派遣社員や契約社員、アルバイトやパートなど、非正規雇用で働いている20代の若者はとても多いです。
夢を追いかけていたり、家庭の事情があったり、非正規としての働き方を選んだ理由は人それぞれ。
とはいえ今はアルバイトや派遣社員として働いているけれど、いずれは正社員として働きたい…!と考えている人が多いのも事実。
非正規雇用から正社員就職を目指すことは簡単ではありませんが、あなたが20代ならチャンスはあります。
今回は、非正規雇用で働く20代の若者が正社員として採用されるための秘訣について詳しくご説明します。
非正規雇用で働き続けることのデメリット
まずはじめに、非正規雇用で働き続けることのデメリットについて触れておきます。
好きなときに好きなだけ働くことができたり、3ヶ月働いて1ヶ月休むと行った柔軟な働き方もできるなど、非正規雇用として働くことのメリットはたくさんあります。
ですが、長く働いていくことを考えると、非正規雇用の働き方はデメリットが多くなっていきます。
20代であれば正社員と非正規雇用に大きな差はないことが多いものの、30代、40代になっていくと、特に年収の面で大きな差が開いていきます。
年齢を重ねるにつれて正規雇用の賃金が上がるのに対し、非正規雇用ではほとんど変動しないため、格差が広がります。非正規雇用で働き続けた場合の生涯賃金は、正規雇用に比べて1億円以上少なくなります。
働き方や職種によって差があるとはいえ、生涯賃金に1億円もの差が出るのは大きいですね。
結婚を考えたときに、非正規であることを理由に相手の親から反対されたり、家を買おうと思ってもローンが組めなかったり。
今は若さで何とかなっていたとしても、年齢が上がるほど非正規雇用のデメリットに直面することは理解しておきましょう。
一般的な就職活動ではつまづきやすい
じゃあ正社員として働けるように就職活動を始めよう!と思っても、非正規雇用としての勤務経験しかない場合、つまづいてしまうことも多いです。
どんなところでつまづくことが多いのか、いくつか具体例をご紹介します。
職務経歴者の書き方がわからない
転職サイトや求人広告で希望に合った求人を見つけたとしても、ほとんどの場合、まずは書類選考です。
たとえばアルバイトとしての勤務経験しかない場合、職務経歴書に書けることがほとんどないのです。
派遣社員としてオフィスワークなどを経験していれば、まだ書けることはあるかもしれませんが、内容をチェックされて即不合格と判断されることも。
正社員としての勤務実績がないと、面接にすら進めないことが多いのです。
面接できちんと受け答えできない
無事に書類選考を突破して面接にまで進めたとしても、うまく受け答えができず、最終選考に進めないまま不合格になってしまうことも。
「なぜ学校を卒業するときに正社員としての就職を目指さなかったのか」
「当社があなたを採用するメリットは何なのか」
ひねくれた質問が飛んできたときにフリーズしてしまったり、的を得ていない回答をしてしまったり。
面接を突破できず、正社員として働くことをあきらめてしまう人も少なくありません。
職場の雰囲気にうまくなじめない
うまく内定をもらえて正社員として働けるようになった!と思っても、試用期間終了時点でクビにされた、という例もいくつか見てきました。
職場の雰囲気や、仕事の進め方についていくことができず、自分から退職を申し出たり、上司から暗に退職を促されたり。
せっかく正社員になったのに、数ヶ月後にまた派遣社員として戻ってきた、という人もいます。
社内の雰囲気や仕事内容を入社前にきちんと理解できていれば、このミスマッチは防げた可能性が高いです。
若者正社員チャレンジ事業説明会とは
やっぱり非正規から正社員雇用を目指すのは間違いだったのか…とあきらめてしまうのはまだ早いです。
正社員として採用されるために乗り越えるべき壁はいくつかありますが、進め方を工夫することでうまく乗り越えられる可能性があります。
今回は、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用として働く20代を対象として開催されている、若者正社員チャレンジ事業説明会について詳しくご紹介します。
東京都内で正社員として働くことを目指すなら、今すぐにでも利用してみるべきですよ。
都内で正社員として働けるチャンス
若者正社員チャレンジ事業説明会は、東京都が主体となって2014年に立ち上がった事業で、人材ビジネス大手のパーソルキャリア(旧インテリジェンス)が運営を担っています。
