていて戻る場所がなくなっています。
近い将来、結婚・出産を考えているのなら、早めに正社員雇用に向けて一歩を踏み出すことをおすすめします。
30代から正社員を目指すのは難しい
「20代はプライベート最優先、30歳からちゃんと働くつもり」
「正社員として働くのは30歳を超えてからで十分でしょ」
なんてことを考えている人もいますが、考えが甘いです。
30歳を超えると、中途採用のハードルは一気に高まります。
正社員として働いた経験があるならまだしも、これといった職務経歴がない場合、ほとんどが書類選考で落とされるでしょう。
「いつかは正社員として働きたい」
と考えているなら、20代のうちに行動すべきです、絶対に。
30代は即戦力としての活躍を期待される世代。
相応の経験とスキルを持ち合わせていないと、なかなか選考が進んでいきません。
また、独身であることも転職活動では有利になります。
「配偶者の有無で合否を判断するなんて失礼だ!」
なんて文句をいったところで、各社の採用基準を変えることはできません。
女性の場合、小さいお子さんがいると、どうしても仕事を離れてしまう頻度が高くなりがち。
働く女性に理解のある企業であれば問題ありませんが、そこまで余裕のない企業が多いのも事実。
20代独身という最大の強みを活かさないのは損ですよ。
非正規雇用から正社員を目指す方法
「じゃあ正社員を目指してみようかな・・・」
と渋々腰を上げたところで、すんなり転職先が決まることは滅多にありません。
人生とはどうしてこうも厳しいのでしょうか。
非正規雇用として働いていた期間が長い方はとくに、進め方を考えないと何ヶ月も転職活動が続いてメンタルをすり減らすことに。
正社員として働くことを目指すなら、どのように進めたほうがいいのか。
具体的な方法をいくつかご紹介します。
仕事に役立つ資格・スキルを学ぶ
「正社員を目指すにしても、これといったスキルも資格も持ってないし・・・」
という方は、今から身につければいいんです。
興味のある仕事があるなら、役立ちそうな資格やスキルを学んでみてはいかがですか?
事務系の仕事で働いてみたいなら、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の取得に向けて勉強してみるのがおすすめ。
WordやExcel、PowerPointなど、あらゆるオフィスワークで役立つ基礎的なスキルが身につきます。
電話の受け方やお茶出しのやり方など、ビジネスマナー全般に不安があるのなら秘書検定に挑戦するのもいいですね。
秘書検定は秘書の仕事に関わらず、あらゆる職種で役立つ実践的なスキルを身につけられますよ。
数字に苦手意識がないなら簿記2級を目指してみる、パソコンが得意ならオンラインスクールでプログラミングを学んでみる。
あまり難しく考えすぎず、興味のあることからチャレンジしてみましょう。
今の職場で正社員登用を目指す
あなたの今の勤め先はどんなところですか?
「こんな職場で絶対に正社員になりたくない!」
という方には無用の話ですが、今の仕事が好きで、職場も気に入っているのなら、正社員として働きたい旨を上司に伝えてみましょう。
「ダメって言われたらどうしよう・・・」
なんて心配は無意味です。
もしかすると近いうちに中途採用の募集を考えているかもしれませんよ。
まずは希望を伝えてみること、結果的にダメだったなら仕方ありません。
人件費に余裕がなかったり、そもそも会社の業績がピンチだったりすることも。
今すぐはダメでも、来年の春からなら正社員になれるチャンスがあるなど、なにかしらの条件を提示されることもあるでしょう。
とにもかくにも、まずは上司と相談です。
紹介予定派遣で働ける求人を探す
すでに派遣社員として働いているなら、派遣会社の担当者と相談して、紹介予定派遣の求人を紹介してもらうのもひとつ。
派遣の仕事は未経験という方も、最低限のパソコンスキルがあれば働ける求人はたくさんありますよ。
テンプスタッフやリクルートスタッフィングなどの大手派遣会社に登録しておけば、誰もが知っているような有名企業の求人と出会えることも。
うまくいけば大手企業の正社員として働けるチャンスもあるので、興味がある方はチェックしてみることをおすすめします。
ただし、紹介予定派遣には注意点もあります。
それは、正社員ではなく契約社員として採用される場合があること。
紹介予定派遣で働くときは、必ず正社員雇用を前提とした求人を探しましょう。
転職エージェントに相談してみる
最後にもうひとつ、dodaやリクルートエージェントなどの転職エージェントで相談してみるのもおすすめ。
中途採用の求人を探すだけなら転職サイトでも十分ですが、書類選考という大きな壁が立ちはだかります。
職務経歴書、きちんと書き上げられる自信はありますか?
転職エージェントは優良企業の非公開求人を紹介してくれるだけではなく、応募書類の添削や面接のアドバイスももらえます。
今まで正社員として働いたことがない方はとくに、選考で落とされないためのアドバイスをもらったほうがいいです。
20代の転職に特化した転職エージェントもありますし、キャリアカウンセリングを通じて新たな可能性に気づけることもありますよ。
正社員として働くことを目指すなら、気になった転職エージェントを1〜2社利用してみましょう。
独身女性は20代のうちに正社員を目指そう
「両親の介護があるので正社員として働くのは難しい」
「絶対に叶えたい夢があって、どうしても諦めきれない」
などの特別な事情があるなら、今の働き方を続けても良いでしょう。
問題は、これといった理由がないのに惰性でフリーターや派遣社員を続けている方。
20代かつ独身のうちに、正社員として働くことを目指してみませんか?
結婚や出産は素晴らしいことですが、女性が仕事を探す点においてはマイナスになることも多いです。
さらに年齢が上がっていくほど、条件の良い会社で正社員として働くことの難易度は上がっていきます。
正社員を目指すなら、チャンスは今ですよ。
30歳を超えてからでは遅いんです。
まずは今の仕事を続けながら、どんな求人があるのかだけでもチェックしてみてください。