結婚していることや子どもがいることは、女性が転職するときに不利になる。
そんな噂を耳にしたことがある、という方は意外と多いですね。
20代は最も転職しやすい年代ですが、すでに結婚をされていてお子さんもいる女性の場合、退職をためらってしまうことも少なくありません。
20代でお子さんのいる既婚女性が転職活動で不利になるというのは本当なのでしょうか。
噂の真相と、対策について詳しくご説明します。
20代の既婚女性が転職で不利になるのは事実
残念ながら、20代の既婚女性が転職活動において不利になるのは事実です。
もちろん業種や職種によってばらつきはありますし、会社や部署の方針一つで採用基準は大きく変動します。
たとえば、同じようなキャリア、経験・スキルを持っている20代の男性と女性が採用候補者として上がってきたとします。
女性が既婚者でお子さんもいる場合、男性を採用したがる会社は多いです。
なぜ子育て中の20代既婚女性が不利になってしまうのか、順を追ってご説明します。
採用担当者が気にするのは長く働けるかどうか
採用担当者が最も嫌がるのは、せっかく採用した人がすぐに退職してしまうことです。
中途採用の場合、一人あたりの採用単価が100万円を超えることも珍しい話ではありません。
退職とまではいかずとも、仕事についていくことができずに体調を崩して休職扱いになったり。
いずれも採用担当者自身の人事評価に影響が出てしまう可能性があります。
その点、20代の既婚女性というのは、産休・育休を取得する可能性がとても高い世代です。
一般論として、30歳になる前に子どもを産んでおきたい、と考える女性はとても多いですよね。
高い採用費をかけて、仕事にも慣れてきたころに産休に入られてしまうとなると、現場の人間からもクレームが入ってしまう恐れがあります。
育休から復帰したと思ったら、また次の子どもを妊娠したことが発覚したり。
中途で入社してから、出勤した日よりも休業している日のほうが長い、という女性もいたりします。
子どもが生まれることは社会全体として見ても素晴らしいことではありますが、企業側の本音としてはなるべく避けてほしいのです。
面接の際に、「2人目のご予定はあるんですか?」「もうお子さんが増える計画はありませんか?」なんて失礼な質問は絶対にできません。
なるべくリスクを避けたい採用担当者としては、どうしても男性を採用したがってしまうのです。
子どもの存在を負担に感じる企業は多い
子どもがこれ以上増えることはないので産休・育休を取得することはありません!
と面接でハッキリ伝えたとしても、既にお子さんがいることを負担に感じる企業は多いです。
特にお子さんがまだ小さい場合、どうしても急な体調不良で仕事から離れる場面が出てきてしまいますよね。
朝一で会社の業績を大きく左右するようなプレゼンがあるときに、子どもの発熱で約束の時間に遅れてしまったり。
重要な取引先から「明日までに見積もりを出して欲しい!」といった急な依頼が来たときも、子どものお迎えでひとりだけ先に離脱してしまったり。
子育て中の女性をチームで支え合うのが会社の役目でしょ!という言い分は御尤もですが、そこまで余裕のない企業が多いのも現実です。
これだけ長時間残業が問題視されている昨今でも、まだまだ社員の残業に頼らざるをえない企業は山のように存在しています。
子どもがいることで、ほかの正社員と同じように働くことができないとなると、採用担当者としてはどうしても優先度を下げざるをえないのです。
旦那の影響で仕事を辞めてしまう可能性も
既婚女性を採用するときには、旦那の勤め先や職業も気になるものです。
旦那が転勤族の場合、この女性を採用しても結局は旦那に付いていくことになって辞めてしまうのでは…?と勘ぐってしまうのです。
たとえ旦那が転勤になったとしても単身赴任で働けばいい、という考え方もありますが、子どもが小さいうちは難しいですよね。
面接のときには「仕事に専念したいので頑張ります!」と話していたのに、入社してしばらく経つと「旦那と話し合って家庭に専念することにしました」と考えがコロっと変わる人も。
「私は頑張りたかったんですが、実は旦那がこの仕事にすごく反対していて…」と入社してから暴露してくるような人もいたりします。
