「会社を辞めたいけれど、何も資格を持っていないと転職で不利なのでは・・・?」
と不安に感じる方は多いですね。
とくに20代ではじめて転職する方は、心配に思うのも無理はありません。
ただ、先に結論をお伝えしておくと、資格がなくても転職することは可能です。
20代の方には若さという絶対的な武器があるため、進め方次第で選考を突破できる確率を高められますよ。
このページでは、20代無資格の方が転職活動を成功させるコツについて詳しく解説します。
近いうちに転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職活動で役立つと言われる主な資格
「資格がないと転職で不利・・・」
と不安になる人は多いですが、ではどんな資格を持っていたら安心できますか?
医師や薬剤師、看護師などの国家資格を持っていれば、そりゃ仕事探しに困ることはないでしょう。
とはいえ取得するまでに膨大な時間とお金がかかりますし、相応の学力も求められます。
学生ならまだしも、仕事をしている社会人の方がいまさら受験勉強をやり直して医学部への入学を目指すのは現実的ではないですよね。
まずは比較的取得を目指しやすく、さらに転職活動で役立ちやすいといわれている主な資格についてご紹介します。
あわせて転職活動であまり役に立たない資格もご紹介するので、資格取得を考えている方は要チェックです。
TOEIC
まずは定番中の定番、TOIECのスコア。
仕事で英語が求められる会社は当然のことながら、英語を一切使わない会社の選考に進むときも有効なアピール材料になります。
目安としては700点以上は取っておきたいところ。
600点台以下であれば、無理に履歴書に書かないほうがいいことも。
1点注意したいのは、面接などでアピールすべきは英語力ではありません。
スコアアップのために努力できるという姿勢をアピールしましょう。
ネイティブレベルの語学スキルを持っている方が採用担当者だと、TOIECスコアなんて魅力ゼロです。
ただ、「1年でTOEICスコアを300点以上伸ばしました」などのエピソードがあると、あなたの魅力は一気に倍増します。
学生時代、英語が得意だった方はTOIECを受けてみてはいかがでしょうか。
日商簿記2級
経理・会計関連の職種への転職を希望するなら、簿記2級は間違いなく役立ちます。
無資格・実務未経験で採用してくれる企業もありますが、基本的な知識がないと業務についていけなくなります。
簿記3級でも最低限の知識は身につきますが、履歴書に書いたところでアピールになりません。
むしろ「なぜ2級の取得を目指さないんですか?」と面接官から突っ込まれてしまう可能性が高いです。
簿記2級は通信講座なども充実しているので、事務系の仕事でキャリアアップを目指したい方は取得を目指してみましょう。
宅地建物取引士(宅建)
不動産関連の業種への転職を視野に入れているなら、宅建の取得を持っておくと有利です。
簿記2級と同じようにテキストや通信講座などが充実しているものの、宅建試験の合格率は例年15%と高難易度。
生半可な覚悟で挑んで合格できる資格ではありません。
簡単に取得できない資格だからこそ、持っておくと転職活動で有利になりますし、資格手当がもらえる企業も多いです。
賃貸やオフィスの仲介会社は全国各地にありますし、宅建を持っておけば将来的にも仕事に困ることはないでしょう。
社会保険労務士(社労士)
総務や人事関連の仕事に興味があるなら、社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指してみてもよいでしょう。
社労士も簡単に取得できる資格ではありませんが、取得に向けて勉強を重ねていくことで業務に役立つ知識が多数身につきます。
社会保険や年金、就業規則など、会社を運営していく上で欠かせない知識を習得できますよ。
転職先としても社労士事務所が選択肢に入ってきますし、その気になれば独立開業も視野に入れてもいいかもしれません。
もちろん資格を取得しただけで、すべてが好転するほど世の中は甘くありませんが。
介護関連の資格
介護の仕事に興味がある方は、介護関連の資格取得を考えてみましょう。
今まで介護に関わったことがない方は介護職員初任者研修の資格を、ある程度知識がある方は介護福祉士実務者研修がおすすめです。
国家資格の介護福祉士は実務者研修の資格と3年以上の実務経験が必要となるため、すぐに取得できません。
介護福祉士になれば一生仕事に困らないともいわれますし、経験を積めばケアマネジャーの資格取得も目指せるようになります。
ただ、無資格で働ける介護の職場も多いので資格取得を急ぐ必要もありません。