若者正社員チャレンジ事業説明会は、2014年の開始以降、セミナーの開催や提携先企業の紹介、実際に企業での仕事が体験できる実習などを通じて、たくさんの就業支援を行ってきました。過去3年間で1,000人以上の方が参加し、新しい道を歩んでいます。
参加することのメリットを簡潔にお伝えすると以下の通り。
- 合同企業説明会でたくさんの企業を一度に見ることができる
- 約20日間の企業内実習で会社の雰囲気をしっかり理解できる
- 実習期間に応じて最大10万円の『キャリア習得奨励金』がもらえる
- 困ったときは専任のスタッフがあなたをサポートしてくれる
なんとも至れり尽くせりの内容ですが、もちろん参加費も一切かかりません。
お住いが東京都内でなくても参加可能です。
29歳以下の非正規雇用が参加条件
これだけ恵まれた内容の若者正社員チャレンジ事業説明会ではありますが、参加条件が少し細かく設定されています。
- 大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校または高等学校等を卒業して3 年以上経過していること
- 29 歳以下であること
学校を卒業して3年以上経過となっているため、現役学生の方は参加できません。
また、以下のようにも定められています。
- 正社員としての就職・就業経験がない方
- 派遣やアルバイトなど、非正規での就業経験のみの方
- 直近2年以内に正社員の職歴が通算1年を超えない方
参加者の6割は非正規雇用として働いていた人たちですが、非正規としても働いていなかった人、つまりニートだった人も参加できるということです。
条件さえ合っていれば、面接などで選考されることもないので安心です。
参加者の7割以上が正社員として採用
若者正社員チャレンジ事業説明会に参加した7割以上の人が正社員として働くことをスタートしています。
説明会への参加から3ヶ月前後で採用が決まることが多く、約9割の人が半年以内に就職活動を終えています。
自分ひとりだけの力で就職先を探していると、内定を勝ち取れるまで半年以上かかってしまうこともよくあります。
実習として実際の企業で働くこともできて、しかも3ヶ月前後で就職先が決まる可能性があるというのは大きなチャンスです。
人柄や意欲で採用してくれる企業ばかり
実習先として選べるのは、都内を中心とした中小企業100社以上。
IT・インターネット関連の企業から人材ビジネス、映像機材・設備会社や設備工事・メンテナンス会社など。
正社員といっても、飲食店の店長候補だったり、工事現場の作業員なんじゃないの?と心配する人も多いのですが、オフィスワーク系の仕事もたくさんあります。
また、学歴や実務経験、スキルなどを問わない会社がほとんどで、人柄や仕事への熱意や意欲で判断をしてくれます。
多少ビジネスマナーにかけていたとしても、熱意をしっかり伝えることができれば、採用してもらえるチャンスはありますよ。
チャンスを活用することが成功の秘訣
自力で就職先を見つけてみせる!という方はどうぞ頑張っていただければと思いますが、都内で正社員として働くことを希望するなら、ここまで恵まれたチャンスは他にありません。
交通費や宿泊費は自己負担となりますが、遠方にお住まいの方も都内での勤務を希望するなら参加可能となっているので、検討してみる価値はありますよ。
非正規雇用として働いている場合、大手の転職エージェントに相談へ行っても、紹介先がないとサポートを断られることもあります。
若者正社員チャレンジ事業説明会のような、無料で参加できる機会を最大限に活用することが、正社員として働ける職場を見つけるための近道です。
30代になると正社員雇用はますます困難に
若者正社員チャレンジ事業説明会は、29歳以下の若者しか参加できません。
30歳を超えると、ますます正社員として働けるチャンスは限られていきます。
2014年から続いている若者正社員チャレンジ事業説明会自体も、いつまで活動が継続していくかは誰にもわかりません。
あなたが非正規雇用から正社員として働くことを望んでいて、まだ30歳になっていないのなら、今すぐにでも行動すべきです。
業績が安定している企業、給料が良くて福利厚生も充実している企業、残業が滅多にない企業など、条件のいい会社ほど、すぐに募集が終了していきます。
あなたと同じように、正社員として働くことを望んでいる若者はたくさんいます。
希望の条件に合った仕事を他のライバルに奪われてしまわないためにも、早めに一歩を踏み出しましょう。