企業が家庭の事情に口を出す訳にはいきませんし、旦那をコントロールすることも絶対にできません。
採用担当者からすると、旦那は怖い存在なのです。
20代子持ち既婚女性が正社員の仕事を探すには
では子育て中の20代既婚女性は転職をあきらめるべきなのか、というと決してそんなことはありません。
ただし20代未婚男性と比較すると、転職活動の難易度が少し上がるのは事実です。
それでもきちんと準備を怠らず、ひとつひとつを丁寧に進めていくことで転職の成功率を上げることはできます。
ここからは20代子持ち既婚女性の転職成功率を高めるコツについてご説明します。
子育て世代を支える風土のある会社を探し出す
転職成功率を高めるには、子育て中の女性に理解のある会社を探し出すことに尽きます。
女性比率の高い企業や業種をはじめ、男性でも育児休業を取得しているような会社の求人を探してみるとよいでしょう。
リクナビネクストや@typeなどの大手転職サイトをはじめ、転職エージェントも積極的に活用しましょう。
福利厚生の充実している人気企業の求人は、応募が殺到するのを避けるために一般公開されないことが多いです。
リクルートエージェントやdodaといった大手の転職エージェントは、魅力的な非公開求人を多数抱えています。
食わず嫌いせず、一度相談に行ってみることをおすすめします。
紹介された求人があなたの知らない企業だったとしても、子育て中の女性にとって働きやすい環境が整っている職場かもしれません。
選択肢を広げるためにも、活用できるものはとことん活用しましょう。
第一志望の面接で落とされないように対策を
気になる求人を見つけられたとしても、内定を勝ち取れるかどうかはあなた次第です。
第一志望の企業の面接で落とされることがないように、事前にしっかりと対策をしておきましょう。
緊張するとうまく話せなくなったり、面接に苦手意識があるなら、ここでも転職エージェントを有効活用することをおすすめします。
たとえば最大手のリクルートエージェントの場合、面接官の立場をシミュレーション体験できる面接力向上セミナーを定期的に開催しています。
受講者の99%が「大変満足」または「満足」と回答している人気セミナーです。
本命の会社の面接を受けに行く前に、一度受講してみてはいかがですか。
面接は一発勝負、失敗したら次はありませんよ。
正社員にこだわらなければ派遣という道もある
正社員にこだわらない、ということであれば派遣社員として働くという道もあります。
それなりにパソコンスキルがある方なら、選べる仕事の幅も広がりますし、高い時給も期待できます。
残業が絶対に発生しない仕事や、時短勤務が可能な職場、週4日で働ける求人など、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
たとえば大手派遣会社のリクルートスタッフィングは、派遣スタッフの育休取得実績が豊富だと評判です。
派遣の仕事は交通費が支給されなかったり、ボーナスももらえないなど、デメリットに感じる点があるのも事実です。
それでも働きやすさを優先したい!ということであれば、派遣の働き方も検討してみてはいかがですか。
転職するなら選択肢がたくさんある20代のうちに
子育て中の20代既婚女性の転職が難しいのは事実ですが、20代はまだまだチャンスがたくさん広がっています。
タイミングよく求人が見つかれば、未経験で他業種に転職することだって可能です。
どうしても30代、40代になってくると、未経験の仕事を始めることは難しくなっていきますよ。
転職するなら、20代の今がチャンスなのです。
職務経歴書の書き方がよくわからなかったり、面接できちんと話せるか不安…と心配になるなら、転職エージェントなどの無料サービスを最大限に活用しましょう。
ただ企業を紹介してもらうだけではなく、とことん使い倒すことが転職成功率を高める秘訣です。
また、中途採用の求人は日々大きく変動しています。
あなたが魅力に感じる好条件の求人は、ほかの人も同じように魅力を感じています。
子どもを育てながらでも働きやすい魅力的な求人を、他の人に奪われてしまわないためにも、転職を意識しているならすぐに行動を始めてください。
のんびりしていたら、気になっていた求人が採用終了になってしまいますよ。
あなたの希望に合った職場と出会えることを願っています。