介護施設で経験を積みながら資格取得の勉強を進めたほうが、知識が身につきやすいですよ。
運転免許証
最後にもうひとつ、意外とバカにできないのが運転免許証。
タクシードライバーなどを目指さない限り、大型免許や二種免許を取得する必要はありませんが、運転免許を必要とする仕事は意外と多いです。
先ほどもご紹介した介護施設でも高齢者の送迎で車を運転する機会は多いですし、社用車を使用する営業職も少なくありません。
「学生時代に運転免許を取得したけど、もう〇年以上車を運転していない・・・」
という方は仕事をはじめる前に練習しておくことをおすすめします。
お金はかかるものの、ペーパードライバー講習に対応している自動車教習所も多いですよ。
知名度は高いが取得をおすすめしない資格
続いて知名度は抜群に高いけど、転職活動であまり役立たない資格もご紹介します。
万が一取得検討中の資格があったときは、考え直したほうがいいかもしれません。
転職活動と関係なく、スキルアップのために取得するなら問題はありませんが。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
まずはオフィス系の資格としてトップクラスの知名度を誇るMOS。
エクセルやワード、パワーポイントなどのスキルが一定以上あることの証明にはなるものの、重要視しない会社も多いです。
たとえばMOSの資格を取得したばかりの候補者と、実務経験3年以上の候補者がいた場合、多くの企業は後者を採用したがります。
つまりMOSは実務経験に敵わないことが多いのです。
もちろんオフィスソフトの基本操作を身に着けるうえで、MOSの取得は決して無駄になりません。
ただ転職活動で役立つかどうかというと、過度に期待しないほうがよいでしょう。
ITパスポート
IT関連の会社に入社すると、新入社員研修の一環でITパスポートを取得させる会社もあります。
ITに関する基礎的な知識は身につくものの、転職活動ではほぼ役に立ちません。
同じように基本情報技術者試験も、転職活動で役立つ場面は少ないでしょう。
IT関連の資格で転職に役立つものを取得したいなら、職種や分野によって差はあるものの、ベンダー系の各種資格をおすすめします。
ただ、ITの分野も同様に資格より実務経験を重視する企業が多いことは覚えておいてください。
漢字検定
最後にもうひとつだけ、説明は不要かと思いますが、知名度抜群の漢字検定も転職活動で役立つことはないでしょう。
コツコツ勉強できるという姿勢はアピール材料になるものの、企業によっては面接で話題にすらされないことも。
「漢字が好きなんですね、ちょっと変わってますね」
くらいにしか思われないこともあるため、過度な期待な禁物です。
その他、転職活動で役立たなかった資格をもっと知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
20代なら資格の有無を気にせず転職可能
ここまで主な資格をご紹介しましたが、冒頭でもお伝えしたように20代なら資格の有無を気にせず転職できる可能性が高いです。
20代で転職回数が4回目、5回目となるとさすがに難易度が跳ね上がるものの、はじめての転職、2回目の転職であれば気にする必要はありません。
当サイト管理人も20代前半で2度転職していますが、履歴書に書ける資格は運転免許だけでした。
なぜこれといった資格がなくても採用されるのか、どのように進めれば成功率を高められるのか。
ここからは転職活動の進め方について詳しくご説明します。
実務経験を重視する企業は多い
資格が重要視されない理由のひとつ目は、実務経験を重要視する企業が多いということ。
事実、資格は持っているのに仕事ではさっぱり活躍できないという人もたくさんいます。
資格取得は一定以上の知識とスキルを持っていることの証明にはなりますが、仕事ができるかどうかは完全に別問題。
会社によって仕事の進め方はさまざまですし、上司によって重視するポイントも変わります。
採用担当者からすると、資格よりも実務経験があるかどうか、自社の雰囲気に合うかのほうが大切なのです。
将来性やポテンシャルが武器になる
もうひとつの理由は、20代には若さという強大な武器があるということ。
仮に資格が求められる仕事でも、「取得に向けて勉強している」という姿勢をアピールして採用されるケースは少なくありません。
それだけ若さには魅力があるのです。
30代、40代になってくると、新しいことに挑戦したがる人はどんどん減っていきます。
その点、20代はまだまだ成長の余地がたくさんありますし、記憶力の衰えを感じることも少ないでしょう。
「今はまだ戦力として不十分だけど、半年後、1年後には活躍してくれそう」
と将来性に期待して内定を出してくれる企業は意外なほど多いですよ。
選考で落とされないためのテクニック
資格の有無を問わず、実際に転職活動を進めていくと書類選考や面接を突破しないといけません。
ここからは選考で落とされないためのコツについて詳しくご説明します。
書類選考に自信がない方、面接に苦手意識がある方は参考にしてみてください。
転職活動は早めに準備をはじめる
まずもっとも大切なポイントは、早めに準備をはじめるということ。
「会社を辞めてから転職活動をはじめればいいや」
と安易に考えている人もいますが、すぐに転職先が見つかる保証なんて一切ありません。
人によっては半年以上転職活動が続くこともありますから、退職前から準備をはじめるべきです。
「でもまだ今の仕事が忙しいし・・・」
「上司にバレたりしたら面倒くさいし・・・」
とやらない言い訳はいくらでも出てくることでしょう。
転職サイトに登録するだけなら帰りの電車の中でスマホからできますし、転職エージェントも土日にカウンセリングを受けられます。
これといった資格を持っていない方はとくに、準備に時間をかけることが成功率を高めることにつながりますよ。
職務経歴書は具体的にわかりやすく
転職サイトなどで気になる会社を見つけたら積極的に応募していきましょう。
書類選考へ進むときに気を付けたいのは、誰が応募書類をチェックしているかわからないということ。
極論ですが、今朝いきなり人事部に異動となった新卒一年目の新入社員が合否を判断している可能性だってあるんです。
だからこそ職務経歴書は具体的にわかりやすく書くことを意識しましょう。
履歴書に書けるような資格を持っている方も、単に資格の名前を書くだけでは不十分。
事務系の仕事なら、エクセルでどの程度のことまでできるのか、VLOOKUPやピボットテーブルでデータ集計を担当していたなど、誰が見てもイメージしやすいように書いてみましょう。
「資格を持っているから書類選考で落ちることはないだろう・・・」
と油断していると、あっさり落とされてしまうかもしれませんよ。
本命企業へ提出する前に添削を受ける
自分が書いた職務経歴書を第三者に見てもらったことはありますか?
できれば本命企業の選考に進む前に、転職エージェントで職務経歴書を添削してもらいましょう。
ほとんどの場合、書類選考は一度しか受けられません。
この職務経歴書で問題ないか、もっとうまく書けることはないか、第三者のアドバイスをもらいましょう。
信頼できる上司や先輩に相談することもひとつですが、所詮は素人。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、日々多くの職務経歴書に目を通しています。
どんな職務経歴書は落とされやすいか、どのような書き方をすれば伝わりやすいか、ノウハウをたくさん持っています。
応募企業によって書き方を変えたり、書類選考を突破するためのコツを教えてもらえますよ。
本命企業の書類選考で失敗しないように、プロの目で添削してもらいましょう。
面接は事前にイメージトレーニング
無事に書類選考を突破できたとしても、面接を通過しない限り内定はもらえません。
「緊張するとうまく話せなくなってしまう・・・」
「突っ込まれた質問をされると頭が真っ白になってしまう・・・」
と苦手意識を持っている人も多いですね。
面接で適切な受け答えが出来るようになるためには、場数を踏むしかありません。
たとえば転職エージェント最大手のリクルートエージェントでは、受講者の99%が「満足」と回答している面接力向上セミナーを定期的に開催。
本命の会社の面接を受けに行く前に、一度受講してみてはいかがですか。
面接は一発勝負、失敗したら次はありませんよ。
20代無資格でも転職はきっと成功する
「〇〇の資格を取得すれば、転職もきっとうまくいく・・・!」
と期待している人も多いですが、資格はあくまで資格です。
先ほどもご説明したように、20代なら無資格でも将来性への期待から採用されるチャンスはたくさんあります。
スキルアップのために勉強するなら問題ありませんが、転職のために資格取得を目指すのは得策ではありません。
納得のいく転職を成功させたいなら、時間を割くべきは資格の勉強よりも選考へ進むための準備。
20代の転職はとくに、職務経歴書に書けることが少なくなりがちなので、事前に転職エージェントで添削を受けてみてください。
また、貯金にあまり余裕がない方も多いですから、収入が途絶えないように退職前に内定をもらっておきたいですね。
資格の有無について悩んでいるヒマがあるなら、転職サイトに登録したり、転職エージェントにカウンセリングを申し込むなど、小さくても一歩を踏み出しましょう。